ゆらぎ世代の生理周期「24〜38日」は正常?ホルモン変化を知って始める今日からのセルフケア

生理周期とホルモンの変化をデータと実感の両面で整理。平均28日・24〜38日の範囲、PMSの傾向、40代のゆらぎ期の特徴を解説し、35〜45歳の女性が今日から始められるセルフケアの具体例と生活改善のヒントを提案します。

ゆらぎ世代の生理周期「24〜38日」は正常?ホルモン変化を知って始める今日からのセルフケア

生理周期の基礎知識:24〜38日と4つの相

統計によると、成人女性の生理周期は平均約28日で、正常範囲は24〜38日に収まるとされています[1]。医学文献では、排卵から次の出血までの黄体期は比較的安定しおよそ14日前後で推移することが示されています[2]。編集部が複数の研究データを照合したところ、35〜45歳のいわゆる“ゆらぎ期”には周期のばらつきが増え、無排卵の周期が混じる割合が高まるという報告が目立ちます[1]。ホルモンは気分、睡眠、肌、食欲、仕事の集中力にまで連動します。つまり、しんどさは“気の持ちよう”ではなく、生理学的に説明できる変化でもあるということ。きれいごとに寄りかからず、データに基づいて生理周期とホルモンの変化を読み解き、現実的に使えるセルフケアまでを整理します。

医学文献によると、生理周期は大きく「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」に分けられます。卵巣からのエストロゲン(主にエストラジオール)とプロゲステロン、そして脳下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が連携し、子宮内膜の増殖と剥離、排卵、黄体化という流れをつくります[2]。平均的には、月経期が数日続いたのち卵胞期に入り、エストロゲンが上昇して子宮内膜が厚くなります。LHサージと呼ばれる急峻なLHの上昇が引き金となって排卵が起こり、その後はプロゲステロンが中心となる黄体期へ[2]。黄体期は比較的ぶれにくく、研究データではおよそ14日前後が目安です[2]。基礎体温でみると、排卵後に0.3〜0.5℃上がることが多く、これはプロゲステロンの体温上昇作用と関連します[2]

周期の長短は多くの場合、卵胞期の長さに依存します。ストレス、睡眠不足、体重や運動量の変化、旅行などのライフイベントは視床下部—下垂体—卵巣軸に影響し、排卵のタイミングを遅らせたり早めたりします[1]。編集部の周囲でも、繁忙期や長期出張のあとに周期が1週間ほどずれたという声は珍しくありません。こうした変動は珍しいことではなく、24〜38日の範囲で収まるなら生理学的な“ゆとり”の範囲内とされています[1]

各相で起きるホルモンの変化とからだのサイン

卵胞期〜排卵期:エストロゲンの上昇がもたらす変化

卵胞期にはエストロゲンが緩やかに上昇し、排卵前にピークを迎えます[2]。研究データでは、エストロゲンが適度に高い状態は一般に気分や認知のパフォーマンスと相性が良い傾向が示されています[1]。肌のうるおい感やむくみの軽減を感じやすい人もいます。頸管粘液がさらっと伸びやすくなるのも、この時期の特徴です[2]。トレーニングでは、パワーや持久系の感触がよいと感じる人が一定数いますが、もちろん個人差があります。排卵期にはLHサージが起こり、下腹部の違和感や片側のチクッとした痛みを覚えることがあります。これはいわゆる排卵痛で、多くは数時間から1日程度で治まります[2]

黄体期〜月経期:プロゲステロンとPMSの正体

排卵後の黄体期はプロゲステロンが主役です。体温が上がり、眠気を感じやすくなる一方で、血糖変動や水分保持の影響でむくみやすさ、甘いもの欲などが出やすい時期でもあります[2]。PMS(月経前症候群)の何らかの症状を経験する人は多く、国内の調査でも月経に関連した不調を抱える人が高頻度であることが示されています。日常生活に中等度以上の影響を訴える人も一定数みられます[5,6]。気分の落ち込み、集中力の低下、乳房の張り、頭痛、便通の変化などの症状は、プロゲステロンと神経伝達物質(セロトニンなど)の相互作用やプロスタグランジンの関与で説明されます[2]。月経が始まるとプロゲステロンが低下し、子宮内膜が剥がれることで出血が起こります。医学文献では、経血量の目安として平均30〜40mL程度、80mLを超えると多量月経(heavy menstrual bleeding)の可能性があるとする定義が広く用いられています[3]。一方で、国内資料では正常20〜140mL、140mL以上を「過多月経」とする表記もあります[4]。レバー状の血塊が頻回に出る、夜用ナプキンでも漏れるなどの実感が続くときは受診が推奨されます[3]

35〜45歳の「ゆらぎ」:周期の乱れと更年期前の変化

35〜45歳は、キャリアや家族の役割が重なる一方で、卵巣機能も緩やかな変化期に入ります。医学文献によると、卵胞数の減少とともにFSHが高めに推移する周期が現れ、無排卵や排卵時期の変動が増えます[1]。臨床的には、数年間のスパンでみると「やや短めの周期が増える時期」と「逆に長く空く時期」が混在することがあります。PMSが強まる、経血量が増える、経期が長引く、あるいは逆に極端に短くなるなどの“揺れ”は、仕事や家事のスケジュール感を乱し、自己効力感を削りやすいのが現実です。

こうした変化は個人差が大きいものの、一般的な目安を知っておくと判断がしやすくなります。例えば、21日未満または45日超の周期が続く、3周期以上の無月経、80mLを超えると推測される多量月経、月経中に立っていられないほどの痛みが反復する、といった状況は医療機関での評価が推奨される目安として挙げられます[1,3,2]。鉄不足は疲れやすさや集中力低下に直結するため、経血量が多い自覚がある人は食事で鉄・たんぱく質を意識し、必要に応じて検査を検討する選択もあります[4]。ホルモンの変化は「心の弱さ」ではなく、からだの正直なサイン。

今日からできるセルフケアと周期マネジメント

まずは観察です。3カ月をひと区切りに、出血の始まりと終わり、経血量の体感、痛み、睡眠、仕事の負荷、運動量、食欲や気分を一行ずつでいいので記録してみてください。スマホのカレンダーや専用アプリ、紙の手帳のどれでも構いません。人は「見える化」されたものに対しては対策を立てやすくなります。卵胞期に冴えやすいタスクの傾向、黄体期にこなすと消耗が大きいタスクの傾向が、意外なくらい浮かび上がってきます。

食事は、月経期に鉄とたんぱく質をしっかりとり、葉酸やビタミンCも意識すると吸収に役立ちます[2]。卵胞期はトレーニングの相性がよいと感じやすい人が多いので、炭水化物を怖がらず適量のエネルギーを入れてパフォーマンスを支えるのが現実的です。黄体期はむくみやすさと血糖の波に寄り添い、間食はナッツやヨーグルト、果物など「満足感があってゆるやかに吸収されるもの」を先に用意しておくと衝動買いを避けやすくなります。カフェインは午後早めまでに切り上げ、アルコールは量と頻度を控えめにすると睡眠の質が崩れにくくなります。

運動は、月経期には散歩やストレッチ、ヨガやピラティスのやさしいメニューで体温と血流を保ち、卵胞期には筋力トレーニングやインターバルなど強度を上げる日を作る、といった“波に合わせた設計”が有効です。排卵期は違和感や痛みがある日は無理をしない判断を優先し、黄体期は負荷を1〜2段階落とす代わりに、就寝・起床時刻を固定して睡眠で回復を稼ぐイメージに切り替えると、翌月の揺れが小さくなる実感が出やすくなります。

痛みへの対処は、温める・動かす・休むの順番を柔軟に行き来させるのがコツです。下腹部や腰を温めると筋緊張が緩み、軽い有酸素運動は月経痛の軽減に役立つとされています[2]。市販の解熱鎮痛薬は、用法・用量を守り、空腹を避けて適切に使うと痛みの連鎖を断ちやすくなります[2]。仕事面では、黄体期に締め切りと重なりやすいタスクは前倒しで“下ごしらえ”を済ませ、卵胞期にまとめて仕上げるなど、周期×タスクのマトリクスを頭に描いて配置換えすると負荷のピークが鋭くなりすぎません。会議や交渉ごとは卵胞期に入れてうまくいったという声もありますが、個人差は大きいので、記録から自分の最適解を拾い上げていきましょう。

症状がつらい、あるいは日常が回らないと感じるなら、医療の力を借りることも前向きな選択です。低用量ピルによる周期の安定化、鉄欠乏の評価、月経困難症や子宮筋腫・内膜症のチェックなど、適切な評価と選択肢があることは、エビデンスに基づいて確立しています[2]。大切なのは、我慢比べをしないこと。まずは記録とセルフケアで「自分の波」を可視化しながら、必要に応じて専門家と伴走する、という二本立ての発想です.

まとめ:波に抗わず、波を読んで、波に乗る

生理周期は、平均28日という“テンポ”で回る身体のリズムです[1]。そして35〜45歳は、そのテンポが揺れる時期[1]。ここで必要なのは、完璧に整えることではなく、波を読んで味方にする視点です。まずは3カ月、周期と体調の記録をつけてみませんか。次に、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期それぞれに、食事・運動・睡眠の小さな工夫を一つずつ置いてみましょう。もし「これは自分だけでは整えにくい」と感じたら、遠慮なく医療や専門家のサポートにアクセスしてください。あなたの毎日は、ホルモンだけで決まらない。データと手触りの両方を頼りに、今日の一歩を軽くする選択を重ねていきましょう。

参考文献

  1. PMC article: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7381001/
  2. 厚生労働省 母性健康情報サイト「母性ナビ」:月経やPMSの基礎知識 https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-1.html
  3. Hong Kong Obstetrics & Gynaecology Info: Heavy menstruation (menorrhagia) https://hkog-info.com/heavy-menstruation-menorrhagia/
  4. Medical Note:過多月経 https://medicalnote.jp/diseases/%E9%81%8E%E5%A4%9A%E6%9C%88%E7%B5%8C/contents/201109-003-ZZ
  5. 厚生労働省 母性ナビ(働く女性の不調に関する調査の紹介等) https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-1.html
  6. 大塚製薬 PMSラボ:PMSの有病率に関する国内外データ https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/column/population.html

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。