ユニクロが高見えする3つの法則:30代・40代が知っておきたい格上げテクニック

忙しい30〜40代へ。ユニクロの手持ち服を「素材・色・シルエット」の3ステップで格上げする高見えコーデ術。通勤から行事まで使える実例&買い方・サイズ選びのコツを紹介。編集部の検証つきで、明日から使える着回し例と写真映えする着こなし、小物やお手入れのコツも掲載。

ユニクロが高見えする3つの法則:30代・40代が知っておきたい格上げテクニック

高見えの土台は素材・色・シルエットの設計

総務省の労働力調査では、35〜44歳女性の就業率は約7割台後半[1]。さらに、OECDの2024年レポートでも日本の女性就業の高水準が報告されています[2]。 仕事・家事・ケアのタスクを抱える私たちにとって、朝のコーディネートはできるだけ簡単で、しかも信頼できるものであってほしい。さらに、会議や学校行事、急な会食まで一日で役割が変わる日も少なくない。そんな現実の中で頼りになるのが、定番と更新が同居するユニクロ。**ファーストリテイリングの売上は近年3兆円超(2024年8月期の連結売上収益が3兆円)[3]**という規模感が示すのは、手に取りやすさだけでなく、日常に寄り添う安定感です。編集部が各種データと実地の検証から見つけたのは、「素材」「色」「シルエット」の3点を整えるだけで、手持ちのユニクロが見違えるという事実でした。難しいテクニックは不要。ポイントを押さえれば、通勤も週末も、写真に残っても堂々とできる高見えコーディネートに仕上がります。

高見えはセンスの問題に見えて、実は設計の問題です。編集部はまず素材から見直しました。ユニクロの名品といえば、エクストラファインメリノやスーピマコットン、レーヨンブレンド、プレミアムリネンなど、価格を超えて生地の均一さと発色が安定しているもの。ツヤは“光り方”が自然かどうかが肝で、人工的な強い反射ではなく、面で静かに光る生地を選ぶと一気に大人の雰囲気に。たとえばレーヨンブレンドのブラウスは落ち感がよく、タックワイドパンツやスマートアンクルパンツと合わせるとシワの影が縦に落ち、価格以上のドレープを演出できます。逆に、薄手で透けやハリの出方が強すぎるものは室内灯でチープに見えやすいので、店頭では鏡の前で左右に身体を揺らし、光の移ろいを必ず確認しましょう。

次に色設計。高見えの近道は色数を絞り“濃淡を揃える”ことです。黒・ネイビー・チャコール・エクリュ・ベージュの中から3色でまとめて、アクセントは同系の濃淡で足すのが失敗しにくい。ネイビーのジャケットに黒を重ねるのは避けがちですが、ウール調のマットなネイビーに、微光沢のブラックパンツを合わせると素材差で奥行きが出て、むしろ洗練されます。白を使うならくっきり白より“生成り寄り”を選ぶと、全体の階調が馴染みやすく、肌も柔らかく見えます。口紅やネイルの赤で色を足すなら、バッグは黒、靴は濃いブラウンといった具合に、身につける色を3点までに抑えると、コーディネート全体の密度が上がります。

最後にシルエット。I・X・Yの3つを意識すると迷いが消えます。Iは縦長、Xはウエストマーク、Yは上にボリュームのある形。ワイドパンツが多い最近は、トップスをレーヨンやメリノで落としてIラインに寄せると高見えしやすい。逆にリブタートルで上半身をコンパクトにし、タック深めのワイドパンツにベルトでウエストを締めればXラインが決まり、端正さが増します。丈は“くるぶしに空気”が基本で、パンツはワンクッションか、甲に軽く触れる程度の長さに直すと即効で上質感が出ます。スカートならミモレ〜ロングで、足首の細さが覗く位置。ジャケットは肩が落ちすぎないものを選び、袖は手首の骨が少し見える長さに調整すると、時計やブレスレットの地金が覗いて価格以上のコーディネートに見えます。

“仕立て見え”は家で足せる:プレス・襟・ウエスト

高見えは買って終わりではなく、家での一手間で伸びしろが決まります。パンツはセンタープレスをきちんと入れるだけで直線が立ち上がり、影が深くなる。スチーマーでも十分ですが、布を挟んでアイロンを滑らせると線が長持ちします。シャツは第一ボタンを外し、台襟を立てすぎず、鎖骨の影が自然に見えるVを描くと、顔まわりに余白ができて上品。トップスを全部インするのではなく、フロントのみラフにタックインすると、ウエスト位置が上がり脚が長く見えるうえ、ベルトのバックルが小さく見えるので過度な主張になりません。

シーン別:信頼感のあるユニクロ高見えコーデ

通勤の日は、ネイビー系でまとめるのが強い味方です。ウール調のジャケットにレーヨンブレンドのとろみブラウス、スマートアンクルパンツを合わせ、足元は甲が少し見えるローファー。ブラウスの白をエクリュ寄りにすると、モニターの光でも顔が硬く見えず、会議室でも馴染みます。バッグは自立する黒のトートを選び、ストラップは外して金具を見せないと、目線が素材に集まりやすく品よく映ります。会議後に社外のカフェへ移動するなら、イヤリングを小粒パールに付け替え、ジャケットの袖を一つ折って手首を出すだけで軽さが出ます。

学校行事は、地味すぎず華美すぎない中庸を狙います。ライトグレーのニットセットアップに、同系のグレージュのコートを重ね、靴はダークブラウン。色を冷たくしすぎないために、バッグだけはアイボリーを選び、コートの襟元からは微光沢のスカーフを少しのぞかせる。スカーフは多色よりベージュ×黒の二色程度が扱いやすく、首を一周させるより三角に折って差し込むと落ち着きます。写真に残るシーンを想定して、髪はまとめるよりも低い位置で緩く結び、耳回りをすっきりさせると、ニットの地厚さが映えます。

週末は、楽さの中に直線を一本通します。プレミアムリネンのシャツを白Tに羽織り、下はタックワイド。ここでスニーカーにいくとカジュアルが強く出るので、甲浅のフラットか、ソールが薄いレザーのスリッポンに替えると、一歩で“きれいめカジュアル”に。色はオリーブ×エクリュ×黒の3色に抑え、手首には地金のバングルを一つ。子どもの付き添いでしゃがむ動作が多い日は、インナーのTシャツの襟ぐりを詰め気味にして、屈んだときの見え方まで計算すると安心です。

会食や登壇の日:ネイビーの強さを借りる

大人の場では、ネイビーのワントーンが最短ルート。微光沢のサテンプリーツスカートに、マットなニットを合わせ濃淡を揃えます。耳元は地金のフープ、口紅はブルベ寄りの赤で、足元は黒のプレーンパンプス。ジャケットを脱いでも成立する“中の完成度”を意識すると、空調が強い会場や長丁場にも耐えられます。食後の写真にも耐えるよう、ウエストゴムのスカートでも上にベルトを重ねて留め位置を固定すると、シルエットが崩れません。光が強いレストランでは、バッグの金具が目立ちすぎることがあるので、表にロゴや金具が出ないデザインを選ぶと、全体が高見えします。

小物で“格”を足し、ケアで“格”を守る

高見えを決定づけるのは、実は靴とバッグです。靴は本革か、それに近い質感で甲のカーブが滑らかなものを選び、つま先の形は尖りすぎず丸すぎない中庸に。バッグは自立すること、底鋲があること、持ち手がくたっと落ちないことの3点を意識すると、同じ黒でも空気のまとい方が変わります。ベルトはバックルの厚みが薄いものを選ぶと、金属の主張が控えめになり、むしろ上質に見える。ジュエリーは地金の色を一日に一色に決めるのが、最短の整え方です。イエローゴールドにしたらその日は時計もゴールド寄り、シルバーならすべてシルバーに寄せて、色の交通整理をします。

そしてメンテナンス。毛玉は“服の年齢”を一気に暴きます。ニットは着るたびにスチームを当て、週末に毛玉取りで表面を掃き、その後に生地ブラシで繊維を寝かせると、光の反射が均一になって新品のように冴えます。シャツは洗濯ネットに畳んで入れ、脱水を短くして早めに陰干し。パンツは帰宅後すぐにハンガーで腰回りを整え、ポケットに物を入れたままにしない。どれも数分の作業ですが、次に袖を通すときの“きちんと感”が段違いです。

色の更新は小物から:赤・白・メタル

トレンドの色は、小物で少量試すのが賢明です。赤なら口紅と細ベルト、白ならソックスとスマホケース、メタルならイヤカフと細いチェーン。服の面積を動かさずとも、コーディネートの気分は確実に変わります。結果的に手持ちのユニクロの定番も鮮度が保て、買い替えサイクルを長くできます。色の挑戦に迷ったら、編集部のカラー指南「40代のための色設計」や、ワードローブの見直し術「はじめてのカプセルワードローブ」も参考にしてみてください。

失敗しない買い方:サイズ、丈、鏡の前の3分

オンラインでも店頭でも、最後は“鏡の前の3分”が勝敗を分けます。サイズはジャストとワンサイズ上の両方を当て、肩線と背中の縦しわを見比べます。肩が落ちすぎると急にルーズに寄る一方で、背中の肩甲骨の間に斜めのシワが入るとサイズが小さいサイン。パンツはヒップの横に横ジワが出ていないか、太ももの付け根に張りが出ていないかを確認します。丈は靴を履いて、横からスマホで撮ると客観視しやすい。床に触れるか触れないかの攻防は動画で見ると判断が速くなります。トップスは座った姿も確認し、腰回りのたるみが出すぎないかをチェック。家とオフィスの椅子では座面の高さが違うので、出社のある人は低めの椅子でも試すと失敗が減ります。

色は、店のライトだけで決めず、入口の自然光や窓際で見直すのが鉄則です。ネイビーは青みに転ぶとカジュアルに、黒は赤みに転ぶと重く見えます。肌の黄みや青みによっても見え方が変わるため、顔の近くに当てて目の下の影が濃くならない方を選びます。迷ったら、まずは“濃い・中間・淡い”の濃淡で3点を揃え、余白の一つを白で確保する。こうして組み合わせの土台を作っておけば、次に新作が出たときも迷いが少なく、コーディネートが早く決まります。買い物前にクローゼットの棚卸しをしておくとさらに強い味方になります。やり方は編集記事「クローゼット整理・見直しガイド」で詳しく解説しています。

“ゆらぎの朝”に効くルーティン:前夜の30秒

最後に、リアルな朝のための工夫を。前夜、ハンガーに翌日の上下をかけ、靴とバッグを近くに置くだけで、当日の判断回数が一つ減ります。天気予報で雨を見たら、パンツを一段だけ短い丈に変更し、撥水アウターに差し替える。オンライン会議が多い日には、明るい色のトップスと、首まわりに陰影が生まれる襟元を選んでおく。たった30秒ですが、朝の“ため息”が一つ消えます。高見えは自分に威厳を足すためではなく、今日の役割に自信を持って入っていくための装置。ユニクロという土台があるからこそ、私たちは余白を自分らしさで満たせるのだと思います。

まとめ:高見えは“整える力”。今日から3つだけ

ユニクロで高見えするコーディネートは、特別なセンスよりも、素材・色・シルエットを“揃える”力にかかっています。落ち感があり自然に光る素材を選び、身につける色は3点までに絞り、丈と肩線を丁寧に合わせる。この3つを意識するだけで、手持ちの服が静かに格上げされ、どんな役割の一日にもすっと馴染みます。明日の朝、鏡の前でジャケットの袖を少しだけ上げ、パンツのラインを指でなぞってみてください。小さな直線が一本通ると、気持ちまで整います。あなたはどのシーンから“整える力”を試しますか。まずは今夜、ハンガーに一式をセットするところから始めてみましょう。

参考文献

  1. CEIC Data. Japan Employment Rate by Age: Female 35 to 44 years. https://www.ceicdata.com/en/japan/labour-force-survey-employment-rate/employment-rate-by-age-female-35-to-44-years#:~:text=Japan%20Employment%20Rate%20by%20Age%3A,to%20Jul%202024%2C%20with%20625
  2. OECD. OECD Employment Outlook 2024: Country Notes – Japan. https://www.oecd-ilibrary.org/en/publications/oecd-employment-outlook-2024-country-notes_d6c84475-en/japan_ba997ec7-en.html#:~:text=population,total%20fertility%20rate%20has%20been
  3. FAST RETAILING CO., LTD. 2024年8月期の連結業績:通期は大幅な増収増益。売上収益3兆円、営業利益5,000億円を突破. https://www.fastretailing.com/jp/ir/news/2410101800.html#:~:text=%E2%96%A02024%E5%B9%B4%EF%BC%98%E6%9C%88%E6%9C%9F%E3%81%AE%E9%80%A3%E7%B5%90%E6%A5%AD%E7%B8%BE%EF%BC%9A%E9%80%9A%E6%9C%9F%E3%81%AF%E5%A4%A7%E5%B9%B3%E3%81%AA%E5%A2%97%E5%8F%8E%E5%A2%97%E7%9B%8A%E3%80%82%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E5%8F%8E%E7%9B%8A%EF%BC%93%E5%85%86%E5%86%86%E3%80%81%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%88%A9%E7%9B%8A5%2C000%E5%84%84%E5%86%86%E3%82%92%E7%AA%81%E7%A0%B4

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