私たちはいつも**「何かを選択すること」**を繰り返しながら日々を過ごしています。
「次の休日はどこへ行こう?」という気軽な選択から、「今の仕事、続けるべき?」といった大きな選択まで、私たちは何気ない日常の中で、無意識のうちに選択による意思決定をしていると言えます。
目の前にある選択肢から1つを選び取るということは、簡単なときもあれば、そうでないときもあるものです。特に物事が深刻であればあるほど、答えを出すことに行き詰まってしまって、迷いから抜け出せなくなることも。
悩んでも悩んでも答えが出ない。そんなときは、きっと誰しもあると思います。
実のところ私自身も、何かを決断する際に結構時間がかかってしまう性格です。「そもそも私、本当はどうしたいのだろう?」と、自分の根底にある価値観や意志を見失いそうになるときもあります。
そんなときは誰かに相談することもありますが、「自己と対話する」という方法も迷いから抜け出すのに意外と有効だと感じています。
私が自分との対話に使っているのは「タロットカード」。
タロットカードは占いのツールとして用いられるものですが、**自分自身でカードを引き、自己理解や問題解決に役立てる「セルフリーディング」**に使うこともできるのです。
今回は、「タロットカードによる自己対話」の魅力を、初心者の方でも気軽に挑戦できるセルフリーディングの方法と共にご紹介したいと思います。
進むべき道に迷ったときは、心の声を聴いてみて。タロットカードが教えてくれる、本当の気持ち。
タロットカードが教えてくれる心の声

タロットカードには、私たちが日々抱いている様々な感情や、心の奥に抱いている潜在意識などが象徴的な絵柄によって表されています。
例えばこちらの写真のカードに描かれているのは、長いマントに身を包み、ランタンを掲げて周囲を照らす隠者の姿です。「隠者」のカードは、「思慮深さ」や「探求」などの意味を持ちます。
実はこの記事を書き始めた日、「今日の1枚」として引いたカードがこちらの「隠者」のカードでした。
奥深いタロットの世界について、読者の皆さんにわかりやすく伝えるために、まずは私自身がタロットの基本をもう一度きちんと理解しておく必要がある。そういったメッセージを、カードが私に伝えてくれているような気がしました。
このように、たった1枚のカードからも今の自分に必要なことや、進むべき方向性を読み解くことができるのです。
カードに込められた意味をどのように感じ取るかは、人それぞれ。今の自分の状況と引いたカードの意味を照らし合わせて、自分の心の内側と対話していきます。そうしていると「私、こんなことを思っていたんだ」と、意外な深層心理に気づくことも。
何かに悩んでいるときや迷っているときほど、自分の本当の気持ちというのは見過ごしがちなところがあります。考えすぎて停滞感を感じたとき、タロットカードは前に進むためのヒントを授けてくれると私は思うのです。
お気に入りのカードを日々の相棒に

今回のセルフリーディングで使用するのは、私が日頃愛用している**「CAT AND HERB TAROT」**。画家であり、トランプやタロットの作家としても活動している、**森本ナオコさん(あそびトランプ堂)**のカードです。
こちらのカードの魅力は、なんと言っても、森本さんの手によるかわいらしい猫の絵柄。「タロットって難しそう……。」というイメージを払拭してくれそうな優しさが感じられます。
古くから親しまれているマルセイユ版タロットの要素を楽しめるデザインなので、これからタロットを始めてみようかなという方にもおすすめです。

各カードにカモミールやペパーミントなど、ハーブの絵がさりげなく描かれているのもポイント。今日飲むハーブティーを決める1枚として使うのも良いですね。裏面には魚やマタタビなど、猫の好物が描かれています。そんなさりげない遊び心も素敵です。
タロットカードは、使い続けているうちに「自分のもの」になっていくような気がします。ぜひ、日々の相棒になってくれるような、お気に入りのカードを見つけてみてください。
セルフリーディングの方法とその効果
それでは実際に、タロットカードを用いた簡単なセルフリーディングの方法をご紹介します。
単純明快に答えがほしいときは、先ほどのように1枚引きするのでも十分ですが、もう少し深く自己と対話したいというときにおすすめなのが、3枚のカードを読み解く「スリー・カード」という手法です。
ここでは私のリアルな悩みである**「長い間疎遠になっていた友人に連絡を取るべきか?」**ということへの答えを、カードに問いかけてみます。
①まず、リーディングを始める前に、自分なりのリラックスできる環境を整えましょう。セルフリーディングをする際は、できるだけ静かな心の落ち着く場所で。好きな香りのお香を焚いたり、ヒーリングミュージックをBGMに流したりするのもおすすめです。
②心の準備が整ったら、裏返しにした全てのカードを時計回りにシャッフルします。このとき、心の中でカードに問いかけたいことを思い浮かべます。質問はなるべく具体的に。

③十分にシャッフルし終えたところでカードをいったんひとまとめにし、3つの山に分けます。

④3つの山を好きな順番で重ねて、再び1つの山にまとめます。これでカードを引くための準備は完了です。

⑤上から6枚のカードを捨て、7枚目のカードを左に置きます。この手順をさらに2回繰り返して、中央と右にもカードを並べます。

左から順に、質問内容に関する「過去・現在・未来」の状況を表します。「友人に連絡を取るべきかどうか?」という問いに対して、どのような結果が出たのか見ていきましょう。
過去として出たのは「星」のカード。2人の間に理想的な友情が築かれてきたことがうかがえます。確かに、今はその友人とあまり連絡を取ってはいないものの、仲違いをしたり気まずくなったりしたわけではありません。
そして現在のカードには、復活を意味する「審判」が出ています。今の私の心の中には、連絡を取るか迷いつつも、やっぱり友人と「また会いたい」と願う気持ちがあるのかなと感じました。
気になる未来はどうでしょう? 「戦車」のカードが出ています。「思うがままに進んで大丈夫!」と、悩んでいる私の背中を押してくれているように感じました。
友人とは長い間会っていなかっただけに「急に連絡したら迷惑かも……」という考えに、ずっと囚われていた気がします。しかし、セルフリーディングをした後には「疎遠になっているというのは、私の思い込みかも?」と前向きな気持ちになることができました。
タロットカードを介して自分の心と静かに向き合うことで、ネガティブな思考に新たな視点を得ることができる。セルフリーディングには、私たちの心の中にある**「未来に向かって進んで行こうとする意志」を引き出す力がある**のではないかと私は思います。
立ち止まって、見つめて、また進む。

タロットカードを引き、自分の心と向き合う時間は**「深呼吸をすること」に似ている**気がします。
気ぜわしい日々に心が疲れてしまったとき、少し立ち止まってタロットカードを引いてみる。そんなふうに自分を見つめる心の余裕をいつも忘れないでおきたいと、私は思います。
考えすぎて凝り固まってしまった心と体を、そっと解きほぐしてくれる。そういったものを日常の中に一つ持っておくだけでも、私たちは自分で自分を癒しながら、きっと前に進んでいけるはずです。
※参考
「CAT AND HERB TAROT」© 森本ナオコ/あそびトランプ堂