今の仕事にも生活にも、大きな不満はない。それなのに「このままでいいのかな」と不安に駆られる時がある。
なんとなく「何かしなきゃ」と思うけれど、かといって何をすればいいのかは分からない……。
そんな時に試したい、マインドマップを使った頭と心の整理術をご紹介します。
モヤモヤは言語化でスッキリ

同級生と近況報告をしあった帰り道や、同い年の芸能人の妊娠報告を見た時、何でもない日の寝る前。不意に**「このままでいいのかな」**と、モヤモヤしてしまった経験はありませんか?
今のキャリアを変えるか否か。
結婚や出産はどうする?
将来に向けた蓄えも考えた方がいいかも……。
などなど、考え出せばキリがありません。筆者自身、こうした焦りや不安を漠然と感じることが増えてきました。
10代や20代の頃ほど、まっさらな気持ちで未来に突き進むことは難しいお年頃。なぜなら、キャリアや結婚、妊娠といった人生に関する大きな選択が、リアルな問題として迫ってきているから。
一方で、働き方も生き方も多様化している現代では選択肢も膨大です。
だからこそ**「自分がどうしたいか」「何が不安なのか」**を、言葉にしてみることが大切ではないでしょうか。すぐに選択することは難しくても、自分の価値観や今の気持ちが見えるだけでモヤモヤが軽減できるはずです。
マインドマップとは?

「自分を見つめなおす」「価値観や気持ちを言語化する」と言葉で言うのは簡単ですが、いざやってみようと思うと難しいもの。そこでおすすめしたいのが、マインドマップを活用した自己分析です。
マインドマップとは、キーワードを放射状に広げながら書いていくノート術のひとつ。イギリスの著述家であり、教育コンサルタントのトニー・ブザン氏によって開発されました。
問題解決&思考整理に役立つ
マインドマップの強みは連想と俯瞰です。連想をしながらひたすら単語を書いていくことで、頭のなかでゴチャゴチャになった情報を整理できます。
さらに、書いたマップを見返すと、思考や問題を俯瞰できるのも特徴。単語同士のつながりから、問題の原因や解決策が見つかることも。
つまり、自分の思考を客観視しながら対処法を考えられるため、「漠然と“このままでいいのかな”と思っている」状態から抜け出すのにぴったりなのです。
ブザン氏自身も、著書のなかで「マインドマップは、はっきりとした人生の目的や目標を持てないでいる時にも有効」だと述べています。1
自己分析にも最適
連想するままに描いていくスタイルのマインドマップは、頭のなかがそのまま紙に現れると言っても過言ではありません。自分の思考を“見える化”することで、次のようなことが分かります。1
・今どこにいるのか?:現時点での夢、問題点、理想
・どう見られているのか?:家庭や職場、それ以外の場での人間関係
・どんな世界観を持っているのか?:価値観や信念、ものの考え方
・何を求めているのか?:対自分、対他人、現在、将来の希望や目標
・目標を達成するための方法は何か?:どうやって目標を達成するのか
「思いついたことをつなげて描いていく」という単純な作業だけで、まるで占いや診断をしたかのように自分についての解像度が高まるのです。
マインドマップで自己分析してみた
ここからは、筆者の実践の様子と一緒に、マインドマップの書き方をご紹介します。今回は、ブザン氏の著書1で紹介されている書き方に沿って実践することに。
準備するものは、ペンとA4サイズの紙だけ。ペンは何色か準備するのがおすすめです。
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セントラル・イメージを描く

準備した紙は、横長の状態で使います。まずは紙の中央にセントラル・イメージを描きましょう。
セントラル・イメージとは、これから描くマインドマップのテーマやトピックを表すアイコンのようなもの**。**本の表紙と同じような認識です。文字だけでなくカラフルな絵も取り入れ、ひとめでメインテーマであることが分かるようにするのがポイントです。
今回は「このままでいいのかな」というモヤモヤをそのままテーマにします。これを起点に、気にかかっていることや挑戦してみたいことなどを考えていくことにしました。
2. メイン・ブランチを描く

マインドマップでは、中央から外に向かって曲線を伸ばしてキーワードを書き込むのが基本。この曲線をブランチと呼びます。特に、セントラル・イメージから直接伸びるブランチはメイン・ブランチと言います。
メイン・ブランチに書き込むキーワードは、本の見出しをイメージしましょう。中央のテーマに関する重要な事柄を書いたり、これから考えたい内容をざっくりとしたカテゴライズしたりします。
今回は「ライフプラン」「仕事」など、考えたいテーマを大まかに4つ出してみました。
3. 連想でブランチをつなげていく

メイン・ブランチが描けたら、思いつくままにブランチをつなげていきます。
たとえば「仕事」のカテゴリーで、今の仕事を「続ける」のか「変える」のか。続けるとしたら、どんなことを続けたいのか、または何が不安なのか。一方で、変えるとしたらどんな変化が考えられるか -といった具合です。
この時のポイントは、短い言葉で書くこと。長い文章になると、見返した時に分かりづらくなってしまうためです。文章になりそうな場合は、さらに細かくブランチを分けてキーワードまで落とし込みましょう。
また、適宜イラストを取り入れたり色分けをしたりするのもおすすめです。特に色分けをしておくと、思考のまとまりが分かりやすくなり、頭のなかを整理しやすくなります。
4. 完成したマップを俯瞰して見る

各カテゴリーについて、ひととおり頭のなかの事柄を書き出したところで終了。筆者は1時間ほどかかりました。
マインドマップが完成したら、全体を見返します。そして関連する部分を矢印でつないだり、重要だと思う部分を囲ったりしてみましょう。書き足したいことがあれば、ブランチを追加しても大丈夫です。
さて、今回のテーマは「このままでいいのか」という不安。マインドマップを見返すと、無気力感やイライラといったメンタルの揺らぎが不安の根本にあるように感じました。そして、その揺らぎを生んでいるのが次のような事柄。
・今の仕事を続けたいけれど、フリーという不安定な状態への不安
・妊娠・出産は望むけれど、分からないことが多すぎる不安
・新しいことをやってみたい一方で、やりたいことが絞れず足踏み状態
マインドマップを使って自己分析をしたことで、漠然とした不安を言語化することができました。対策も立てられそうですし、何より頭と心が軽くなったような実感が得られました。
モヤモヤした時こそ、自分を見つめる
「このままでいいのかな」という不安に襲われると、つい誰かと比べたり焦って行動しようとしたりしがち。しかし、あえて立ち止まってみることもおすすめです。
自分が何を不安に思っていて、本当はどうしたいのか。書き出してみると、普段は口にしないような思いや意外な価値観が芋づる式に出てくるはずです。
そして、完成したマインドマップを改めて見ると、漠然としたモヤモヤの正体が分かってきます。私たちはきっと「分からない」ことが一番不安なのだと思います。
どうしてモヤモヤするのか、どう対処すればいいのかが言語化できれば、今すぐ何とかしようとがむしゃらに行動しなくてもスッキリできるのです。
マインドマップは誰かに見せるものではないので、絵が上手でなくても、おしゃれな仕上がりでなくても大丈夫。ぜひノートに落書きをする感覚で、気楽に手を動かしてみてください。
※参考
- トニー・ブザン 著, 近田 美季子 訳 (2008),『マインドマップ超入門』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.