サプリやプロテインを"重ねて"摂っている30代・40代女性が知っておきたい過剰摂取を防ぐ3つのチェックポイント

サプリやプロテインを“重ねて”いませんか?知らずに続けると過剰摂取につながる可能性があります。35〜45歳女性向けに、塩分・カフェイン・ビタミンDの目安と今日からできる重ね摂り回避の具体策を編集部がやさしく解説。まずは簡単チェックで自分の習慣を確認しましょう。

サプリやプロテインを"重ねて"摂っている30代・40代女性が知っておきたい過剰摂取を防ぐ3つのチェックポイント

過剰摂取とは何か——“効く”と“過ぎる”の境界

WHOは食塩摂取の目標を1日5g未満と示していますが、日本の女性の平均はおよそ9g前後。目標のほぼ2倍近い現実がデータで見えてきます。[1,2] さらに研究データでは、成人のカフェイン摂取は1日400mgまでが安全域の指標とされ、コンビニの大容量コーヒー数杯とエナジードリンクを組み合わせれば、意外と容易に到達します。[3] 医学文献によると、脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすく、耐容上限量(UL)を超える状態が続くと健康被害の報告もあります。[4,5] 編集部が各種ラベルと栄養基準を突き合わせて分析したところ、マルチビタミン、プロテイン、強化飲料の“重ね摂り”が見落とされがちなポイントでした。忙しくて食事が乱れがちな35〜45歳の私たちにとって、足し算は簡単でも、引き算はむずかしい。だからこそ、過剰摂取の正体を、やさしく現実的に整理します。

まず押さえたいのは、耐容上限量(UL)という考え方です。ULは「ほとんどの人に健康被害が起こらない最大量の目安」。不足を補うための推奨量や目安量とは別軸にあります。[4] 栄養は、食事、サプリメント、栄養強化食品、飲料のすべての合計で入り、その総和が長期的にULを超えると、メリットよりもデメリットが目立ち始めます。[4]

過剰には、短時間で一気に多く摂る“急性”と、少しずつの超過が積み重なる“慢性”があります。研究データでは、カフェインのように短時間に大量摂取すると動悸や不眠などの急性症状が出やすいものがある一方、[3] 脂溶性ビタミンやミネラルは、少量の超過でも数週間〜数カ月の積み重ねが不調につながるケースが指摘されています。[5] たとえばビタミンDは成人で1日100μg(4,000IU)が上限の目安、[5] カルシウムは1日2,500mgが一般的な上限の目安とされ、[7] 鉄は1日40mgを超えると胃腸症状が出やすいという知見が知られています。[6,8] ヨウ素も1日3,000μgが上限の目安で、[6] 昆布だしやサプリが重なると超過しやすくなります。[9]

編集部に寄せられる声を拾うと、マルチビタミンに個別栄養のサプリを足し、さらにプロテインと強化飲料を日常的に飲むことで、本人の自覚とは裏腹に「合計が上限に近づいていた」というケースが目立ちます。“良かれ”の積み上げが、体には“過ぎる”になることがある。境界線は、商品単体ではなく、日々の合計にあります。

短期的な不調サインと、見えにくい慢性のサイン

短時間で現れやすいのは、動悸、手の震え、寝つきの悪さ、胃のムカつきといった自律神経や消化器の反応です。コーヒーを控えたら眠れるようになった、エナジードリンクをやめたら胃の違和感が減った、といった変化は、多くの人が体感として語ります。[3] 一方で、慢性的な超過はサインがぼやけます。脂溶性ビタミンの超過ではだるさや食欲不振、[5] ミネラルのバランス崩れでは便通や肌の調子の乱れなど、原因を一つに特定しづらい不調として現れることがあります。医学文献によると、栄養の過不足は相互作用を起こし、鉄とカルシウムの吸収競合のように、片方を増やすともう片方の働きを邪魔することもあります。[7,8]

“ゆらぎ世代”の生活リズムが引き起こす落とし穴

35〜45歳は、仕事の責任が増し、家族のケアも重なる時期。食事はおにぎりとヨーグルトで済ませ、午後の会議前にカフェオレ、夜はプロテインで帳尻合わせ——こんな日が続くと、栄養は「足りない」と「多すぎる」を同時に抱えがちです。不足と過剰が同居すると、だるさやイライラが慢性化し、睡眠も浅くなります。体は、足りないサインも出せば、過ぎているサインも出す。聞き分けるには、記録と客観が助けになります。

注意したい“身近な”過剰——重ね摂りのリアル

研究データでは、過剰が問題になりやすい栄養として、脂溶性ビタミン、ミネラル、刺激成分が挙げられます。ビタミンAはレチノールとしての過剰に注意が必要で、上限の目安はおよそ2,700μgRAE/日。[6] 妊娠を計画している人は、サプリや高含有の美容系製品の重ね摂りを避けるのが賢明です。[10] ビタミンDは100μg/日を超え続けると高カルシウム血症が懸念され、のどの渇きや倦怠感、便秘など、気づきにくいサインが現れることがあります。[5] ビタミンEは単独での過剰は稀ですが、血液凝固との関わりがあり、特定の薬剤と併用する際は専門家に確認したい栄養です。[11]

ミネラルでは、カルシウムが2,500mg/日、[7] 鉄が40mg/日を超える長期摂取に注意が必要です。[6] 鉄は月経がある人にとって不足が課題になりやすい一方、胃腸症状や便秘などの副作用が出やすい栄養でもあります。[8] プロテインや栄養バーにカルシウムや鉄が強化されていると、サプリと合算で上限に近づくことがあります。ヨウ素は3,000μg/日が上限の目安で、[6] 和食のだし(昆布)と甲状腺系サプリが重なると、一気に超過に傾くので要注意です。[9]

刺激成分では、カフェインの400mg/日が成人の安全域の目安です。[3] ドリップコーヒーでおおよそ1杯100mg前後、エナジードリンクは製品により差がありますが1本で100〜200mgに達するものもあります。[3] ここに濃いめの緑茶やココア、チョコレートが加わると、体質によっては午後の眠気覚ましのつもりが、夜の睡眠の質を下げる結果になることもあります。[3] ナイアシン(ビタミンB3)の一時的なフラッシュ(ほてり・かゆみ)も、栄養ドリンクの重ね飲みで起こりやすい反応として知られています。[12]

“健康っぽい”強化食品とサプリの二重取り

「サプリは1日1粒だけだから大丈夫」と思っても、朝のヨーグルトにカルシウムが、昼のプロテインにビタミンDが、午後の栄養ドリンクにナイアシンが、夜のマルチビタミンに鉄が含まれていれば、一日の合計は簡単に跳ね上がる。栄養は“足りないから入れる”より、“入れた分を引く”ほうがむずかしいのです。編集部が実地でラベルを読み比べると、同じ栄養でも表示単位がmg、μg、IUとバラバラで、単位換算のしづらさが判断を曇らせていました。ここを丁寧に整えることが、過剰の回避に直結します。

ラベルを読んで“合計”を管理する——3日法と写真メモ

現実的にできるのは、まず3日間だけでいいので、食べた・飲んだものとサプリの名称、1回量をメモすることです。朝食のヨーグルトに「カルシウム1食200mg(1日量の30%)」と書いてあれば、その数値をそのまま写します。マルチビタミンに「ビタミンD 10μg」とあれば10μg、プロテインに「ビタミンD 20μg+カルシウム400mg」とあればそのまま加えます。パッケージを捨てる前に、スマホでラベルの写真を撮るのも有効です。単位がμgやIUで難しいときは、同じ単位のものだけ先に足し算し、あとでゆっくり換算すれば十分です。

次に、一日の終わりに合計を出し、上限の目安と照らします。たとえばカルシウムは2,500mg、ビタミンDは100μg、鉄は40mg、ヨウ素は3,000μg、カフェインは400mg。[7,5,6,3] この“ざっくりした柱”に対して、自分の合計がどれくらいかを見ます。3日分を平均すると、たまたま多かった日や少なかった日の影響が薄まり、いつもの自分のラインが見えてきます。もし上限の7〜8割に常時触れている栄養があるなら、まずは重複している製品を1つだけ外す、もしくは隔日や週末のみといった頻度の調整から始めると、負担なく続けられます。

“引き算”のコツは順番にある——飲み方・食べ方の整え方

引き算を成功させるコツは、順番を決めることです。朝はまず水分を取り、カフェインは午前の後半に回す。サプリは食事でカバーしにくいものを優先し、マルチと単品の役割が被るものはどちらかを休ませる。強化飲料は会議や移動が多い日だけに限定し、プロテインは食事でたんぱく質が不足しそうな日を狙って使う。こうして用途で振り分けると、漫然と毎日入れていた分が自然に減り、合計が落ち着いてきます。味方にしたいのは睡眠で、寝不足の朝はカフェイン量が増えがちです。眠気をごまかすより、夜に30分早く寝るほうが、翌日のコーヒーは1杯減らせます。

“やめる”より“整える”——続く自己管理に変える

過剰摂取を避ける目的は、やめること自体ではなく、自分に合うリズムを取り戻すことです。編集部が見てきたなかで続けやすかったのは、サプリや強化食品を“目的別の引き出し”に分けるやり方でした。疲れやすい時期は鉄やビタミンB群を、日照が少ない季節はビタミンDを、といった具合に、季節や体調で主役を入れ替える。常に全部を一度に入れないことが、過剰のブレーキになります。食事は完全でなくていい。汁物を足して塩分を上げるのではなく、具だくさんの味噌汁を薄味にして量で満足感を出す。乳製品や小魚、豆製品を少しずつ散りばめる。それだけで、サプリの“底上げ”に頼り切らなくても日常の栄養は底堅くなります。

もう一つ大事なのは、不調の原因を一つに決めつけないこと。だるさは鉄不足かもしれないし、カフェインの摂りすぎや睡眠不足かもしれない。栄養は点ではなく線で効きます。だからこそ、3日メモで線の形を見て、気になるところを少しずつ整える。薬を服用している人、持病がある人、妊娠を計画している人は、自己判断でサプリを増やす前に、医療者や薬剤師に相談するのが安全です。足す前に、合計を見る。それが、過剰を防ぐいちばんの近道です。

小さなアクションで、体はすぐ応えてくれる

今日からできることは、難しくありません。まず3日メモを始め、ラベルの写真を撮る。いつものコーヒーを一杯だけ小さくする。マルチビタミンと単品の重複を一つ外す。夜は30分早く寝る。たったこれだけで、翌週の体調の輪郭は変わります。からだは、減らした分もちゃんと受け取るのです。

まとめ——“上限”を知ることは、私を守ること

過剰摂取のリスクは、誰か特別な人の話ではありません。サプリ、強化食品、飲料、そして食事の合計が、静かに上限へ近づく。けれど、上限の柱を知り、3日間のメモで合計を見える化し、重複を一つ外すだけで、体調はたしかに整っていきます。足りないを埋める前に、過ぎていないかを確かめる。それは自分を責める作業ではなく、守るための知恵です。

次の買い物の前に、手元のサプリと強化食品のラベルを一緒に並べてみませんか。写真を撮って、合計をざっくり足してみる。もし上限の柱に近いものがあれば、来週は頻度を減らして様子を見る。小さな実験を重ねるほど、あなたの体はあなたの味方になります。

参考文献

  1. World Health Organization. Salt reduction. https://www.who.int/westernpacific/news-room/fact-sheets/detail/salt-reduction
  2. 厚生労働省. 国民健康・栄養調査(総合案内ページ). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html
  3. EFSA Panel on Nutrition, Novel Foods and Food Allergens (NDA). Scientific opinion on the safety of caffeine. EFSA Journal. 2015;13(5):4102. https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4102
  4. Institute of Medicine. Dietary Reference Intakes: The Tolerable Upper Intake Level (UL). NCBI Bookshelf. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK56058/
  5. NIH Office of Dietary Supplements. Vitamin D — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/
  6. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
  7. NIH Office of Dietary Supplements. Calcium — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Calcium-HealthProfessional/
  8. NIH Office of Dietary Supplements. Iron — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Iron-HealthProfessional/
  9. NIH Office of Dietary Supplements. Iodine — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Iodine-HealthProfessional/
  10. NIH Office of Dietary Supplements. Vitamin A — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminA-HealthProfessional/
  11. NIH Office of Dietary Supplements. Vitamin E — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminE-HealthProfessional/
  12. NIH Office of Dietary Supplements. Niacin (Vitamin B3) — Fact Sheet for Health Professionals. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Niacin-HealthProfessional/

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。