プラセンタ「効くの?安全なの?」40代が知っておきたい注射・サプリ・化粧品の選び方

「効くの?安全?」という疑問に答える形で、プラセンタの報告されている肌への影響と安全性を注射・サプリ・化粧品の違いから整理。医薬部外品の表示や副作用リスク、法的注意点、35〜45歳女性向けの賢い選び方を具体例で解説。まずは要点をチェックしてください。

プラセンタ「効くの?安全なの?」40代が知っておきたい注射・サプリ・化粧品の選び方

プラセンタとは——種類と仕組み

研究データでは、真皮コラーゲンは20代以降、年に約1%ずつ減少すると報告されています(例:Varani 2006)[1]。乾燥、キメの乱れ、くすみ。35〜45歳の肌は、忙しさとホルモン変化が重なる中で、理屈どおりにはいかないコンディションに揺れます。そんな現実の中で、ここ数年よく耳にするのが「プラセンタ」。医療の現場では更年期症状や肝機能の改善などに用いられるヒトプラセンタ注射薬が存在し、一方で化粧品やサプリとしても広く流通しています[2]。編集部でも「美容目的で取り入れる価値は?安全性は大丈夫?」という質問を頻繁に受けます。きれいごとでは答えにくいテーマだからこそ、エビデンスと制度を軸に、現実的な判断材料をそろえました。

プラセンタは「胎盤由来エキス」の総称です[3]。成分としてはアミノ酸、ペプチド、ビタミン、ミネラルなどの低分子に加え、抽出方法によっては細胞増殖因子様のペプチド断片が含まれることがあります。ただし、抽出や加水分解、滅菌の過程で構造は大きく変わり、製品ごとの差は小さくありません[4]。まず押さえたいのは、医療用のヒトプラセンタ注射薬と、市販のサプリ・化粧品(多くがブタ・ウマなど動物由来)は、法的な位置づけも中身も別物だという点です[2]。

仕組みとして語られるのは、抗酸化、抗炎症、メラニン生成の抑制、保湿やバリア機能のサポートといったスキンケアに直結する働きです。例えばメラニンについては、チロシナーゼ活性に関与する過程を阻害することで、シミの元が作られにくい環境に寄与すると考えられています[3]。保湿に関しては、角層水分量や経表皮水分蒸散(TEWL)に関連するデータが報告されていますが、抽出法・濃度・塗布/摂取方法で影響が大きく変わるのが現実です。

医薬部外品と化粧品——表示できる効果の線引き

日本では、プラセンタエキス(主にブタ由来)が美白の有効成分として医薬部外品に用いられており、表示できる効能は**「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」**です[2]。これは「治療」ではなく「予防」に関する表現であり、既にあるシミを消す旨の訴求はできません。化粧品として配合される場合は、保湿や肌荒れ防止などの一般的なスキンケア効果の範囲に限られます(参考:PMDA)[2]。

美肌効果のエビデンス——何がどこまで分かっている?

エビデンスを整理すると、外用(塗る)と内服(飲む)、注射(医療)で「分かっていること」の濃さが違います。外用はメラニン生成抑制のメカニズムと、バリア・保湿に関する小規模臨床データが一定数あります[2,3]。内服は更年期のQOLや疲労感などに関する報告が先行し、肌指標の改善は示唆段階の研究が中心[5–7]。注射は医療保険適用の適応が別領域にあり、美容目的のエビデンスは限定的かつ自費診療の領域です[2]。

外用(化粧品・医薬部外品):予防軸での実感を狙う

研究データでは、プラセンタ配合の外用剤が角層水分量の上昇や、メラニン指標の抑制に寄与した報告があります[2,3]。特に医薬部外品で承認されている「美白有効成分」としての利用は、紫外線由来のシミ予防という具体的なターゲットを持っています[2]。編集部で実施した使用感レビューでも、保湿剤と併用して8週間継続すると、乾燥からくるくすみが目立ちにくいという声が複数ありました。これは夜のレチノールや朝のビタミンC誘導体といった既存のルーティンと競合するのではなく、補完的に働く印象です。※個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません。理論上は、日焼け止めの適切な使用と併せることで、メラニン生成の入力(紫外線刺激)を抑え、生成過程の抑制(プラセンタ)で二重に対策する形になります[2,3]。

内服(サプリ):全身性のアプローチだが、データはまだ途上

サプリとしてのプラセンタは、疲労感や睡眠、女性のライフステージ変化に伴う不定愁訴など、肌以外のアウトカムを評価した研究がいくつか見られます[5,6]。肌については、経口摂取が角層水分量や弾力に寄与した示唆的な報告がある一方、サンプルサイズや盲検化、対照群設定などの質にばらつきがあります[7]。つまり、期待はできるが、誰にどれくらい効くのかを断言する段階ではない、というのが現時点の冷静な結論です。用量は製品差が大きく、アミノ酸等の栄養補給としての意味合いが強いと捉えると、日々の栄養バランスや睡眠、ストレス管理と組み合わせたトータル設計が現実的です(関連:更年期と肌の関係を整理する)。

注射(医療):適応は別領域、美容は自由診療

ヒトプラセンタ注射薬は、日本で更年期障害や肝機能改善などに対して使われる医療用医薬品です[2]。美容目的、例えばシミやハリの改善については保険適用の適応に含まれておらず、自由診療として行われます[2]。臨床現場での所感はあるものの、厳密な無作為化比較試験は限られており、効果の大きさや持続期間はばらつきがあると考えられます。治療として選択するなら、目的・頻度・費用・リスクを医師と事前に共有し、他の選択肢(外用レチノイド、ビタミンC、トラネキサム酸外用など)との比較で納得のいく判断をするのが現実的です(関連:ビタミンC美容液の基礎知識)。

安全性のリアル——注射・サプリ・化粧品の注意点

安全性は「由来」「加工」「使い方」の三点で考えると整理しやすくなります。まず由来。化粧品とサプリはブタやウマなどの動物由来が主流で、BSEリスクの観点から牛由来は避けるのが一般的です。医療用の注射はヒト由来ですが、厳格な検査と処理を経て提供されます。次に加工。高圧蒸気滅菌や塩酸加水分解、酵素分解などで低分子化され、感染性のリスクを下げつつ安定性を確保します。最後に使い方。肌に塗る、飲む、注射するでは、体内への到達性とリスクがまったく異なります。

注射の安全性:献血制限という“静かなサイン”

ヒトプラセンタ注射を受けた人は、日本赤十字社の基準で献血を控える対象に含まれます[4]。これは理論上ゼロにはできない感染リスクを考慮した措置であり、現実の安全性に重大な問題が頻発しているという意味ではありませんが、**「侵襲的な医療行為である」**ことを思い出させるサインです(参考:日本赤十字社 献血をご遠慮いただく場合)[4]。アレルギー反応や注射部位の痛み・発赤といった一般的な副反応は起こり得るため、受診先の説明と同意文書を十分に読み、既往歴やアレルギー歴を必ず共有しましょう。

サプリの安全性:原料と品質表示を確認する

サプリは食品の扱いであり、医薬品のような厳格な有効性審査は経ていません。したがって、原料の由来(ブタ・ウマ等)、製造ロットのトレーサビリティ、重金属・微生物検査の有無といった品質情報を、メーカーの公式サイトや製品パッケージで確認することが重要になります。薬との相互作用は一般に大きくないとされますが、妊娠・授乳中、ホルモン感受性疾患の既往がある場合、免疫疾患の治療中などは、導入前に医師へ相談するのが安全です。健康食品全般にいえることですが、体調に合わないと感じたら中断し、必要に応じて医療機関や消費生活センターに相談してください(参考:国民生活センター)[9]。

化粧品の安全性:パッチテストと相性の見極め

外用は全身作用が出にくい一方で、接触皮膚炎(かぶれ)や刺激の可能性はあります。新しく導入する際は、二の腕の内側などでパッチテストを行い、赤みやかゆみが出ないかをチェックしてから顔に使うと安心です。併用成分との相性にも注意が必要で、例えば高濃度の酸やレチノールと同時に使うと刺激を感じやすい肌もあります。まずは夜のみ、隔日からなど、肌の様子を観察しながら使用頻度を調整してください(関連:ヒアルロン酸の基礎知識)。

まとめ——賢く取り入れて、未来の肌へ

プラセンタは、医薬部外品としての**「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」**という予防軸の強み、保湿や肌荒れ防止といったベーシックなスキンケア効果、そして医療の領域で使われてきた歴史を持つユニークな成分です[2,3]。一方で、内服の美肌効果はまだ研究途上、注射は美容目的では自由診療で、リスクや費用対効果の見極めが不可欠[2,5–7]。だからこそ、あなたの肌の悩みが「予防」なのか「改善」なのか、「どのレベルの介入」を許容できるのかを言葉にしてみることが、最初の一歩になります。

今日できることはシンプルです。まず、朝のUV対策をきちんと整え、夜はビタミンCやレチノールなど既存のルーティンを基盤に据える。そのうえで、プラセンタは外用から穏やかに試し、相性が良ければ継続。内服は生活リズムや栄養状態とのバランスを見ながら、必要なら医療での選択肢も含めて検討する。そんなふうに、段階を踏んで選ぶことで、効果と安全性のバランスがとれた「私の正解」が見つかります。揺らぎの季節に、あなたはどの一歩から始めますか?

参考文献

  1. Varani J. Decreased collagen production in chronologically aged skin. PubMed. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17148780/
  2. PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)公式サイト(医薬部外品 有効成分情報・承認等の制度情報)。https://www.pmda.go.jp/
  3. Cosmetic-Ingredients.org. Skin-lightening agents(メラニン生成抑制・チロシナーゼ関連の解説)。https://cosmetic-ingredients.org/skin-lightening-agents/2343/
  4. 日本赤十字社. 献血について ― よくあるご質問(ヒト由来プラセンタ製剤の注射歴がある方の献血制限)。https://www.jrc.or.jp/donation/qa/
  5. Koike K, Yamamoto Y, Suzuki N, et al. Efficacy of porcine placental extract on climacteric symptoms in peri- and postmenopausal women. Climacteric. 2013;16(1):28-35. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22920723/
  6. PubMed 28112981. Clinical study reporting improvement in total SMI score with placental extract; no significant adverse events. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28112981/
  7. Yoshikawa C, Koike K, Takano F, et al. Efficacy of porcine placental extract on wrinkle widths below the eye in climacteric women. Climacteric. 2014;17(4):370-376. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24313619/
  8. 国民生活センター. 公式サイト(健康食品等に関する相談窓口情報)。https://www.kokusen.go.jp/

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。