Femtech Japan 2025現地レポート!ブームのその先へ。フェムケアを私たちの“日常”にするために必要なこと

働く女性の6割が体調不良を感じる中、フェムテックが解決の鍵に。経済損失3.4兆円の課題に立ち向かう最新フェムケアの現場をレポート。

Femtech Japan 2025現地レポート!ブームのその先へ。フェムケアを私たちの“日常”にするために必要なこと

仕事にプライベートに、日々走り続けている私たちNOWH世代。 ふと立ち止まったとき、自分の体のケアを「なんとなく」で済ませてしまってはいないでしょうか。

最新の調査(※1)によると、働く女性の約6割(62.9%)が「パフォーマンスが低下するほどの体調不良を感じている」と回答しています。 具体的には「頭痛や生理痛」「抜けない疲れ」など、日常的に蓄積されていく不調を抱えたまま働いている実態が浮き彫りになりました。

その結果として生じている経済損失は、年間約3.4兆円(※2)にも上ると言われています。 この巨大な課題を解決するカギとして、ビジネス界で急速に注目されているのが「フェムテック(Femtech)」です。

今回私が足を運んだのは、その最前線である「Femtech Japan 2025 / Femcare Japan 2025」。 2021年の設立当初から毎年欠かさず参加しているこのイベントですが、今年はNOWHのライターという視点で、多くの出展者様と直接対話を重ねてきました。

本記事では、会場で見つけた「今の私たちの生活にフィットする」最新サービスやプロダクトを厳選してレポートします。 また記事の後半では、長年この現場を見てきたからこそ感じる「フェムケアの現在地」と、私たちがこれからどう向き合っていくべきかについても、私なりの視点で少し掘り下げてみたいと思います。

開催概要:表参道で感じる、フェムケアの「今」

今回の舞台となったのは、表参道の象徴的な存在でもある「ザ・ストリングス表参道」。 ラグジュアリーで洗練された空間に、約50の企業・ブランドが集結しました。

【開催概要】

  • 展示会: 2025年12月2日(火) @ザ・ストリングス表参道
  • プレゼンテーション(Day 0): 2025年12月1日(月)
  • 後援: 東京都 他

今回、私はメインの展示会だけでなく、前日に開催されたプレゼンテーション(Day 0)にも参加してきました。 普段は展示ブースを見て回るだけでしたが、今回は開発者たちが壇上で語る「創業の理念」や「ミッション」に耳を傾ける機会を得たのです。

そこで語られたのは、「自分自身がPMSや生理痛で辛い思いをした経験」や「エステサロンを経営しているからこそ聞く、女性たちのデリケートゾーンに対する切実な悩み」などでした。 現代の女性たちが抱える特有の課題に直面し、「多くの女性たちに、もっと生き生きと過ごしてほしい」と願う。そんな開発者たちの、強く純粋な想いに触れる時間となりました。

これまではあまり知ることのできなかった「開発背景(ストーリー)」に触れたことで、翌日、会場に並ぶプロダクトやサービスの一つひとつが、それぞれのミッションを背負っているように感じられたのが印象的でした。

NOWH世代におすすめしたい、3つのフェムテックトピック

そうした「想い」の詰まった展示の中で、特に今の私たちの生活にフィットすると感じたいくつかのサービスやプロダクトを私の独断と偏見的視点でご紹介します。

Topic 1. 「なんとなく」を放置しない。私の体の声を「可視化」する最新フェムテック

忙しい日々の中で「今日はなんだか調子が悪いな」と思っても、それを「いつかよくなる」「いつも通り」と無視して頑張ってしまっていませんか?

会場で目立っていたのは、そんな私たちの曖昧な不調を数値化(可視化)し、客観的に教えてくれるサービスたちでした。

Panasonic Beauty 「RizMo(リズモ)」
「さすがパナソニック!」と期待が高まるプロダクト。 コロンとした可愛いデバイスを、寝る時にショーツに挟むだけ。それだけで基礎体温や睡眠の質まで計測してくれます。

さらに、日々の自分の状態を入力すると、その傾向から生活習慣のアドバイスが届く仕組み。もし困ったことがあれば、いつでも専門家へ相談できるオンラインサービスまで用意されています。 多忙なNOWH世代にマッチしたサービスだと感じました。

Fertism(フェルティズム)
こちらは妊活中の方を対象とした、装着型デバイスと専用アプリです。 使い方はこちらも簡単、肌着に挟んで寝るだけ。マグネットタイプで非常に軽く、「着けている感じがしない」のは、毎日使用する上で本当にナイスポイント。

毎日の検温を習慣化しやすい、シンプルで洗練されたデザインも印象的でした。 自分の体のリズムを知ることは、未来の家族計画だけでなく、今と未来の自分を大切にすることにも繋がります。

ReEssence(リエッセンス)
「アプリでの可視化」と「香り」を組み合わせたユニークな提案です。 生理周期やPMSの状態をアプリで確認しつつ、辛い時期には専用の「アロマシール」を首元や服の内側に貼ってケアします。

「半径1m離れると香りを感じない」設計になっているから、オフィスや電車でも周りに迷惑をかけず自分だけを癒せます。 この素晴らしい配慮は、開発者自身が辛い経験をしたからこそ。「多くの人に、PMSで辛い思いをしてほしくない」という強い気持ちが込められています(思わず拍手!)。

デジタルとアナログのいいとこ取りで、心にそっと寄り添ってくれるサービスです。今後、クラウドファンディングも実施予定とのことです。

Topic 2. 「漏れない」は当たり前。ライフスタイルで選ぶ、大人の生理ケア

次にご紹介するのは、生理ケアアイテム。昨今では 「漏らさない」という機能性だけでなく、「肌への優しさ・心地よさ」や「生活スタイルに合わせて選択できる」時代になってきています。

NaturaMoon(ナチュラムーン)
クマの可愛らしいパッケージが目印のNaturaMoon(ナチュラムーン)。
最大の特徴は、一般的なナプキンに使われている「高分子吸収材(ポリマー)」が不使用なこと。

トップシートにオーガニックコットン、吸収体には、植物由来の綿状パルプを使用しています。

実は私、ポリマー素材のナプキンを使っていた頃はデリケートゾーンのかぶれや、酷い生理痛に悩んでいました。でもコットン素材のものに変えただけで、生理中の不快感が嘘のように軽くなったんです。

そして今回、特に気になったのがオーガニックコットンの吸水ショーツ
デリケートゾーンに密着する部分もオーガニックコットンを使用していて、その徹底した「肌への配慮」に驚かされます。

「生理中だから仕方ない」と諦めていた冷えやかぶれ。素材を変えるという選択は、NOWH世代の強い味方になりそうです。

feminak(フェミナック)
創業100年以上の歴史を持つ日本のゴムメーカーが開発した、第3の生理用品である「月経カップ」。「あなたに生きやすさを」をコンセプトに、多くのラインアップからユーザーの用途に合わせて使用できます。

初心者向けの柔らかいもの、スポーツ時にも安心な形状、取り出しやすいリング付きなど、私たちの多様なニーズに応えてくれます。中でも、使い捨て月経カップ「repie(ルピエ)」は、煮沸消毒の手間がなく旅行時などにも重宝しそうです。

私自身はまだ月経カップを使ったことがないのですが、こうして生理アイテムも生活スタイルやTPOに合わせて自由にコーディネートできる時代になったのがやっぱり嬉しいです。

Topic 3. 抜けない「疲れ」への投資

生理ケアの次は、日々のパフォーマンスを支える身体の内側(インナーケア)への投資です。 NOWH世代の切実な悩みである疲労感へのケアには、成分やどのように体に届くかにまでこだわった実力派アイテムが出展されていました。

MG-LIPO(マグリポ)
日本人が慢性的に不足していると言われる必須ミネラル「マグネシウム」。 疲労回復や睡眠の質、偏頭痛の緩和などに欠かせない成分です。しかし、日本人はマグネシウム不足といわれています。

そんなマグネシウムを摂取しやすくしたアイテムがMG-LIPO。注目は、成分を脂質で作られたカプセルで包む「リポソーム技術」を採用しているところです。このリポソームをすることで、吸収率を高めて効率よく体に届きます

疲れが取れない、足がつる、眠りが浅い…そんな悩みを抱える人にとって、試す価値のある「飲む投資」と言えそうです。

ESTRORICH. PURE(エストロリッチ ピュア)
こちらは、自社で栽培しているキノコ(ハナビラタケ)である「ITはなびらたけ」を粉末化し、その有用成分(はなびらたけ由来トレハロース)を凝縮した、“中高年期の健常な女性の日常生活における一時的な疲労感(疲れやすさ)を軽減する”機能性表示食品です。

トレハロースは疲労感の軽減だけでなく、骨粗鬆症予防や老化遅延(アンチエイジングなど)多岐にわたる健康機能の研究が進められている成分でもあります。

私も40歳を目の前にして、加齢についてより考える必要があると感じています。だからこそ、不調が起きてから慌てるのではなく、今からパートナーとなるアイテムを見つけて、賢く付き合っていきたいと思います。

なぜ、フェムテックは「他人事」なのか。私たちが自分を後回しにする本当の理由

今回紹介した素晴らしいプロダクトのように、市場は広がり、企業や社会も「女性の健康課題」に向き合い始めています。 しかし、会場を一歩出れば、その熱気が社会全体に浸透しているかというと……正直、まだ「他人事」だと感じている人が多いのではないでしょうか。

私がフェムケアについて話すと、こんな声をよく耳にします。 「生理痛で動けないけれど、薬を飲んで無理やり仕事をしている」 「もう閉経しているから関係ない」 「フェムテック? なんか聞いたことあるね」

便利な選択肢はこれだけ増えているのに、なぜ私たちの多くは、それを手に取ろうとしないのでしょうか。

その理由は、私たちが「仕事」や「家庭」といった“社会的役割”を果たすことに必死で、自分の体の声を聞くことを忘れてしまっているからなのかもしれません

知識がないことにすら、気づく余裕がなかった。 あるいは、日々押し寄せるタスクや役割を全うすることに精一杯で、「自分の体や心を大切にする」という発想自体を、無意識のうちに後回しにしてしまってはいないでしょうか

「選択肢」を持つことは、「心地よさ」を選ぶこと

でも、フェムテックは単なる「便利グッズ」ではありません。 それは、私たちが社会の役割から少し離れ、「自分の体と心にとって、何が心地よいか」を自分で選ぶための“選択肢”になっています。

まずは自分の体と心を見つめ、自分の今の状態を知ること。 そして、数ある選択肢の中から、自分の状態と生活スタイルに合わせて、いたわる方法を選び取ること。 それこそが、本当の意味でのフェムケアなのだと思います。

実際に、私自身がそうでした。 かつては生理痛やPMSに悩み、「生理なんて嫌なもの」「我慢するもの」だと思い込んでいました。 しかしフェムケアの大切さを知り、自分の体と生活に合うアイテムを色々と試していくうちに、驚くほど状態が変わっていったのです。

生理痛やPMSは軽くなり、生理を「嫌なイベント」とは思わなくなりました。 デリケートゾーンのケアに出会ってからは、自分のそのパーツさえも愛おしく感じられるようになりました。

「知る」こと「選ぶ」ことで、体は確実に応えてくれる。 そして体が楽になれば、心にも余裕が生まれ、結果として仕事や家庭での「役割」とも、もっと健やかに向き合えるようになれると私は信じています。

フェムケアを、日常のケアへ

フェムケア・フェムテックに対する、企業や社会の熱量と私たち個人の意識。 この間にある「温度差」を埋めていくことこそが、フェムケアを特別なものではなく、ヘアケアやスキンケアと同じ「当たり前のケア」にしていくための第一歩になるはずです。

髪がパサつけばトリートメントをするように、肌が乾燥すればクリームを塗るように。テクノロジーで曖昧な不調を可視化し、生理の日は肌をいたわるアイテムを選び、抜けない疲れには内側から投資する。

そうやって自分自身をケアすることが、誰かに誇示するような「意識の高いこと」ではなく、毎日の食事や睡眠と同じくらい、自然で気軽な選択になっていく社会こそが、私たちの目指すゴールなのかもしれません。

「知る」ことから始まる、新しい私

とはいえ、フェムケアはまだまだ新しい分野です。 「言葉は知っているけれど、何をすればいいか分からない」「自分にはまだ早い気がする」と感じている方も、きっと多いことでしょう。

だからこそ私は、これからもNOWHで、皆さんの選択肢を広げるための「フェムケアの知識」を綴っていきたいと思います。

この記事が、あなたが自分の体と向き合い、新しい選択肢に出会う小さなきっかけになれば嬉しいです。

【編集後記】 今回、こうして記事として言葉にすることで、私自身が感じていた「モヤモヤ」の正体も、はっきりと見えてきたように思います。 次はどんなサービスやプロダクトが生まれ、私たちの悩みに向き合ってくれるのか、今からとても楽しみです。

次回の「Femtech Japan」は、2026年7月に開催予定とのことです。 一般参加も可能ですので、ぜひ一度足を運び、ご自身の目で「新しい選択肢」を見つけてみてください。

最後になりましたが、取材に応じていただきましたFemtech Japanのみなさま、出展者のみなさま、本当にありがとうございました。

参考文献・URL
1, HAPPY WOMAN/エーザイ株式会社「忙しい女性の意識・行動実態調査2025」 https://happywoman.online/pressrelease/20250730pr/

2, 経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/jyosei_keizaisonshitsu.pdf

紹介ブランド・サービス公式サイト
Femtech Japan 2025/Femcare Japan 2025
https://femtech-japan.com

Topic 1
・Panasonic Beauty 「RizMo」 https://panasonic.jp/beauty/products/rizmo.html
・Fertism(フェルティズム) https://fertism.jp/
・ReEssence(リエッセンス) https://x.gd/w6loe

Topic 2:生理ケア
・NaturaMoon(ナチュラムーン) https://naturamoon.jp/
・feminak(フェミナック) https://feminak.inaki.co.jp/

Topic 3:インナーケア
・MG-LIPO(マグリポ)/オーガニックサイエンスhttps://cart.organicscience.jp/shop/products/MG-LIPO-OG-01
・ESTRORICH. PURE(エストロリッチ ピュア)/インタートレードヘルスケア https://it-healthcare.co.jp/

著者プロフィール

齊藤彩乃

齊藤彩乃

フリーランス看護師。2025年8月より「わたしらしく在る。を育む」を自身のテーマに掲げフリーランス看護師として活動を開始。その一環として、フェムケアやセクシュアリティの分野を探求している。現在は一児の母。そして「NOWH世代」の一人として、看護師の専門的な視点と一人の女性としての感覚を大切に、読者に寄り添う記事を届ける。