30代後半から40歳にかけての年代は「このままでいいのだろうか…」と、この先の人生についてモヤモヤを抱えやすい時期です。
仕事、結婚、出産、子育て……。どんな選択をするかによってその後の人生が大きく変わることもある。駆け抜けてきた20代・30代を経て「じゃあこの先自分はどう生きたいのか?」という問いに直面します。
今年40歳を迎えた私は、39歳で会社を辞め、フリーランスへキャリアチェンジをしました。
38歳にして人生初めての転職、その1年後には「会社員以外の働き方も経験したい」と、転職先を1年で退職すると同時に会社員も卒業。「会社員をやめてみた」と言うのが正しいのかもしれません。
生きるためにはお金が必要だから、仕事はずっと続けなきゃいけない。でも「新卒から勤めて15年、転職もせずに今のままでいいのだろうか…この会社にあと20年以上もいるの……?」というモヤモヤが、37歳の時に浮かびました。
そんな時出会ったのが、2冊の本です。
私の背中を押してくれた2冊
・一生、仕事に困らない「最強の自分」の作り方|田 美智子(コスミック出版)
・40歳の壁をスルッと超える人生戦略|尾石 晴(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
【1冊目】スキルと強みを見つける|田美智子『一生、仕事に困らない「最強の自分」の作り方』
「一生、仕事に困らない」とは?
- どんな時も仕事に困らない自分になっている状態
- 仕事を誰かに与えられるのではなく、自ら自分で掴み取りにいく胆力がある状態
- やみくもに不安を抱えながら仕事をするのではなく、いつでも仕事を選べる状態
- 自分の強みを持ち、自信を持った状態で生きていける状態
筆者の田さんは「一生、仕事に困らない」という言葉をこのように定義しています。
大企業に勤めていれば一生安泰、という時代は過ぎ、早期退職、リストラなど、どこに勤めていようが「職を失う」可能性はゼロではない時代。
そして「老後2,000万円問題」と言われるように、退職金や年金以外の収入も必要で「定年後、どう働くか」も考えなければならない時代です。
定年後の自分を想像してゾッとした
37歳でこの本に出会った時、定年を迎えた時の自分を想像しました。おそらく年金だけでは生活できず、働く必要がある。でも、それまで名乗っていた会社の肩書きや役職はなくなり、誰かが仕事を与えてくれることもない。
やってきた仕事は「その会社に属していたから」できたことであり、会社を離れたとたんに「“会社以外”で働くためのスキル」は身についていなかったことをそこで初めて知る。高齢で就職活動は難航……。そんな自分を想像してゾッとしました。
同時に、定年年齢が65歳だとするとあと28年。体も思考も老化に向かっていくというのに、重くなる責任と立場。
これから仕事の内容がどんどん「会社のため」になっていく、そんな働き方を想像し「今が1番若いんだから、どうするか考えよう!」と動き出すきっかけになったのがこの本です。
どこにも属していなくとも、自分自身のスキルでお金を稼げる自分になりたい。この本は、そう思った私の背中を押してくれました。
「一生、仕事に困らない」ためのステップ
- 自分自身が今どういう状況にあるのかを理解する
- 自分自身の才能や資質を認識する
- 今後どうなりたいかを明確にする
- その上で何をしたらその理想を叶えられるのかを考える
- 才能や資質を使って行動し、経験を積み実績を持つ
「何ができるのか? どこで働くのか?」この問いに答えてくれるのが、本書の5つのステップです。
まずは自分自身を見つめ直し、これまでの経験で培った強みや資質、価値観、これからの希望などを言語化して整理することからスタートします。
「3.今後どうなりたいかを明確にする」を考えた時「私はこのままずっとこの会社にいていいんだろうか」という問いが生まれました。
「仕事は自分のためにするもの」
がむしゃらに仕事をして成長を実感できた20代は過ぎ、37歳の私は慣れややり切った感、行き詰まりを感じていました。
自分のためじゃなくて、会社のための仕事になっている。この先自分が楽しいと思えるキャリアをこの会社で築いていけるんだろうか。一つの会社しか知らない人生、もったいなくない?と、思考を広げてくれた本でした。
この本をきっかけに、これまでの半生を徹底的に振り返り、自分の強み、才能、得意なこと、好きなこと…「どんなことをしている時間が心地いいか?」を明言できるくらいにまで自己分析を行いました。
しかし、自分の強みがわかったところで「じゃあその強みを、これからどう育てていくのか?」という新たな問いが生まれました。そこで手にとったのが、2冊目の本です。
【2冊目】強みを育て、自分業を作る|尾石晴『40歳の壁をスルッと超える人生戦略』
「残りの人生も今の積み重ねでいい? 満足してる?」
この一言が、私の心を大きく抉りました。
40歳は人生の後半戦。「年齢は数字」とはいえ、ひとつの節目だと感じています。仕事に子育てに邁進している人、私のように、現状維持な環境や変わり映えのない日常に焦りを感じている人……。
どんな立場の人も、出口の見えない不安やモヤモヤを抱えているのではないでしょうか。
40歳前後で多くの人が感じるこのモヤモヤ感、つまり「40歳の壁」の正体を分解しながら、自分らしく生きるために「人生の後半戦をどうデザインしていくか?」を考えさせてくれるのがこの本です。
「定年を迎えない人生」を送るために「自分業」を持つ
本書では、人間が幸せを感じる土台として、3つの要素が示されています。
①お金(収入・資産)
②つながり(家族・友人・知人)
③健康(体力・認知力)
40歳以降も継続できて、長期スパンで人生に関わり、この3つを維持できることは「仕事」である。だからこそ生涯現役として働くことを視野に入れる。
ただし、ここでいう「仕事をやめない」は「会社を辞めない」という意味ではなく「会社員の看板を外しても継続して仕事ができる」という意味。人生後半戦の40歳以降は、3つの要素を満たすことができ、かつやりがいを持って取り組める「自分業」を持ち、キャリアをデザインする必要がある——。
田さんの本で見つけた「自分の強み」をどう育て、どう仕事にしていくか。その具体的な道筋を、この本は示してくれました。さらに、今の環境を変えるために「転職? 起業?」と少し焦っていた自分を落ち着かせてくれました。
60歳まではまだ20年以上ある。すぐに結果を出さなくてもいい。試行錯誤をしながら「自分業」を形にしていけばいい。もう40歳、まだ40歳。ここから先も長いんだから、自分が心地よく過ごせる環境を時間をかけて作っていこうと決めました。
「自分業」はこれまでの延長線上にある
さあ、何を「自分業」にしようか。
40歳前後になると、焦りやモヤモヤから「新しいスキルを身につけよう」と考えてしまいがちです。ですが「40歳からの自分業探しは、これまでやってきたことの延長線上に仕事の種がある」と尾石さんは言います。
田さんの本で自己分析をし、才能や資質を認識した私。その強みを「これからどう育てていくか?」に意識を向けることができました。
2冊を読んで、私が起こした行動
自分の人生を動かすほどに、大きな影響を受けた本は他にないかもしれません。
田さんの本を読んで徹底的に自己分析をし、尾石さんの本で自分業探しをするために本格的に動き出し、この2冊に出会った3年後には、フリーランスになってこの記事を書いています。
もともと人事の仕事を長くしていたこともあり、「キャリア」の分野への興味が大きく、仕事を通じて「話す、聴く、書く、伝える」ことが得意になりました。
これを活かして自分業を作りたい。そしていずれは会社から離れてフリーランスとして働いてみたい、という展望があったのです。
この分野を深めようと思い、私が選んだのは以下の2つです。
- 国家資格キャリアコンサルタントの取得
- 新しい環境で視野を広げるための転職
知識や経験を広げて、キャリアの分野での仕事に説得力をつけるための選択でした。
そしてこの1年後、私は会社を辞めてフリーランスとして動き出しました。強みにつながっている過去の経験、資格取得や転職が、今の仕事に活きています。雇われる働き方ではなく、自分で仕事を選び、自分の力で稼ぐ。
「一生、仕事に困らないために自分業で稼ぐ」——30代後半で出会えた2冊の本のおかげで、人生の後半戦へ向けていいスタートが切れた、そう思っています。
2冊が教えてくれたこと
2冊の本に共通していたメッセージは、とてもシンプルでした。
- 会社のために働く人生ではなく、自分の人生のために働く
- 未来は与えられるものではなく、自分で選んでいくもの
そしてその選択は、新しい挑戦や大きな変化ではなくてもいいのです。
「長く続けてきたこと」「頑張らなくてもできること」「喜びや手応えを感じてきたこと」
その延長線上に、40代以降の働き方の可能性が眠っています。
40歳は「もう遅い」ではなく、自分を軸に、キャリアも働き方も再設計できるタイミングです。
もしあなたが今「このままでいいのだろうか」と立ち止まっているなら、その問いこそがこれからの人生を自分で選び直すための、最初の一歩かもしれません。