懇親会・飲み会で好印象を作る40代コーデの3つの基準

35〜45歳向け。社内飲みから取引先の会食まで、ドレスコード判別・動きやすい素材・上半身の清潔感を軸に、失敗しない具体的コーデと小物選びを写真つきで解説。ネイビーやチャコールの使い方、アクセは耳か手元どちらか一つ、血色メイクなど今すぐ実践できるテクをまとめました。

懇親会・飲み会で好印象を作る40代コーデの3つの基準

いまの懇親会・飲み会コーデの基準をつくる

「正解の制服」はありませんが、軸は持てます。編集部では、懇親会・飲み会に向かう服の基準を三層で考えています。まずはドレスコードの見極めです。社内のカジュアル寄り飲み会と、取引先や上司同席の会食では、同じジャケットでも求められる空気が違います。次に、体感の快適さ。移動、着席、立食と状況が変わる場では、伸縮性のある生地や座ってもしわが戻りやすい素材が安心です[3]。そして最後に、印象の更新。定番のネイビーやチャコールに、ほんの少しの艶や白の抜けを足すだけで、きちんと感を保ちながら今っぽさが宿ります。

編集部の検証では、上半身に“清潔感の要素”を集約すると会話距離での好印象につながりました[4,5]。具体的には、黄みに転ばない白、ジャケットのラペルのシャープさ、首元の肌見せの分量をコントロールすることです。反対に、主張の強い柄や大ぶりの揺れるアクセサリーは、会場の照明や動きで“盛れて見える”一方、TPOから外れることもあります。迷ったら、アクセサリーは耳か手元のどちらか一択にし、メイクで血色とツヤを足すのが失敗しにくいと感じました。

ドレスコードは「会場×相手×時間」で読む

同じ懇親会でも、立食のホテルバンケット、レストランの個室、居酒屋のボックス席では、求められる服の性格が少しずつ違います。会場がフォーマルに寄るほど、素材はマットからほんのり艶へ、色は明度を落としてコントラストを上げると上質な印象に。相手が目上・社外であれば肌の露出と香りは控えめに調整し[6]、時間が遅くなるほど足元は歩きやすさ重視に寄せるのが合理的です。

出社コーデを“10分で夜対応”にアップデート

平日直行のケースでは、朝の時点で夜のシーンを見据えた“仕込み”が鍵になります。ジャケットは肩の線がきれいなものを選び、インナーは首元が詰まりすぎないカットソーや控えめなボウタイブラウスに。ボトムは座り皺がつきにくいトリアセテート混や、ドロスト見えしないウエストゴムのタックパンツが強い味方です[3]。帰り際の10分でやることは、前髪とリップ、そして足元の微調整。ツヤの出るリップティントに塗り替え、小さめのピアスに付け替えるだけでも、会う人の視線が集まる上半身が整います[3]。

社内・同僚との平日飲みは“抜けすぎないリラックス”

肩の力を抜きたいけれど、仕事の延長線であることは忘れたくない。そんな場に効くのが、きれいめセットアップの“素材ゆるめ”バージョンです。ジャケットとパンツを同色で揃え、インナーに白、足元はローファーや3〜4cmのブロックヒールを合わせると、カジュアルにもきちんとにも転べる幅が生まれます。色はチャコール、ネイビー、グレージュが万能で、ストールや細ベルトで少量の明るさを足すと地味見えしません。

デニムOKの職場であれば、濃色でセンタープレス見えするきれいめデニムに、ノーカラージャケットやジレを重ねる選択もあります。ヒップが隠れる丈のトップスにすれば、居酒屋の座席での所作も安心です。バッグはA4から小ぶりに持ち替えるだけで“夜仕様”に切り替わるので、ショルダーになるミニバッグを通勤トートに忍ばせておくと便利でした。

清潔感の三点セットで“きちんと見え”を確保

髪のまとめ、白の鮮度、靴の艶。この三つが整うだけで、服がシンプルでも印象は引き上がります。ハンドクリームで手元を整え、靴の甲に薄くクリームをのばすと、写真やガラス越しにも艶が宿ります。香りは半径30cmに留まる程度が上品。食事の香りを邪魔しない軽いシトラスやグリーン系を、朝ではなく出る前に一度だけ、肌ではなく裾の内側に纏うと控えめに香ります[6]。

取引先・上司同席の懇親会は“上半身に投資”

名刺交換や乾杯など、相手と向き合う所作が多い場では、上半身の質感が物を言います[4]。ジャケットは肩と襟の立ち上がりが要。黒の強さが気になるなら、チャコールやミッドナイトネイビーが最適です。インナーは光沢のあるブラウスやニットを選び、ネックラインはVやスクエアで顔周りに余白をつくると、写真にも映えます。ワンピース派は、ひざが隠れる丈にジャケット、もしくはニットジャケットの重ねで温度も調整しやすくなります。

色は二色でまとめると迷いません。たとえばネイビー×エクリュ、チャコール×シルバー、モカ×ブラックの組み合わせは、照明が落ちた会場でもパーツのコントラストが程よく見えます。アクセサリーは二点以内に抑え、片方は時計など実用を兼ねると自然です。バッグはテーブルの上に置いても邪魔にならない自立型のミニ〜ミディアム。名刺、スマホ、薄いハンカチ、リップがきちんと入る容量を想定するだけで、シーンに沿った“余裕”が生まれます。

会場映えを計算した素材とシルエット

ホテルのカーペットや木目調の個室では、ハードな光沢よりも微光沢が上質に見えます。トリアセテート混やジョーゼットの落ち感、ハイゲージニットの微細な艶は、動くたびにさりげなく表情が出ます。シルエットはIラインを意識し、ウエスト位置をほんの少し上に感じさせるベルトや切り替えで重心を調整すると、座ったときも立ったときも体がきれいに見えました。足元は細すぎないポインテッドやスクエアトゥで、ヒールは無理のない高さに。歩行音が響く会場では、底材が静かなものが好印象です。

友人・コミュニティの飲み会は“親しみ×今っぽさ”のバランス

親しい場では、抜け感と清潔感のバランスが鍵になります。ざっくりニット×つやスカート、もしくはとろみシャツ×細身パンツのように、質感のコントラストで“抜けたけれど手は抜いていない”空気をつくると、写真にも気分にもフィットします。色はワントーンか同系色の濃淡にまとめると、人数の多い場でもごちゃつきません。白スニーカーは万能ですが、夜の席ではレザーのフラットやローファーに替えると、印象が一段引き締まります。

居酒屋やビアガーデンのときは、機能面の備えが効いてきます。撥水・はっ水のボトムや、シワが寄っても戻る混紡素材、座敷なら膝が見えすぎない丈感など、快適さを仕込んでおくとストレスが少ない[2,3]。トップスは汗じみの目立ちにくい色域(杢グレーよりもネイビー、ベージュよりもカーキ寄りのトーンなど)を選び、冷房対策として薄手のカーディガンやストールを丸めてバッグに入れておくと、移動中も会場でも体温管理がスムーズです[2]。

“小さな準備”が夜の余裕になる

編集部でテストして実感したのは、小さな準備の積み重ねが当日の余裕に変わることでした。朝はしわのつきにくい素材を選び、帰る前に前髪とリップ、Tゾーンのテカリだけを直す。食事中に気になる口元は、色移りしにくいティントや薄膜のルージュを選ぶと安心です。万一の食べこぼしには、濡らしたハンカチで叩いてから、色の薄いティッシュで押さえるだけでも見え方が変わります。会場を出たあとに人に会う予定があるときは、イヤーカフや細いリングなど、ポーチに入る“ひとさじの盛り”を持っておくと、気分の切り替えも叶いました。

色・素材・小物の黄金比で“無難の一歩先”へ

最後に、どのシーンにも応用できる“黄金比”を。全身の色はベース70%、軸色20%、アクセント10%の配分を基準にすると、迷いが減ります。たとえばチャコールのセットアップをベースに、エクリュのインナーを軸色に、シルバーのアクセサリーをアクセントにするイメージです。素材はマット7、微光沢3の割合にして、夜の照明下でだけほんのり艶が出る程度が上品に見えます。小物は“実用を兼ねた美しさ”を選ぶとブレません。自立するミニバッグ、素足でも靴ずれしにくい中敷き、会場で脱ぎ履きしやすいバックルやゴムの仕様など、気づかれない工夫が所作の美しさに直結します。

体型の変化や体調の揺らぎが気になる世代だからこそ、締め付けず、でもだらしなくならない線引きが大切です。ウエスト位置を自然に上げるハイウエストや、ヒップや太ももを拾いにくいタック、首元の開きの角度など、身体に寄り添う微調整は“自分のため”の投資になります。結果として、写真や記憶に残るのは服ではなく、話した内容や笑顔です。服はその土台を支える道具だと考えれば、選択はぐっとシンプルになります。

季節と天候に沿う“微差の積み上げ”

夏は冷房と外気の寒暖差に備えて、薄手ジャケットやロングジレを一枚[2]。汗ばむ時季は、脇汗パッド内蔵のインナーや、速乾性のある素材を選ぶと安心です[3]。春秋は軽めのウールやツイード、冬はニットジャケットや裏起毛の細身パンツで防寒しながら、室内ではストールを外して首元をすっきり見せます。雨の日は、はっ水のローファーやパテントのパンプスにして、裾が濡れにくい丈感を選ぶとストレスが減ります。どれも大きな違いではありませんが、こうした微差の積み上げが、夜の場での余裕と自信に変わります。

まとめ:TPOと“自分らしさ”の交差点で選ぶ

懇親会・飲み会のコーディネートで大切なのは、場と相手への敬意を土台に、いまの気分をひとさじ重ねることでした。朝の仕込みで夜を見越し、上半身に清潔感の要素を集め、色・素材・小物の配分を整える。たったそれだけで、無難の一歩先へ進めます。次の予定では、どんな会場で、誰と、どんな時間を過ごしますか。鏡の前でその答えを思い浮かべながら、一つだけ“今の自分が心地よく感じる更新”を足してみてください。小さな選択の積み重ねが、明日の自分の自信になります。

参考文献

  1. 日本生産性本部: テレワークに関する調査(2024年7月時点の実施率等). https://xn—pckua2a7gp15o89zb.com/journal/news/585/
  2. 環境省 COOL CHOICE: クールビズの推進(オフィスの室温管理と快適な軽装). https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/article/2020_action_detail_004.html
  3. 政府広報オンライン: クールビズで快適に過ごす工夫(高機能素材・通気性の良い靴・身だしなみ等). https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201106/3.html
  4. 繊維製品消費科学 掲載研究: 第一印象における上衣の型・色の影響. DOI: 10.11419/senshoshi1960.31.288, https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/31/6/31_6_288/_article/-char/ja/
  5. Black or White: The Impact of Clothing Color on Impression Formation and Judgment. DOI: 10.31820/pt.31.1.8
  6. Steinemann A. Fragranced consumer products and effects among people with asthma (PMC5773620). https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5773620/

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。