韓ドラの「ヤンパン雰囲気」を3つのコツで再現!おうち時間が格上げする韓国インテリア術

韓ドラのセットに学ぶ、落ち着く韓国インテリアの3つのコツ。余白の取り方、質感のレイヤー、低い灯りで日常を格上げ。編集部のトレンド分析を元に、35–45歳の暮らしに合う実例と写真付きの買い物リストで今すぐ取り入れられる具体策を紹介。

韓ドラの「ヤンパン雰囲気」を3つのコツで再現!おうち時間が格上げする韓国インテリア術

韓ドラが変えた「余白」と素材の使い方

Instagramで「#韓国インテリア」「#韓国雑貨」を合わせた投稿は、2025年8月時点で合計数十万件以上。 編集部がGoogle Trendsで「韓国 インテリア」を追うと、国内の関心は2019年比で約3倍へ[1]。配信サービスのランキングでも韓ドラは常に上位に顔を出し、セットの世界観がそのまま“住まいの参考書”になっています[2]。数字が示すのは、単なる可愛いものへの熱ではありません。暮らしにフィットする設計思想、つまり色と光と素材の足し引きが、いまの私たちの現実と釣り合うからこそ受け入れられているという事実です。

編集部は国内外のトレンド事例、スタイリング本、主要ECの売れ筋を横断的に分析しました。見えてきた答えはシンプルです。韓国インテリアの核は「抜く勇気」「重ねるテクスチャ」「低く灯す光」。専門用語に置き換えればミニマルとレイヤリングと多灯分散ですが、日常語で言い直すと、置きすぎない、触れたくなる素材を混ぜる、天井の光に頼りすぎない、ということ。ここからは、韓ドラのセットを手掛かりに、35-45歳の暮らしへどう翻訳するかを具体的に掘り下げます。

多くの韓ドラの部屋に入るとまず感じるのは、視線が泳がない安心感です。ホワイトやグレージュ、セージのような低彩度の色がベースにあり、アクセントは絵や花器で小さく効かせるだけ。医学ではなく視覚心理の領域ですが、背景の色数を絞ると人は疲れにくく、集中もしやすくなります[3,4]。忙しい日の夜、リモートの合間、リビングに落ち着きが戻るのはこのためです。

そして第二の特徴は素材の掛け合わせ。曲線を描くローテーブルに、起毛感のあるファブリック、ラタンやオークの木目、ガラスの花器を重ねる。触れたくなる質感がひとつ増えるたびに、空間の“温度”が上がります。編集部の取材範囲では、光沢よりもマット、直線よりも緩やかな曲線が選ばれていました[5,6]。たとえば「わかっていても」に出てくるアトリエの一角は、白の壁に木とガラスが少しずつ重なり、情報量は少ないのに退屈しません。

三つ目の要は光です。天井のシーリングだけでなく、テーブルランプやフロアライト、キャンドルのような点を低く配し、影を味方につける。韓ドラの夜のシーンが肌を柔らかく見せるのは、光の高さをコントロールしているから。リビングの中心を明るくしすぎず、ソファ横や棚の中に小さな光源を散らすことで、画面越しの“肌なじみ”を日常に引き寄せられます[7,8].

色と光のレシピは「7:2:1」で考える

現場のスタイリストがよく使う経験則に近い考え方として、ベース色7、サブ色2、差し色1の配分があります。壁・床・大物家具で7を固め、ファブリックで2を足し、ポスターや花で1を効かせる。韓国インテリアではこの比率が崩れにくく、視覚の“ノイズ”が少ない。ソファカバーやラグを替えるだけでも配分は整えられるので、賃貸でも十分に実践可能です。

曲線とローテーブルが生む「余白の対流」

角ばった家具をひとつ曲線に替えると、空間の緊張が和らぎます。特にローテーブルやサイドテーブルを低い楕円やビーンズ型にすると、視線の流れが滑らかになり、床の余白が広く見える。40代の生活は物が増えがちですが、あえて高さを落とすと圧迫感が抜け、掃除もしやすいという副次効果もあります[5]。

今日からできる、韓国インテリアの取り入れ方

まずは色の統一から始めるのが最短距離です。今ある家具の色味を観察し、近いトーンに寄せるアイテムを一点だけ足します。たとえばナチュラルな木目が主役なら、クッションやブランケットは生成りや淡いグレーを選ぶ。逆に黒いテレビボードが強いなら、黒フレームのアートを一点足して“居場所”を作る。増やすのではなく、既存の強さを整えるイメージです。

照明は二層に分けると一気に韓ドラの距離感になります。天井の明かりは調光・調色で控えめにし、足元や目線の高さに電球色の灯りを置く。デスクには拡散する乳白ガラス、ソファ横にはファブリックシェードのランプ、棚の中には小さな充電式ライト。光の色温度を2700〜3000Kに揃えると、肌と木の色がととのい、夜がやわらぎます[9,8].

素材のレイヤーは三種類に絞ると破綻しません。たとえば木・ファブリック・ガラス。そこにメタルをひと匙だけ加えると、甘さが締まる。韓国インテリアが「大人のかわいさ」で止まらず上品に見えるのは、硬質な素材でバランスをとっているから。真鍮ハンドルのトレイやスチール脚のチェアなど、面積は小さくても存在感のあるピースが効きます。

飾る収納は“透け”を意識すると賢くなります。全面オープン棚に並べるより、半透明の扉や布で視線を散らし、見せる場所と隠す場所を混ぜる。推しのフォトブックやアルバムを積むなら、上に花器を重ねて高さをずらすと一体感が出ます。暮らしの痕跡を消さずに整えるのが、韓国インテリアの度量の大きさです。

賃貸でもできる「貼らない」「塗らない」テク

壁をいじれない部屋でも、床と窓まわりで雰囲気は変えられます。床には淡色のラグを敷き、窓には光を柔らかく通すボイルやシアーカーテンを重ねる。昼は視線を受け止め、夜は照明を拡散する役目を持たせると、家具に頼らず空気が変わります[8]。ラグは毛足の短いループやマイクロファイバーなら掃除がしやすく、ダニや花粉が気になる時期にも扱いやすいのが利点です。

失敗しない買い物戦略とコスト感

最小コストで空気感を変えるなら、まずはテキスタイルと照明です。クッション2つとブランケット、シェードランプを迎えると、体感の変化が大きいのに支出を抑えられる。相場感としては、クッションカバー2,000〜3,000円、ブランケット6,000〜12,000円、テーブルランプ8,000〜18,000円程度。合計2万円台でも“韓ドラの夜”は再現できます。

次のステップでテーブルとラグを見直すと、空間の骨格が整います。ローテーブルは横幅90〜110cm、高さ35〜40cmの低めを選ぶと余白が増え、カメラに向き合う在宅会議の背景にも奥行きが生まれる。ラグはソファの前脚が乗るサイズを基準に、160×230cm前後だとリビングの“島”が定義されます。ここまで整えると、5万円台〜10万円台で見違える変化が得られます。

オンラインで韓国ブランドを購入する際は、サイズと電気規格の二点に注意してください。家具は日本の廊下やエレベーターに入るかの採寸が必須で、梱包サイズや搬入経路まで確認を。照明はPSE対応や口金規格(E26など)、電圧の適合をチェックし、変換プラグが必要かどうかを忘れずに。返品条件は到着後の検品前に写真を撮るなど、実務的な準備が安心を生みます。

買い物は一点豪華主義も有効です。部屋の視線の“起点”を決めて、そこに投資する。たとえばダイニングのペンダントライトを乳白ガラスの球体に替えると、朝食の影が柔らかくなり、写真映えも自然に上がります[7]。逆に小物を数多く入れ替えると世界観が散りがちなので、季節の花や紙ものは“箱”に任せ、入れ替えの頻度を決めると迷いが減ります。

どこで買うかより「何を足さないか」を決める

楽天やAmazon、IKEA、無印良品、ニトリ、韓国雑貨の専門店やセレクトショップなど、選択肢は十分にあります。重要なのはショップ選びよりもルール作り。たとえば「白・木・ガラス以外は足さない」「曲線は部屋に二つまで」のような自分ルールを先に決めると、カートに入れる前に判断が速くなります。編集部の経験では、買い足すより“引き算の確認”を一度挟むことが、満足度を最後に上げてくれました。

40代の暮らしに馴染む、等身大のスタイリング

仕事と家事とケアの間を行き来する世代にとって、インテリアは「映える背景」だけで完結しません。現実の動線と心の休息の両方に効いてこそ意味がある。韓ドラのセットが教えてくれるのは、完璧な美術ではなく、生活の温度に寄り添う段取りです。

リビングでは、ソファ横のサイドテーブルにトレーを置き、読みかけの本とリモコン、ハンドクリームを定位置化します。そこに小さなランプと花器を添えると、用と美が一箇所にまとまり、片付けの手間が減る。家族の帰宅時間がずれても、灯りひとつで「おかえり」の空気が整います。視線が集まるテレビ周りは黒の面積が大きくなるため、黒フレームのアートを左右に置いて濃度を分散させると、部屋全体の明暗差がやわらぎます。

ワークスペースは背景を意識して“面”で整えると効果的です。壁にピクチャーレールを設け、同系色のポスターを二枚並べるだけでオンライン会議の印象が落ち着きます。デスクライトは演色性の高い電球(Ra90前後)にすると紙や肌の色が正確に見え、日中の集中力も維持しやすい[9]。散らかりやすいケーブルはファブリックチューブでまとめると、機能のノイズが視界から消えます。

寝室は「布」を主役にすると投資対効果が高い空間です。ベッドスプレッドをマットな質感に替え、枕は色を二段階でグラデーションに。カーテンは遮光とシアーを二重にし、朝はシアーのみで光を受け止める。枕元に置くのは背の低い陶器の花器と小さなランプ。韓ドラの静かな夜を思い出しながら、呼吸がひとつ深くなる布の温度に身を委ねてみてください[8].

暮らしの循環を整えるには、片付けの仕組みを意匠に織り込むのが近道です。たとえば玄関のスツールの下に布張りのボックスを置く、ダイニングの壁に浅いシェルフをつけて郵便物の“滞在先”を決める。見せると隠すをセットで計画すると、生活感は消さずに整います。もし物の見直しに迷ったら、編集部の過去記事「40代のミニマル・ワードローブ」や「10分で進む片付けのコツ」も役立ちます。夜のくつろぎを深めたいなら「睡眠ルーティンの整え方」や「3分呼吸リセット」もあわせてどうぞ。インテリアは単体では完結せず、生活習慣と響き合って完成します。

まとめ:部屋は、いまの自分に追いつかせる

韓国インテリアの魅力は、足し算の華やかさではなく、引き算の寛容さにあります。色を揃え、光を低くし、素材を三つに絞るだけで、部屋は静かに深呼吸を始めます。仕事の緊張も、家族の予定も、全部抱えたままでいい。そのうえで、今夜のテーブルに小さな灯りをひとつ置くところから始めてみませんか。

完璧を目指さずに“余白”を増やすことが、35-45歳の暮らしを確かに軽くします。カートに入れる前に「足さない理由」をひとつ思い出す。帰宅後にランプをひとつ灯す。次の週末は、ラグとカーテンを触り比べる。そんな小さな実験が、あなたの部屋を“韓ドラの安心感”に近づけます。気に入ったワンシーンをスクリーンショットして、色・光・素材の三つだけを真似する。今日の一歩で十分です。

参考文献

  1. PR TIMES: トレンドキーワード調査「韓国風」など生活トレンドに関する分析
  2. PR TIMES: 2025年最新・韓国ドラマに関する視聴実態調査(ナイル株式会社)
  3. Frontiers in Psychology (2022): Design complexity and visual cognition in interfaces(視覚情報の複雑さと認知負荷に関する研究)
  4. 銀座泰明クリニック: ミニマリズムの心理学(シンプルな環境とストレスの関係)
  5. MSDホールディングス コラム: 家具選びにおける曲線のポイント
  6. YKUBOT: インテリアデザインの心理学
  7. ZEM Group: The Psychology of Lighting in Luxury Home Interior Design
  8. maturite: 間接照明で自律神経を整える(照明とリラックスに関する解説)
  9. DNライティング: 照度・色温度の基礎と空間の心理的効果(e-dnl)

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。