20週間で見た目年齢が変わる!30代・40代が今すぐ始めたい科学的小顔エクササイズ

骨格は変えられないが、筋肉・むくみ・姿勢で顔の印象は変わります。JAMA Dermatologyの顔エクササイズ研究と日常ケアを基に、30〜40代の女性が今日から試せる現実的な小顔エクササイズと注意点を紹介します(効果には個人差があります)。

20週間で見た目年齢が変わる!30代・40代が今すぐ始めたい科学的小顔エクササイズ

小顔エクササイズで何が変わるのか——科学的な土台

小顔エクササイズの主な対象は、表情筋(頬筋・口輪筋・眼輪筋など)、咀嚼筋(特に咬筋)、首回りの広頚筋や舌骨上筋群です。研究データでは、中高年を対象にした顔の運動プログラムが、20週間で頬のボリュームが評価者によって有意に改善し、見た目年齢が平均2.7歳若返ったと報告されています(JAMA Dermatology 2018)[1]。加えて、ランダム化比較試験を基にしたレビューでも、表情筋エクササイズが加齢に伴うサインを緩和し得るとするエビデンスが示されています[3]。ポイントは、皮膚の内側で起きる“支え”の変化と、血流や体液循環の促進による“むくみ”の軽減です。朝の塩分過多や睡眠不足、うつむき姿勢が重なると、フェイスラインはたやすくぼやけます。逆に言えば、筋肉の使い方とむくみの管理、姿勢のリセットを掛け合わせると、輪郭の印象は想像以上に動くのです。とくに前夜の塩分過多は体内の水分貯留を高めやすく、野菜や果物などカリウムを含む食品を取り入れることはバランス調整に有効とされています[6]。

現実的に期待できる変化と、その理由

まず期待したいのは、顔の“余白感”を生むむくみの軽減です。軽いマッサージや筋ポンプ作用で血流と体液の巡りが良くなると、朝のぼんやりした輪郭がシャープに見えやすくなります。次に、頬の位置がわずかに引き上がることで、ほうれい線の影落ちがやわらぎ、正面からの印象が軽くなることが多いです。JAMA Dermatologyの介入では、8週間の集中期とその後の維持期を経て、頬の上部と下部のボリューム評価が改善しました[1]。これは筋の張力が高まり、皮下脂肪の“のり”が整ったことを示唆します。また、顎下のもたつきは、皮下脂肪だけでなく頭が前に出る姿勢でも強調されます。頸部の伸展を取り戻すことで、横顔の“二重あご見え”が和らぐケースは珍しくありません。

効果を下げる落とし穴——やりすぎは逆効果

小顔になりたくてガムを長時間噛む、あるいは強い力でマッサージする。これはどちらもおすすめできません。研究データでは、歯ぎしりや食いしばりのある人は咬筋が厚く発達しやすいことが超音波計測で示されており、下顔面が四角く見えやすくなります[4,5]。さらに強すぎる摩擦は、皮膚のバリアを傷つけ、色素沈着や赤み、弛み感の悪化につながるリスクがあります。小顔エクササイズは「効かせる」より「整える」感覚が鍵。力任せにせず、可動域と呼吸、姿勢のセットで取り組むほど、負担なく続けられます。

今日からできる、編集部版5分ルーティン

忙しい朝でも続けられることが、最初の関門です。編集部が提案する小顔エクササイズは、5分前後で完結します。洗顔後に保湿を済ませ、清潔な手で行いましょう。まず一度、座って骨盤を立て、胸の中心が天井へ伸びる感覚を作ります。顎先は軽く引き、後頭部をそっと後ろに押し返すようにして首の後ろを長く保ちます。この姿勢調整だけで、顎下の影が変わる人がいます。

姿勢が整ったら、鼻から呼吸を深く三呼吸。次に舌先を上顎のスポット(上の前歯の少し後ろ)に軽くつけ、口角をわずかに横へ広げるようにして5秒保ち、ふっと脱力します。頬骨の下に触れ、笑顔の筋肉がやさしく働くのを感じながら、これを3回。そのまま「う」と「い」をゆっくり大きく発音するように口を動かし、口輪筋と頬筋のスライドを確かめます。力は最小限で、皮膚表面を引っ張らないことがコツです。

次は咬筋のリリースです。奥歯を軽く噛み、耳の前にふくらむ筋肉を見つけたら、噛む力を抜いて、指腹で円を描くように数回やさしくほぐします。強く押し込む必要はありません。広頚筋にもアプローチしましょう。鎖骨の上に手のひらを置き、顎を天井方向へゆっくりと傾けて、口角をほんの少し上げます。首の前が伸び、顎下のたるみが引き伸ばされる心地よさを味わいながら、呼吸を3回続けます。

仕上げに、耳の下から鎖骨へ向かって、肌表面を撫で下ろすように数回スイープします。これはむくみの溜まりやすいルートを“思い出させる”感覚。最後にもう一度、頭の位置をリセットして終了です。「姿勢→呼吸→表情筋→咬筋→首→スイープ→姿勢」という流れを毎日なぞることで、むくみのリズムが整い、フェイスラインの“にじみ”が少しずつ澄んできます。

頻度・タイミング——8週間をひとかたまりに

変化を感じるには、短い刺激を積み重ねることが重要です。8週間をひとかたまりと考え、1日5〜10分を目安に、朝か入浴後のどちらかに固定して続けます。朝はむくみ対策、夜はリカバリーと睡眠の質向上に寄与しやすいので、生活のリズムに合わせて選びましょう。オンライン会議の前に1分だけ姿勢と咬筋リリースを行う、歯磨き後に「う・い」運動を必ず3セット入れる、といった“トリガー習慣”と紐づけると、忘れにくくなります。先述の研究でも、8週間の集中期(その後の維持期を含め計20週間)で評価が上がっています[1]。

結果を加速する生活チューニング

小顔エクササイズの効果は、日々の水分・塩分・睡眠・姿勢の“地ならし”で大きく変わります。塩分が多い夕食や深酒の翌朝は、むくみのハードルが上がります。前日に塩味の強い食品が多かったときは、水をこまめに摂り、就寝2〜3時間前までに食事を終えるだけで、翌朝の輪郭は軽くなります。あわせて、野菜や果物などカリウムを含む食品を取り入れてナトリウム排泄を促す工夫も有効です[6]。睡眠は7時間前後を目標にし、枕は高すぎず首のカーブを支えるものを選びます。日中はスマートフォンを見るたびに顎を引いて後頭部を後ろへ戻す“1秒リセット”。生活の微調整が、エクササイズの積み上げをきちんと輪郭に届けます。

よくある疑問に答えます——限界も味方につける

Q. どれくらいで変化を感じますか? 数日はむくみの抜けで軽さを感じる人が多い一方、他人の目にわかる変化は数週間単位です。先の研究では、8週間の集中期を経て評価が上がっています[1]。ランダム化試験を基にしたレビューでも、表情筋エクササイズが容貌の加齢サインに一定の効果を示す報告があります[3]。まずは8週間、写真や動画で正面と横顔を定点記録し、主観に頼らないモニタリングをしてみてください。

Q. 顔だけ“部分やせ”はできますか? 体脂肪の局所減少にははっきりした科学的根拠はありません。小顔エクササイズは、むくみや筋の位置関係を整えて“影の落ち方”を変えるアプローチです。全身の体脂肪が減れば顔もすっきりしやすいですが、エクササイズ単体でも印象は十分変えられます。

Q. ガムを噛むと小顔になりますか? 長時間のガム咀嚼は、むしろ下顔面を広げる方向に働く可能性があります。研究データでは、食いしばりや歯ぎしり(ブラキシズム)のある人の咬筋は厚く発達しがちです[4,5]。小顔目的なら、咬筋は“鍛える”より“休ませる・整える”が正解です。

Q. 美顔器やマッサージと併用してもいい? 併用は可能ですが、やりすぎは禁物です。摩擦が強いと皮膚バリアを傷つけます。滑走性のある保湿を使い、圧は“皮膚がほんのり動く程度”を目安に。刺激は短く、頻度は一定に保ちましょう。

Q. 輪郭は生まれつき。エクササイズに意味はある? 骨格は変えられなくても、むくみと姿勢、筋の使い方は日々変えられます。“見た目の物理”を動かせば、印象は動く。 その手応えが、セルフケアの自信にもつながります。

まとめ——“整える”を味方に、輪郭は軽くなる

私たちの顔は、体調や姿勢、気持ちに正直です。だからこそ、短時間でも毎日“整える”時間をもつことが、最短の近道になります。骨格は変えられない。けれど、むくみ・筋肉・姿勢は変えられる。 この現実的な視点に立つと、小顔エクササイズは一過性のブームではなく、日々のメンテナンスに変わります。今日の5分は、明日の輪郭の“にじみ”をひとつ減らす行動です。最初の8週間、どの時間帯なら続けられそうでしょうか。鏡の前で姿勢をひと息整えるところから、あなたの新しいルーティンを始めてみてください。

参考文献

  1. Alam M, Walter AJ, Geisler A, Kibbi N, Yoo S. Association of Facial Exercise With the Appearance of Aging. JAMA Dermatology. 2018. https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/fullarticle/2671699
  2. 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所. 顔エクササイズで「若見え」効果が実証(米国ノースウェスタン大学研究の紹介). https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=62784&-lay=lay&-Find.html
  3. RCEFAC (SciELO). Facial exercises effectively attenuated signs of aging based on randomized clinical trials. https://www.scielo.br/j/rcefac/a/QJYZ8mZXHD7krKHxGzhsJGz/?format=html
  4. Springer. Ultrasonographic evaluation of masseter muscle thickness in individuals with bruxism: association with parafunctional activity. https://link.springer.com/article/10.1007/s11282-023-00688-5
  5. J-STAGE. ブラキシズムの基礎と臨床(総説). Journal of Stomatognathic Function. https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sgf/13/1/_contents/-char/ja
  6. 協会けんぽ 徳島支部. むくみの原因と対策(塩分・カリウム・血行). https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/tokushima/cat130/20220401001/

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。