そのスキンケア、本当に「あなた」に合っていますか?
「乾燥肌だから」と必死でクリームを重ねているあなた。「脂性肌だから」とさっぱり系ばかり選んでいるあなた。そのケア、本当に”今の”あなたの肌に合っていますか?
良かれと思って続けている「思い込みスキンケア」が、実は肌のコンディションを悪化させ、本来の輝きを奪っているとしたら…?
この記事では、5つの質問で「本当の肌質」を診断し、タイプ別の「最適解」スキンケアをご紹介します。さらに、美容エディターが厳選した「お守りコスメ」と、絶対に避けるべき「NGケア」まで徹底解説。
あなたの肌人生を変える13分間、始めましょう。
【診断】5つの質問で「本当の肌質」をセルフチェック

診断の精度を上げるため、必ず「洗顔後、タオルで水分を拭き、スキンケアを何もつけていない状態」で、肌を観察しながら答えてください。
以下の5問は、あなたの肌の「水分量」「皮脂量」、そして「バリア機能の状態」を正確に見極めるために設計されています。
Q1. 【皮脂量チェック】洗顔後30分、スキンケアをせずに放置した時、「Tゾーン(額・鼻)」は?
- (A) 全体的に皮脂が浮き、ベタつきやテカリを感じる
- (B) ベタつきもカサつきも感じず、なめらかな状態
- (C) 皮脂は感じず、むしろ少しつっぱる感じがする
Q2. 【水分・皮脂バランスチェック】その時、「Uゾーン(頬・あご)」の状態は?
- (A) 頬もベタつく、または、Tゾーンほどではないが潤いを感じる
- (B) Tゾーンはベタつくが、頬はカサつく。または、頬は特につっぱりもベタつきもない
- (C) 頬もあごも、全体的につっぱってカサカサする
Q3. 【バリア機能チェック】季節の変わり目や、新しい化粧品を使った時、肌はどうなりやすい?
- (A) かゆみ、赤み、ヒリつきなどを感じることがよくある
- (B) よほど強い製品でなければ、特に何も感じない
Q4. 【水分保持力チェック】洗顔後、すぐに化粧水をつけないと肌はどうなる?
- (A) 特につっぱる感じはなく、むしろ皮脂がすぐに出てくる
- (B) すぐにつっぱるが、化粧水をつければひとまず落ち着く
- (C) 猛烈につっぱり、すぐに化粧水をつけても乾燥感が残る
Q5. 【日中の肌状態チェック】午後3時頃、あなたの肌(またはメイク)は?
- (A) 顔全体が皮脂で崩れ、テカテカになっている
- (B) Tゾーンは崩れるが、目元や口元は乾燥でヨレる
- (C) 全体的に乾燥し、ファンデーションが粉をふいたように見える
- (D) 大きな崩れはなく、適度なツヤが出ている
診断結果
最も多かった回答の組み合わせから、あなたの「本当の肌質」をチェックしましょう。
- 【タイプA:乾燥肌】 → Q2(C), Q4(C), Q5(C) が多い方
- 【タイプB:脂性肌】 → Q1(A), Q2(A), Q4(A), Q5(A) が多い方
- 【タイプC:混合肌】 → Q1(A), Q2(B), Q5(B) の組み合わせが多い方
- 【タイプD:敏感肌】 → 他のタイプの特徴を持ちつつ、Q3で(A)を選んだ方
- 【タイプE:普通肌】 → Q1(B), Q2(B), Q4(B), Q5(D) の組み合わせが多い方
タイプ別「最適解」スキンケア提案
あなたのタイプがわかりましたね。ここからは、なぜその肌質になるのか、そして「何をすべきか(DOs)」「何をやめるべきか(DON’Ts)」を徹底解説します。
【タイプA:乾燥肌】水分も皮脂も少ない状態

あなたの肌状態
水分も皮脂も両方少ない状態です。肌のバリア機能が低下しており、うるおいを蓄える力も、外部刺激から肌を守る力も弱まっています。放置すると、かゆみや赤みを伴う「敏感肌」に移行する予備軍です。
DOs(やるべきケア)
クレンジング: 「落としすぎない」ことが最優先。洗浄力がマイルドなミルクタイプや、摩擦レスな泡タイプを選びましょう。
洗顔: ぬるま湯で。「ゴシゴシ洗い」は厳禁です。肌表面のバリア機能が破壊されてしまいます。
保湿: 「洗顔後、即」保湿。肌の水分が蒸発する前に化粧水をつけます。化粧水だけでなく、必ず「油分」(乳液、クリーム)でフタをすること。「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」などの高保湿成分を積極的に取り入れましょう。どうしようもない乾燥には、高純度のワセリンで保護するのも手です。
DON’Ts(今すぐやめるべきケア)
- 熱いお湯での洗顔。必要な皮脂まで奪い去ります
- ゴシゴシとタオルで拭くこと。摩擦はバリア機能を破壊します
- さっぱりタイプの化粧水や、アルコール(エタノール)配合の製品の使用。刺激になり、さらなる乾燥を招きます
- 「化粧水だけ」でケアを終えること。水分が蒸発し、かえって乾燥します
【タイプB:脂性肌】水分も皮脂も多い状態

あなたの肌状態
水分も皮脂も両方が多い状態です。うるおいや弾力はありますが、過剰な皮脂でベタつき、毛穴が目立ちやすいのが特徴です。
思い込みを正す
最大の「思い込み」は、「保湿をしたら悪化する」という誤解です。脂性肌にも保湿は必須です。
DOs(やるべきケア)
クレンジング: メイクや皮脂は「きちんと」落とす。朝晩2回の洗顔が基本です。皮脂抑制効果のある成分(サリチル酸など)を含む、ただし「低刺激性」のクレンザーを選びましょう。
洗顔: 必ず「ぬるま湯」で。熱いお湯は、かえって皮脂分泌を促すためNGです。泡で優しく、Tゾーンを丁寧に洗います。
保湿: 最重要ポイントです。 脂性肌にも保湿は必須です。アルコールフリーで、「ヒアルロン酸」「セラミド」「グリセリン」などの保湿成分を含む化粧水で水分をしっかり補給します。
フタ: オイルフリーまたは「軽めの乳液・美容液」で必ずフタをします。これを怠ると、肌は「乾燥した」と勘違いし、さらに皮脂を過剰に分泌する悪循環に陥ります。
紫外線ケア: 天気に関わらず必須です。紫外線は皮脂分泌を悪化させる要因の一つです。
生活習慣: 脂質・糖質の多い食事を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。十分な睡眠とストレス管理も皮脂コントロールには不可欠です。
DON’Ts(今すぐやめるべきケア)
- 皮脂を落とすために1日に何度も洗顔すること
- 熱いお湯での洗顔
- ゴシゴシ擦る洗顔。肌が刺激を感じて皮脂を過剰分泌します
- 保湿をしないこと(乳液・クリームの省略)
- アルコール(エタノール)配合の、強い清涼感のある収れん化粧水の使用。一時的にさっぱりしますが、肌の水分を奪い、過剰な皮脂分泌を招きます
【タイプC:混合肌】皮脂は多いが水分不足

あなたの肌状態
「インナードライ」とも呼ばれます。皮脂は多いのに、肌内部の水分が不足している状態です。Tゾーン(額・鼻)はベタつくが、頬や口元はカサつくのが特徴です。
思い込みを正す
この肌質は、生まれつきというより、紫外線のダメージや、脂性肌と勘違いした「保湿不足のケア」によって後天的に作られている可能性が非常に高いです。
DOs(やるべきケア)
部位別ケアの徹底: 混合肌の最大のポイントは「部位別」ケアです。
クレンジング: 皮脂の多いTゾーンから先にクレンジング剤を乗せ、乾燥するUゾーンは手早く済ませます。
保湿: 洗顔後「すぐ」に化粧水で水分補給。「ヒアルロン酸」「セラミド」「コラーゲン」など、角層に深く届く高保湿成分が最適です。
重ね塗り: 乾燥する目元・口元は化粧水や乳液を重ね塗りします。
美容液: 保湿美容液は全顔に、皮脂コントロール美容液はTゾーンに、など「部分使い」をマスターしましょう。
紫外線ケア: バリア機能低下と乾燥を防ぐため、オールシーズン必須です。紫外線はインナードライを悪化させる最大の原因の一つです。
DON’Ts(今すぐやめるべきケア)
- Tゾーンのベタつきを気にして、顔全体の保湿を軽すぎに済ませること。これがインナードライを悪化させます
- さっぱり系の化粧水だけでケアを終えること
- あぶらとり紙の使いすぎ。必要な皮脂まで奪い、乾燥を助長します
【タイプD:敏感肌】バリア機能が低下した状態
あなたの肌状態
皮脂や水分の量で分類されるのではなく、肌の「バリア機能」が著しく低下し、あらゆる外部刺激(紫外線、花粉、化粧品成分など)に過敏に反応する状態です。
思い込みを正す
敏感肌はアレルギー性の場合もありますが、多くは「乾燥によるバリア機能障害」です。つまり、タイプA(乾燥肌)やタイプC(混合肌)の人が、間違ったスキンケアによってバリア機能を破壊され、悪化した状態とも言えます。
DOs(やるべきケア)
製品選び: 「低刺激性」「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」、アルコールフリー、香料フリーの製品を選びます。
保湿: 「セラミド」「ヒアルロン酸」などでバリア機能をサポートする成分を補給します。
保護: 化粧品がしみるほど敏感な時は、高純度の「白色ワセリン」や「サンホワイト」で肌を保護するシンプルなケアに切り替えましょう。化粧水で水分を与えた後、米粒1粒分のワセリンを手のひらで伸ばし、スタンプを押すように優しく塗布します。
DON’Ts(今すぐやめるべきケア)
- ゴシゴシ洗顔、熱いお湯での洗顔。これらはバリア機能を直接破壊する行為です
- 肌に合わない成分(アルコール、香料、特定の防腐剤など)が入った化粧品の使用
- 肌の調子が悪い時に、新しい化粧品を試すこと
- ピーリングやスクラブなど、角質層を剥がす攻撃的なケア
【タイプE:普通肌】水分と皮脂のバランスが良好
あなたの肌状態
水分と皮脂のバランスが整った理想的な状態です。キメが細かく、なめらかでツヤがあり、毛穴も目立ちにくいです。
思い込みを正す
最大の「思い込み」は、「何もしなくても大丈夫」という油断です。
DOs(やるべきケア)
基本の徹底: 丁寧なクレンジング、十分な保湿、毎日の紫外線ケア。この3つの基本を絶対に怠らないこと。
観察: 季節や体調に応じたケアの微調整。冬はクリームをリッチに、夏はTゾーンのケアを意識するなど、変化に対応しましょう。
DON’Ts(今すぐやめるべきケア)
- メイクを落とさずに寝る
- クレンジングのすすぎ残し
- 紫外線対策を怠ること。これが普通肌を混合肌や乾燥肌に変える最大の引き金です
- 不規則な生活。睡眠不足、栄養不足、ジャンクフードの多い食生活は、真っ先に肌のバランスを崩します
美容エディター厳選|タイプ別「お守り」コスメ

あなたの「最適解」をサポートする、編集部が選び抜いた「お守りコスメ」をご紹介します。
乾燥肌向け
ミノン アミノモイスト モイストミルキィ クレンジング

価格: 1,251円(税込) 特徴: 保潤アミノ酸配合。肌のバリア機能を守りながら落とす「守りのクレンジング」。
キュレル 潤浸保湿 化粧水 III とてもしっとり

価格: 2,090円(税込) 特徴: 肌荒れを防ぎ、潤いを守る。乾燥性敏感肌にも。
dプログラム 薬用 スキンケアファンデーション(リキッド)

価格: 3,190円(税込) 特徴: 肌荒れを防ぎながら保湿。乾燥肌かつ敏感に傾きがちな肌へ。
脂性肌向け
ファンケル マイルドクレンジング オイル

価格: 1,980円(税込) 特徴: 毛穴の角栓までしっかりオフ。擦らず落とせるため、摩擦によるバリア機能低下を防ぐ。
肌ラボ 極潤ヒアルロン液

価格: 737円(税込) 特徴: 4種のヒアルロン酸配合。アルコールフリーでしっかり水分を補給できる。
混合肌向け
マナラ ホットクレンジングゲル マッサージプラス

価格: 4,180円(税込) 特徴: 温感ゲルがTゾーンの毛穴を開き、美容成分91.3%で頬の乾燥も守る。混合肌に最適。
ザ・タイムR アクア (IPSA)

価格: 4,730円(税込) 特徴: 肌荒れを防ぎ、水分を角層に届ける。ベタつかないのに深く潤う代表格。
薬用 雪肌精

価格: 5,500円(税込) 特徴: 肌にうるおいを与え、水分と油分のバランスを整える。
敏感肌向け
無印良品 マイルドジェルクレンジング

価格: 550円(税込) 特徴: 低刺激・弱酸性。肌の潤いを保ちながらマイルドに洗浄。
dプログラム モイストケアセット MB

価格: 1,100円(税込) 特徴: 敏感肌研究の王道。肌荒れを防ぎ、バリア機能をサポート。
無印良品 化粧水 敏感肌用 しっとりタイプ

価格: 790円(税込) 特徴: シンプル処方。アルコールや香料フリーで安心して使える。
白色ワセリン

価格: 400円~(税込) 特徴: 究極の「守り」。化粧品がヒリつく時は、化粧水の後、米粒大のワセリンで保護。
普通肌向け
フェイシャルトリートメントエッセンス (SK-II)

価格: 12,650円(税込) 特徴: 肌を整え、なめらかな肌へ導く化粧水。
薬用スキンコンディショナー エッセンシャルN (アルビオン)
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価格: 3,850円(税込) 特徴: 肌荒れを防ぎ、うるおいを与えて肌を整える。
ハトムギ化粧水

価格: 748円(税込) 特徴: 肌にうるおいを与え、肌を整える。たっぷり使える大容量タイプ。
【警告】思い込みケアが招く「肌の負のスパイラル」

診断結果に満足し、コスメを選んで、この記事を閉じようとしているかもしれません。しかし、ここからが最も重要です。もしあなたが「NGケア」を一つでも続けていたら、せっかくのケアが全て無駄になるどころか、今の肌質をさらに悪化させることになるからです。
すべての肌トラブルは「バリア機能の破壊」から始まる
肌が「つっぱる」「赤みが出る」「カサつく」…。これらのサインはすべて、あなたの「NG習慣」が肌表面のバリア(角質層)を破壊している悲鳴です。
ケーススタディ1:脂性肌の「洗いすぎ」が招く「混合肌」への転落
- 思い込み: 「ベタつくから、皮脂を根こそぎ落としたい」
- NG習慣: 強力な洗浄剤、1日何度も洗顔、熱いお湯、保湿をしない
- 負のスパイラル:
- NGケアがバリア機能を破壊します
- 肌が水分を保持できなくなり、内部が乾燥します(=インナードライ)
- 脳が「肌が乾燥して危険だ!」と察知します
- 乾燥から肌を守るため、「もっと皮脂を出せ!」と指令を出します
- 結果: 洗えば洗うほど皮脂が増え、内部は乾燥する最悪の「混合肌」が完成します
ケーススタディ2:乾燥肌の「こすりすぎ」が招く「慢性敏感肌」への悪化
- 思い込み: 「カサつくから、古い角質をスクラブで落としたい」
- NG習慣: ゴシゴシ洗顔、ピーリング、熱いお湯
- 負のスパイラル:
- ただでさえ薄いバリア機能を、摩擦によって物理的に破壊します
- 肌が丸裸になり、外部刺激がダイレクトに侵入します
- 化粧水がしみる、赤みが出る、かゆみが出る
- 結果: ただの「乾燥肌」だったはずが、何も使えない「乾燥性敏感肌」に悪化
ケーススタディ3:全肌質に共通する「紫外線対策の怠慢」という時限爆弾
- 思い込み: 「今日は曇りだから大丈夫」「在宅だから不要」
- NG習慣: 紫外線ケアをしない、または塗り直さない
- 負のスパイラル:
- 紫外線が肌にダメージを与え、乾燥を促進します
- バリア機能が低下し、うるおいが失われます
- ターンオーバーが乱れ、肌の水分キープ力が低下します
- 結果: 「普通肌」は「混合肌」へ。「乾燥肌」はさらに乾燥し、「脂性肌」はインナードライを加速させます
あなたの肌は、今この瞬間も変わろうとしている
これで、あなたは「本当の肌質」と「本当のケア」を知りました。もう「思い込み」に振り回される必要はありません。
肌質は固定された「運命」ではありません。多くは、バリア機能という後天的な「状態」です。
今日の診断結果を基に、NG習慣を今すぐやめ、あなたの「処方箋」を手に取ってください。
あなたの肌は、季節、年齢、ライフスタイルで必ず変化します。この記事をブックマークし、3ヶ月後に、もう一度診断に戻ってきてください。あなたの肌人生に、私が伴走します。
まとめ
- 肌質診断は「洗顔後30分、何もつけない状態」で行う
- 5つの質問で乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌・普通肌を診断
- 各肌質には「やるべきケア」と「やめるべきケア」がある
- 脂性肌にも保湿は必須、混合肌は部位別ケアが鍵
- 敏感肌は低刺激製品を選び、バリア機能をサポート
- 普通肌も基本ケアを怠ると肌質が変わる
- NGケアはバリア機能を破壊し、肌質を悪化させる
- 肌質は後天的に変化する。3ヶ月ごとに再診断を
※本記事に記載の製品情報は2025年11月時点のものです。価格は変動する可能性があります。 ※個人の感想です。効果には個人差があります。 ※肌に異常がある場合は、皮膚科専門医にご相談ください。
参考文献
- 開業医としての敏感肌診断・治療と化粧指導 http://www.igaku.co.jp/pdf/2034_beauty-03.pdf