40代が知らないと損するプラセンタサプリの見極め方:豚と馬の違いから安全性まで

医薬品ではなく“食品”としてのプラセンタサプリメントを、40代女性向けにわかりやすく解説。原料の由来、製法、含有量表記、安全性、コスパ、続けやすさまで編集部がチェック。購入前に知っておきたいポイントをまとめました。

40代が知らないと損するプラセンタサプリの見極め方:豚と馬の違いから安全性まで

プラセンタサプリメントの基礎知識

まず、何からできているのかを正確に押さえます。サプリメントに用いられるプラセンタは主にブタまたはウマ由来で[6]、ヒト由来は食品には使われません[5]。胎盤エキスにはアミノ酸、低分子ペプチド、ミネラルなどが含まれ[2]、製法によって組成や分子サイズ、においの残り方が変わります。医学文献によると、動物種による絶対的な優劣は一概に示されておらず[6]、むしろ原料の健康管理やトレーサビリティ、製造の衛生管理のほうが品質差に直結すると考えられます。いわゆる“植物プラセンタ”という表示を見かけることがありますが、植物には胎盤がないため、実態としては発芽エキスや果実由来のエキスを比喩的に呼んでいるケースが中心です。名前の響きに引っ張られず、原料表示と由来をまず確認する姿勢が大切です。

次に、医療用製剤との違いを明確にします。医療機関で用いられるプラセンタ注射は医薬品として管理されていますが[5]、サプリメントは食品としての品質・安全基準に従います[4]。この違いは効果の出方の誤解につながりやすいポイントです。編集部の整理としては、サプリメントの役割は“底上げ”と“日々の波の緩和”。肌や体調の変化は生活全体の影響を大きく受けるため、睡眠や食事、紫外線対策といった基盤のケアと併走させて、数週間から数カ月というスパンで様子を見るのが現実的です。

原料の違いは「由来」と「管理体制」で見る

ブタ由来は流通量が多くコストを抑えやすい一方、ウマ由来は原料の入手性や管理体制の影響で価格が上がる傾向があります。においが穏やかと感じる人が多いのはウマ由来という印象が編集部の試用でもありましたが、感じ方には個人差が大きく、科学的にどちらが肌に優れると断定する根拠は限定的です。見落とされがちなのは、原産国や飼育環境の情報開示、BSE対策や獣医的な検査履歴の提示、サプライチェーンの追跡性です。商品ページや外箱にこれらが明記されているか、問い合わせで具体的な回答が得られるかが“信頼度”を測るひとつの指標になります[6]。

製法が「中身」と「飲みやすさ」を左右する

製法は大きく、加熱抽出、酵素分解(低温抽出)、凍結乾燥などに分かれます[6]。酵素分解は比較的低温で処理されるためペプチドのサイズを整えやすく、凍結乾燥は水分を飛ばして濃縮度を上げられる一方、コストは上がります。加熱抽出はコストを抑えられますが、においや風味が残りやすいと感じる人もいます。研究データでは、分子サイズが吸収性に影響を及ぼす可能性が示唆されています[2]が、最終製品で同じ指標を統一的に比較したデータは限られています[4]。現実的には、GMP準拠の国内外工場で製造されているか、工程の概略が公開されているかを確認し、続けやすさと予算のバランスで選ぶのが賢明です。

ラベルの読み解き方と安全性のチェック

含有量表示は、誤解しやすいポイントの筆頭です。箱に大きく“◯◯mg”と書かれていても、それが原料のエキスそのものなのか、デキストリンなどの賦形剤を含む混合末なのか、あるいは原料の“エキス換算量”なのかで意味が変わります。たとえば「プラセンタエキス末100mg」と「プラセンタ原料換算100mg」は必ずしも同じ濃度ではありません。比べるときは、1日摂取目安量あたりのエキス末の実量濃縮倍率、さらに他成分(ビタミンB群、ビタミンC、鉄、コラーゲンなど)の配合意図をあわせて読むと、公平な比較がしやすくなります[4]。ビタミンCはたんぱく質代謝やコラーゲン合成に関わるため組み合わせとして理にかなっていますが、鉄や亜鉛は過剰摂取に注意が必要な栄養素です。複合処方のサプリメントを選ぶときは、食事や他のサプリメントとの重なりに目を配りましょう。

安全性に関しては、原産国と検査体制、そしてアレルギー・ライフステージへの配慮が基礎になります。動物由来原料である以上、BSE非発生国の原料採用やロットごとの微生物検査、重金属・残留農薬の確認といった情報の開示は、選ぶ側の安心材料になります[4,6]。においの感じ方や胃の負担は個人差があり、空腹時は気になるという声も少なくありません。まずは食後に少量から始め、体調に合わせて調整するのが無理のない取り入れ方です。また、妊娠・授乳中の利用、ホルモン関連の治療を受けている場合、持病の薬を服用中の場合は、自己判断を避けて医療者に相談するのが安全です。宗教・倫理観の観点から動物由来を避けたい人は、代替のたんぱく質サプリメントやビタミン・ミネラルの見直しから検討してもよいでしょう。

形状と飲みやすさ、そして1日のリズム

カプセル、タブレット、ドリンク、パウダーと形状はさまざまです。カプセルはにおいを感じにくく持ち運びに優れ、タブレットはコストを抑えやすい一方で賦形剤が増えることがあります。ドリンクは満足感が高いという声がある反面、糖質や酸味料が入ることもあり、夜に飲むと胃が重く感じる人もいます。編集部の経験では、**最も継続率が高かったのは“無理なく毎日同じ時間に飲める形状”**でした。朝の家事がひと区切りついた直後や、夕食後の歯みがきのタイミングなど、自分の生活動線にしっかり結びつけると、面倒さが減ります。

価格と継続コストは「1日あたり」で考える

価格比較では、月額だけでなく1日あたりのコストに直して検討するのが実感に近づくコツです。例えば30日分で6,600円なら1日あたり約220円。これが自分のケア優先順位と見合うかを考えます。最初から大容量に踏み切るより、まずは1〜2カ月でにおいや飲み心地、朝の肌触りや日中のコンディションの“自覚”に変化があるかを観察し、その後に定期購入や大容量に切り替える流れが、後悔の少ない選び方でした。定期便の割引は魅力的ですが、解約条件や回数縛り、配送スキップの柔軟性も必ず確認して、生活の波に合わせられるかを見ておくと安心です。

目的別の選び方と実践プラン

肌のうるおい感を後押ししたい、朝のコンディションを整えたい、ゆらぎ期の気分の波を小さくしたい。目的により、配合と飲み方の戦略は微妙に変わります。肌のうるおいを意識するなら、プラセンタに加えてビタミンCやセラミド、コラーゲンペプチドなどの併用設計は理にかないます。気分の波や疲労感のセルフマネジメントを狙うなら、ビタミンB群やマグネシウムが一緒に入っている処方のほうが、生活全体の底上げに寄与する可能性があります。どの目的でも共通して効いてくるのは、飲むタイミングを固定化することと、2〜3カ月は同条件で続けて変化を見る観察習慣です。日々のばらつきを慮り、月経周期や季節要因もメモに残しておくと、判断がブレにくくなります。

編集部では、ブラインドに近い形で複数のプラセンタサプリメントを4週間ずつ試し、におい、飲み心地、翌朝の肌触りの主観スコア、昼のだるさの主観スコアを記録しました。大きな差が見えたのは“匂いの許容度”と“飲み忘れの少なさ”で、これらが継続率に直結しました。主観評価でのわずかな上向きは見られたものの、生活の乱れがある週はすぐに帳消しになる現実もまた、はっきりと観察されました。だからこそ、プラセンタは「足し算」のケアであり、睡眠・日焼け対策・たんぱく質摂取という“土台”の上でこそ生きるという結論に落ち着きました。土台づくりの詳しいヒントは、紫外線ケアの基礎をまとめた40代のUVケア入門、不足しがちな鉄の考え方を整理した鉄サプリメント活用ガイド、眠りの質を底上げするスリープハイジーンの記事も参考になります。

続け方のリアル:期待値の調整と見切りのライン

過度な期待を抱くより、現実的な目標設定が継続のストレスを減らします。例えば「朝の肌の手触りが少し柔らかいと感じる日が週に何回あるか」「午後のだるさで椅子から立ち上がるのが億劫な時間が短くなるか」といった、日常の実感で評価可能な指標を2〜3個決めるのが有効でした。2〜3カ月続けて、その指標にまったく変化がない場合は一度見直しを。原料や形状を変える、配合の異なる処方に切り替える、あるいは基盤の睡眠と食事に先に投資する判断も十分に合理的です。なお、GMPや第三者試験の開示が充実しているブランドは、品質面の信頼に値する一方で価格は高めになりがちです。品質の透明性に価値を置くか、コストの軽さを優先するかは、今の生活と相談して決めれば大丈夫です。

編集部が考える「失敗しない選び」の最短ルート

最後に、判断の段取りをひとつの流れとしてまとめます。最初の一歩は、動物由来であることを理解したうえで自分の価値観に合うかを確かめるプロセスです。抵抗がないと決められたら、原料の由来(ブタかウマか)、原産国、製造工場のGMP準拠、検査体制の開示を確認します。次に、1日あたりのエキス末の実量と濃縮倍率を見て、他の栄養成分との重複がないかを食事と照らし合わせます。形状は自分の生活動線に沿うものを選び、飲むタイミングを1カ所に固定。においの相性が気になる人は、まずは少量規格やサンプルで様子を見るのがおすすめです。そして、今日から2〜3カ月の観察期間を区切り、肌の手触りや昼のだるさなど“自分の物差し”を最初に言語化しておきます。ここまでできれば、もう十分に“自分で選べる”状態です。

それでも迷うときは、今の悩みを一番邪魔している要因から逆算しましょう。においへの敏感さがネックなら被膜がしっかりしたカプセル形状を、コストが気になるならタブレットや混合処方のコスパを優先する、胃へのやさしさを取りたいなら食後に分散して飲むなど、答えはあなたの生活の中に見つかります。大事なのは、プラセンタサプリメントは“合う・合わない”があるからこそ、比較可能な情報で選び、同じ条件で試し、冷静に見直すという3点を外さないこと。きれいごとではなく、現実の制約の中で続けられる方法が、いちばん結果に近い道です。

まとめ:今日の自分に寄り添う選択を

40代の毎日は、期待と不安が同居する“波”の連続です。プラセンタのサプリメントは、その波を少しだけ穏やかにするための選択肢のひとつ。原料と製法を確かめ、エキス末の実量で比較し、生活動線に合わせて同じ時間に続ける。たったこれだけの地味な積み重ねが、数週間後の小さな手応えにつながっていきます。もし今、迷いが残るなら、まずは手元の候補を1日あたりのコストに直し、においと飲みやすさの相性を確かめるところから始めてみませんか。完璧を目指す必要はありません。今の自分を少しラクにする、現実的で続けられる一歩を、今日のあなたのペースで。

参考文献

  1. 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 「更年期障害」(最終更新: 2025). https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
  2. Laosam P, et al. Porcine placenta hydrolysate as an alternate functional food ingredient: in vitro antioxidant and antibacterial assessments. PLOS ONE. 2021;16(6):e0258445. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0258445
  3. アジア健康科学研究 (AJHW). 「プラセンタエキスの経口摂取が更年期症状に及ぼす影響」Asian Journal of Health and Science. 2021;7(1):12. https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajhw/7/1/7_7.1.12/_article/-char/ja/
  4. 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会(JHNFA). 「プラセンタエキス規格基準」https://www.jhnfa.org/prase-1.html
  5. MD-PLACENTA. 「プラセンタ注射(ヒトプラセンタ)の医薬品としての取り扱いについて」https://www.md-placenta.jp/injection/
  6. 健康産業新聞(kenko-media.com). 「JHFAの『プラセンタエキス』規格基準と業界動向」https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/18405

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編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。