「完璧主義」が家計管理を挫折させる⁉︎ ムリなく貯められる仕組みづくりとは

夫婦共働きで、子どももいて、時間も気持ちにも余裕がない毎日。 いったいどうやって家計を管理すればいいの?と私も悩んでいました。 でもある日、考え方を少し変えたら、暮らしもお金もラクになりました。 それは、「完璧な管理」ではなく、「続けられる仕組み」にシフトしたことがきっかけです。 今回は、家計管理が苦手だった私でも実践できた「ムリなく貯められる家計管理のコツ」をご紹介します。

「完璧主義」が家計管理を挫折させる⁉︎ ムリなく貯められる仕組みづくりとは

「今月も、また貯金できなかった」

口座の残高を見て、ため息をついた夜。
自分ではきちんと節約しているつもりなのに、なぜかお金が残らない。
「今度こそは!」と息巻いてダウンロードした家計簿アプリも3日坊主で終わってしまう……。

開かれないアプリのアイコンを見るたびに罪悪感がよぎるなんてことも日常茶飯事。

夫婦共働きで、子どももいて、時間も気持ちにも余裕がない毎日。
いったいどうやって家計を管理すればいいの?と私も悩んでいました。

でもある日、考え方を少し変えたら、暮らしもお金もラクになりました。
それは、「完璧な管理」ではなく、「続けられる仕組み」にシフトしたことがきっかけです。

今回は、家計管理が苦手だった私でも実践できた「ムリなく貯められる家計管理のコツ」をご紹介します。

初心者の家計管理がうまくいかない理由とは?

「節約しているはずなのに、なぜかお金が残らない」そんな悩みを抱えていませんか。

家計簿を始めても続かず、支出の把握も曖昧なままになってしまっている人もいるのではないでしょうか。

実は、初心者の家計管理がうまくいかない背景には「仕組み化できていない」という共通の原因があると考えられています。

そこで今回は、家計管理に関して、多くの人がつまずきやすい3つのポイントから、その理由を解き明かしていきましょう。

「見える化」できていない

まず初心者の家計管理がうまくいかない大きな理由のひとつが、お金の流れを「見える化」できていないことが挙げられます。

例えば、毎月いくらの収入があり、固定費と変動費にどのくらい使っているかを把握していないと、「どこをどう改善すればいいのか」がわかりません。

そこで下記のような大きな支出項目をカテゴリ分けして記録するのがおすすめです。

  • 家賃
  • 通信費
  • 保険料
  • 食費など

家計簿アプリや手書き家計簿でも、自分に合った方法を選ぶことが継続のコツです。

特に、家計簿アプリなら使い心地を試してみたり、手書き家計簿ならお気に入りのデザインを選んでみたり、使うのが楽しくなるようなポイントがあると良いですよ。

「節約」しているのにお金が残らない

日々節約を意識しているにも関わらず、なぜかお金が貯まらないケースもよく耳にします。「コンビニを我慢しているのに」「外食を控えているのに」といった疑問からも問題点を洗ってみましょう。

これは、支出全体のバランスが整っていないことが原因として考えられます。
特に家計の中でも大きな割合を占める**「固定費」や「サブスク課金**」は、見直すことで効果的に支出を減らすことが可能です。

また、収入と支出のタイミングを一覧で把握するキャッシュフロー表(※)を作るのもおすすめです。

キャッシュフロー表とは、家族の将来のライフイベントを表にし、現在の収支状況に基づいて、将来の収支状況と貯蓄残高の予想をまとめた表のことを指します。この表を作成することで、「いつ」「どこに」「いくら」支払っているのかが視覚的に理解しやすくなります。

自分の無駄遣いだけを責めるのではなく、家計の構造を整える視点が大切です。

「完璧主義」が家計管理を挫折させる

初心者の家計管理では、「毎日欠かさず家計簿の記録をしなきゃ」といった完璧主義が挫折を招くことも多い様子。

特に、仕事や育児などで忙しい日々の中で細かすぎる管理を目指すと、「続けること自体」が苦痛になってしまうリスクがあります。

初心者の家計管理を続けるためには、完璧に記録することよりも、長く続けられることが大切です。家計簿をつけ始めたタイミングならば、「今月は外食にお金をかけすぎてしまって、赤字だったな」など、行動に対する気づきを得られるだけで大きな一歩だと捉えるのも良いでしょう。

完璧に家計簿をつけることを目標とせず、自分のペースで長く続けられる「習慣」をつけていくことが重要です。

家計管理の方法は?今日から始められる仕組みづくり

それでは家計管理の方法をご紹介しましょう。筆者が実際に取り入れている仕組みづくりのポイントもあわせてお伝えしますね。

「食費・美容代・サブスク」から見直してみる

まず節約の第一歩は、毎月ほぼ発生している費用から見直してみるのが良いとされています。

とはいえ、家賃や通信費、保険料などの固定費を改めるのはハードルが高く感じてしまうもの。

そこで、家計管理初心者は下記のポイントを見直すことで、長期的な節約につながる効果が期待できます。

  • 食費
  • 美容代
  • サブスクなど

【食費】

このうち、食費は「固定費」とは言いにくいですが、毎月ほぼ同じペースでかかっている支出という意味で「準固定費」と捉えれば、見直し対象になります。

筆者は食費を抑えるために、宅配サービスを利用することにしました。宅配サービスの場合、必要な食材を吟味しやすく、また予算に合わせた買い物がしやすいためです。

スーパーへ行くと、つい他のものまで購入してしまい、予算を超過することが多かったことから切り替えることで、食費の削減が実現しました。

【美容代】

次に美容代は、節約しやすい費用である一方、ストレス解消法の一つになっていることもあるため、予算の削り過ぎには注意が必要です。

いきなり完全に美容代をゼロにするのではなく、満足度を得ながらも節約できるように考えることがポイントになります。

例えば、毎月していたネイルはデザインを少しシンプルなものに変更することで節約できる場合があるでしょう。他にも、美容院に行く頻度を減らしてみるのも方法のひとつです。

【サブスク】

最後に見直しやすいのがサブスクリプション(月額課金の定額サービス)です。なんとなく契約したまま放置しており、毎月引き落とされていた……。という経験がある人も多いのではないでしょうか。

筆者も「初月無料」の言葉に踊らされ、サブスクを使わずに放置したままになっていたという経験があります。

月額費が少額でも、1年間となると出費が嵩むものです。今一度、本当に必要なサブスクなのか、棚卸ししてみると良いでしょう。

家計管理には「先取り貯金」が効果的

筆者も貯金のために、さまざまな手法を試してきました。特に貯蓄テクニックとして有名な「つもり貯金」も検討しました。

これは、カフェで我慢した500円をそのまま貯金箱へ……といった内容です。しかし、電子マネーを使うことが増えたため、現金を貯金する習慣がつけられず断念した経験があります。

筆者の経験上、ライフスタイルに最もマッチした方法は、「先取り貯金」でした。給与が入ったらすぐに貯金分を別口座に移すことで、残ったお金でやりくりする「使いすぎ防止」の仕組みができるものです。

「気がついたら使っていた」を防ぐには、意志より「仕組み」で管理するのが成功しやすいと感じました。

夫婦や家族と目標を決めてチーム戦に!

「家族みんなで海外旅行に行く」
「お金を貯めて資格の勉強をする」
「結婚記念日に素敵なレストランで食事がしたい」
「自分へのご褒美に憧れのブランドバッグを買う」

貯金のモチベーションを維持するためには、ワクワクするような目標設定がカギとなりますよね。目標を決められたら、それを自分だけでなく夫婦で共有したり、家族みんなで共有しましょう。

例えば、月1回の家族会議の時間を設けて、そこでお金のことについて話し合うのも効果的。

自分一人だけではなかなか家計管理が続かない場合、夫婦や家族みんなで一丸となって取り組むことでモチベーションの維持にもつながるはずです。

自分に合った家計管理を長く続けることが大事

一言で「家計管理」といっても、その方法は人によって様々。

大切なのは、「自分に合ったスタイル」で、無理なく・長く続けられることです。

特に家計管理は結婚や引っ越しなどの大きな出費が予想されているタイミングや、子どもの教育費がかかるタイミングなど、ライフイベントの影響も受けやすいもの。

完璧」を目指すよりも、今の自分の暮らしに合った方法を試行錯誤しながら見つけていく姿勢が成功への第一歩でしょう。

まずは支出の見える化を行い、その上で、どこから見直せるか検討していきましょう。そして、先取り貯金のシステムを組んで、環境からお金が貯まる仕組みを整えることが大事です。

そして仕事に子育てにプライベート。忙しない日々の中でも、お金のことを考えている自分を褒めることも忘れずに。家族の未来の安心のために、今日から楽しく家計と向き合ってみてくださいね。

※参考
日本FP協会

著者プロフィール

前濱瞳

前濱瞳

美容系メディアの元編集長。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を活かしてマネーコラムにも携わってきた。現在は社会人経験を経てから国家資格の取得を目指し、医療系学生へ転身。年子の子どもを育てるママとしても奮闘中。