顔映りが劇的に変わる!30代40代が「似合わない色」を味方にする3つの法則

「似合わない」は環境次第。明度・彩度・清濁と顔まわりの配置で苦手色を味方にする3ステップを実例つきで解説。買い物やメイクの具体的なコツも掲載。

顔映りが劇的に変わる!30代40代が「似合わない色」を味方にする3つの法則

苦手に見える理由は“色”よりも“条件”にある

「この色は私に似合わない」と感じた日のことを、少しだけ思い出してみてください。たとえば店で袖を通した鮮やかなグリーン。鏡の前では顔色が沈んで見えたのに、外に出ると少し良く見える。ここで働いているのは、色そのものよりも**明度(明るさ)・彩度(鮮やかさ)・清濁(クリアかグレイッシュか)**という3要素と、照明・背景・肌とのコントラストです。室内の電球色では黄みが強く見え、昼の自然光では青みが際立つ[5]。つまり「似合わない」は固定ではなく、環境で結果が揺れるのです[4]。

顔に近い位置ほど影響が大きいことも無視できません。Tシャツやストールのように首元に色が集まると、肌の赤み・くすみ・クマといった要素が相対的に強調されがちです。逆に、同じ色でもボトムや靴に配置すると、印象のダメージは大きく和らぎます。編集部スタッフAは「黄色のニットは顔がくすむ」と避けていましたが、同じ黄色でも**スカートに移した途端に“華やか”**へ転じました。明度を一段落とし、素材をマットから微光沢へ変え、さらに顔まわりを白で抜いたことが効いたのです。顔周りの色が肌の見え方(血色や黄ぐすみなど)に与える影響は、服の色と肌トーンの相互作用に関する研究でも報告されています[3]。

パーソナルカラー(いわゆるイエベ・ブルベ)は羅針盤として便利ですが、結論ではありません。艶のある黒は強く、コットンの黒は優しい。くすみピンクが難しいなら、同じ色相で明度を上げたペールピンクや、ベージュ寄りのダスティローズに触れてみる。条件が違えば、色は態度を変えます。ですから「苦手色」は封印ではなく、条件設定の課題と捉えるのが賢明です。

面積と距離を設計する:60:30:10で“味方化”

配色の不安を静める最短ルートは、比率を決めること。ベースを60%のニュートラル(白・黒・グレー・ベージュ・ネイビーなど)、次に30%を同系か馴染む色で繋ぎ、残る10%に苦手色を配置します[1]。ここで大切なのは顔から遠ざける・面積を絞る・硬さを和らげるという三つの視点です。まずは靴やバッグ、ベルトやブレスレットのような小物から。距離が離れるだけで肌とのコントラストが薄まり、色だけが悪目立ちしなくなります[3]。

慣れてきたら、柄や配色の中に忍ばせるのも有効です。全面イエローのトップスは勇気が要りますが、ストライプの1本がイエロー、チェックのラインにボルドーが入る程度なら、視線は全体へ分散されます。さらに効果的なのがレイヤリングです。たとえば苦手なライムグリーンのブラウスを白のジャケットで囲い、胸元に白を続けて**肌と色の間に“白い橋”**を架ける。こうして境界線を作ると、色の主張が心地よいところまで下がります。ニュートラルの選び方に迷ったら、手持ちの軸色を見直しましょう。ネイビーが多いワードローブなら、白・シルバー・アイスグレーが橋渡し役に。黒が多いなら、チャコールやエクリュで“硬さの緩衝材”を作るのがおすすめです。軸色づくりのヒントはベーシックカラーの選び方も参考にしてください。

メイクとの連動も小さくない支えになります。鮮やかな赤が強いと感じる日は、唇と頬にほんのり赤みを足し、耳元にゴールドを置く。顔の中の“色の量”を少しだけ増やすと、服の赤が浮かなくなります。逆にクールなブルーを取り入れるなら、頬は引き算し、ハイライトで艶を作ると全体が澄んで見えます。パーソナルカラーの基礎知識に迷ったらパーソナルカラー入門をどうぞ。

色別・苦手をほどく実例シナリオ

赤が強すぎると感じるとき

赤は明度と彩度の調整で一気に馴染みます。青みに寄せたカーマインはクールに、黄みに寄せたトマトレッドはヘルシーに。まずはボトムやシューズで10%に留めるのが現実的です。ネイビーのワンピースに赤のフラットシューズ、耳に小さな赤のピアス。これだけで顔色がふっと明るくなり、主張は必要十分。もう一歩進めるなら、白シャツの下に赤いリブタンクを重ね、ちらりと見える程度に。赤が“アクセントの脈”として全体に血色感を運びます。

黄色で顔がくすむと感じるとき

黄色は肌の黄みと同調しやすいので、顔まわりに置くなら明度を上げてバター色に寄せるか、反対にマスタードのように深みを出してコントラストで乗り切る手も。最初はボトムへ逃がす戦略が安心です。グレーのニットにマスタードのスカート、足元は白のスニーカー。さらに白のバッグで“抜け”を足すと、黄色の温度が適温に落ち着きます。春夏に明るい黄色を試したい日は、白T+デニムにレモン色のカーディガンを肩掛けにして“距離と面積”を同時にコントロールしてみてください。

パステルが甘くなりすぎるとき

パステルは清さ(清濁)がカギ。小物でメタルを混ぜる、足元をコンバットブーツで外す、もしくはグレーで影を作ると甘さが大人に転びます。編集部の定番は、ラベンダーのニットにチャコールのスラックス、シルバーのイヤーカフ。ここでも60:30:10を意識し、ラベンダーを**30%**に抑えると、甘いはずの色が凛と見えます。秋冬ならレザージャケットの硬さを借り、春ならシャツの端正さを借りる。借景の力を味方につけましょう。

白が膨張して見えるとき

「白は膨張する」という先入観は半分正解ですが、質感が解を変えます。ローンやシフォンの白は光を含んで柔らかく、ヘビーコットンの白は輪郭をくっきり見せる。全身白で不安なら、素材ミックスと陰影を足すのが近道です。リネンの白シャツに同トーンのワイドパンツ、その上にベージュのガウンを薄く羽織る。縦の線と陰影が生まれ、白の“のっぺり”が消えます。足元はベージュのサンダルで肌と馴染ませると、白の透明感だけが残ります。靴とバッグの合わせ方は小物の色合わせルールも役立ちます。

明日からの買い物とワードローブ運用

店頭やECで「いける・いけない」を見極める小さな習慣を用意しておくと、色の失敗はぐっと減ります。自然光の近くで鏡を見る、顔から30cm離して色を当ててみる、鏡から1m離れて全身の調和を見る。この三つだけで判断の精度は上がります。さらにスマホのモノクロ撮影で試着写真を見返すと、色の明度差がはっきりと可視化され、何が“浮き”の原因かが読み取れるようになります。迷ったら手持ちの3着(軸のジャケット・信頼しているボトム・いつもの靴)と合わせられるかを基準にする。ワードローブ全体でのコーディネート成立が最優先だからです。クローゼット見直しの流れはクローゼット編集術もチェックしてみてください。

色を「ルール」で固め過ぎると息苦しくなります。そこでおすすめしたいのが、失敗の少ない**“平日ユニフォーム”**の設定です。たとえば「ネイビーのセットアップ+白T+スニーカー」を平日の土台にし、気分で差し色のスカーフだけを入れ替える。土台が安定していれば、苦手色の実験も10%の枠内で思い切れます。調子が出ない日は土台に戻ればいい。ルールは自分を縛るものではなく、迷った時に帰れるホームだと捉えてみてください。意思決定の疲れ(ディシジョン・ファティーグ)を軽減する「同じ服を着る」発想は心理学の解説でも紹介されています[6]。

まとめ:色は“関係性”でやさしくなる

苦手な色は、あなたを試す敵ではありません。面積と距離、質感と明度、そして60:30:10の比率を味方にすれば、色は思った以上に従順です。今日は小物で10%だけ、来週は柄で少量、次の季節にはレイヤーで顔から遠ざけて。そんなふうに段階を刻めば、クローゼットは少しずつ自由になります。次にショップで心が動いた色に出会ったら、鏡から一歩だけ下がって、自分に問いかけてみてください。「この色の条件を変えたら、どう見えるだろう?」きっと答えは、一段軽やかなコーディネートとして返ってきます。

参考文献

  1. NCDC. 基本的な配色パターン「60:30:10」のルール. https://ncdc.co.jp/columns/8819/#:~:text=%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E9%85%8D%E8%89%B2%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%20%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E9%85%8D%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%88%E3%81%8F%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%8C60
  2. SAGE Journals. Speed and accuracy of first impressions(記事ページ). https://journals.sagepub.com/stoken/rbtfl/sPYr85vbnDfwQ/full#:~:text=Our%20findings%20suggest%20that%20as,In%20fact%2C%20additional
  3. ResearchGate. The impact of clothing colour on skin tone perception and consumer preference. https://www.researchgate.net/publication/392219380_The_impact_of_clothing_colour_on_skin_tone_perception_and_consumer_preference#:~:text=clothing%20colour%20preference%20for%20young,perception%20but%20differences%20in%20clothing
  4. NIH PubMed Central. Perception under varying illumination/context(照明や文脈での知覚変動に関する研究). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7728794/#:~:text=We%20examined%20whether%20the%20perception,For
  5. NASA Science. The Solar Spectrum(可視光の波長と分光特性). https://science.nasa.gov/resource/the-solar-spectrum/#:~:text=McMath,from%204000%20to%207000%20angstroms
  6. PsychCentral. Decision fatigue: Does it help to wear the same clothes every day? https://psychcentral.com/blog/decision-fatigue-does-it-help-to-wear-the-same-clothes-every-day#:~:text=Decision%20fatigue%20%E2%80%94%20more%20accurately,and%20quickly%20than%20ordinary%20people

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編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。