30代・40代で服選びに失敗しない!たった8箇所測るだけの簡単サイズ術

実寸を知ればサイズ失敗は防げる。柔らかいメジャーでバスト・ウエスト・ヒップ・裄丈など8部位を簡単に測る手順と、ブランド表記・アイテム別の選び方を分かりやすく解説。通販や試着の判断が自信に変わる実践ガイド。

30代・40代で服選びに失敗しない!たった8箇所測るだけの簡単サイズ術

実寸を知ることが、すべての出発点

サイズ選びの基本は、ブランドのS/M/Lではなく、自分の「実寸」を基準にすることです。実寸とは、衣服を着ていない状態の身体サイズのこと。ここが曖昧なままでは、どれだけ丁寧に試着しても判断が感覚頼みになります。道具は柔らかいメジャーだけ。鏡の前で、薄手のインナーかブラキャミ程度で測ると誤差が出にくくなります。

測る部位とコツを、日常語で覚える

バストは床と平行にメジャーを回し、肩甲骨のふくらみをまたいで最も高い位置を通すと安定します。ウエストは体をひねったり前屈したときに折れ曲がる「自然ウエスト」を探し、息を静かに吐いたときの寸法を記録します。ヒップはお尻の一番高い位置を通る円周で、太ももの付け根側に流れないよう鏡で水平を確認します。肩幅は片側の肩先の骨の出っ張りから反対側までを一直線で測り、裄丈は首の付け根の背骨から肩先、さらに手首のくるぶしまでをなぞると、ジャケットやシャツの袖が狙い通りに決まりやすくなります。パンツはウエストに加えて股下と股上が肝心で、股下は股の付け根から床までを、股上は前中心でウエストから股の付け根までを測るとシルエットの予測が立ちます。足は夕方の方がむくみやすく実寸が増えるため、計測は午後に同じ靴下で行い、長さだけでなく足幅の最も広い部分の周径も記録しておくと靴選びの失敗が減ります。どの部位も、メジャーを食い込ませず、かといって浮かせすぎないことが正確さのコツです。

体は変わる。数字は“更新”する

35-45歳は、運動習慣やホルモンバランス、生活リズムの変化で筋肉と脂肪のつき方が少しずつ変わります[3,4]。だからこそ、実寸は一度測って終わりではありません。季節の変わり目やワードローブを更新する前に、主要部位だけでも短時間で測り直すと、選択ミスが目に見えて減ります。編集部では季節ごとに計測し直したところ、ウエストで1-2cm、バストで2cm程度の変動が起きることは珍しくありませんでした。こうした体組成や体重の変化は人口統計でも年齢とともに一定の傾向が観察されます[5]。数字が変わることは悪いことではなく、今の自分に合う服を選ぶための大切なヒントです。

サイズ表記を“翻訳”する技術を身につける

次の基本は、商品ページやタグに並ぶ情報を読み解く力です。多くのブランドは「ヌード寸」と「仕上がり寸(実寸)」を混在して表記しています。ヌード寸は着る人の体の目安、仕上がり寸は服そのもののサイズ。ここを取り違えると、想像以上に大きかった、小さかったという齟齬が生まれます。

ヌード寸・仕上がり寸・ゆとり量の関係

服は体に対してどれだけ「ゆとり(イーズ)」を持たせるかで着心地と見え方が変わります。たとえばバストヌード寸90cmの人がジャケットを選ぶなら、仕上がり寸はプラス6〜10cm程度が目安。6cmならシャープ、10cmなら中に薄手ニットも想定できる余裕感です。シャツは素材が薄く身体に沿うのでプラス8〜12cm、ボトムスは生地やシルエット、股上で最適値が変わります。ストレッチの強い素材はゆとりが少なくても動けますが、線が体に出やすい点に留意します。逆にハリのあるウールやツイルはゆとりが見え方の美しさにつながるため、数字上は大きめでも、着ると凛と整うことが多いのです。

表記の違いとブランド差を味方にする

日本産業規格(JIS)にはサイズの目安が存在しますが、実際の服作りではブランドの世界観や想定する体型によって「解釈の幅」が生まれます。海外ブランドは同じMでも丈が長かったり、肩や腕周りが細身だったりと、体型設計が異なることが珍しくありません。加えて、同ブランド内でもシーズンやラインで設計が変わることがあります。だからこそ、表記のアルファベットや号数だけで判断せず、仕上がり寸と素材、シルエット説明(フィット、リラックス、オーバーなど)を組み合わせて読むことが肝要です。レビューの「薄手」「厚手」「伸びる」「透ける」といった語も、ゆとり量の判断材料として活用できます。

アイテム別・今日から効くサイズ戦略

ここからは、代表的なアイテムで「どこを見ると失敗しにくいか」を具体的に整理します。編集部が試着検証を重ねて実感したのは、数値の優先順位を決めておくと迷いが減るということ。目的のシルエットを先に決め、譲れない寸法を一つだけ最重視すると、選択が明確になります。

ジャケットとシャツは、肩で決めてバストで微調整

構造がしっかりしたテーラードは、肩線が体の骨格に合うかが最優先です。肩が内側に入ると腕が動かしにくく、外に落ちると全体が野暮ったく見えます。肩が合えば、前身頃はボタンを閉めた時に余裕の皺が斜めに入りすぎないか、背中の肩甲骨が突っ張らないかで判断します。編集部で同モデルのバスト仕上がり94/98/102cmを比較したところ、94はシャープだが厚手インナーが難しく、98はオンでもオフでも万能、102はリラックス感が出て今季的なバランスに。狙う印象が端的に決まるのがジャケットの面白さです。シャツは肩と袖の運動量が快適さを左右します。袖を前に回したとき背中が突っ張らないか、第一ボタンを開けた状態で胸元が無理なく落ちるかを鏡で確認し、裾は腰骨の上で自然に止まる長さだとタックインもアウトも扱いやすくなります。

ボトムス(デニム・スカート)は、ウエストと股上でシルエットを作る

デニムはウエスト実寸が同じでも、股上の深さで見え方と快適さが大きく変わります。ハイライズはお腹を包み込む安心感があり、トップスをインしたとき脚が長く見えます。一方、ミッドからローは腰骨に軽く引っかかるフィットで、ウエストサイズが少し大きめでもヒップと太ももで止まればバランスが整います。ストレッチ混はヒップで合わせ、コットン100%の硬めデニムは太ももで合わせるとラインが出すぎません。スカートはウエストに加え、腰の張りの位置が重要です。台形やフレアは骨盤の外側に生地が乗るため、腰回りに1.5〜2.5cm程度の余裕を感じるサイズが揺れ感をきれいに見せます。タイトスカートは後ろスリットの開きで歩幅が決まるので、ヒップ実寸に対し2〜4cmのゆとりを目安にすると日常の動作が快適です。

ニットとカットソーは、素材の落ち感を先に読む

編み地は伸びる方向と戻りの強さがアイテムの寿命と見え方を左右します。薄手で落ち感のあるニットは胸元や肩に沿いやすく、サイズアップすると大人の抜けが出ますが、アームホールが大きくなりすぎるとインナーが見えやすくなります。ハイゲージは仕上がり寸が小さくても着用時に伸びるため、狙うシルエットに合わせて半サイズ下げる選択も有効です。カットソーは襟ぐりの開きと袖の長さで印象が決まり、肩幅が合っていれば身幅は多少の遊びがあっても“こなれ感”に転じます。洗濯での縮みが想定される綿100%は、着丈に少し余裕を持たせると安心です。

シューズは「長さ×幅×時間帯」で考える

足は一日の中でむくみます。夕方に試し、左右差がある場合は大きい足に合わせるのが基本です。パンプスはかかとが脱げず、親指の付け根が痛くならない位置にトップラインが収まるかを確認します。スニーカーはメーカーごとに木型が異なるため、普段の数値に固執せず、足幅表記(D/E/EEなど)とインソールの形状で判断します。ブーツは甲のフィットと筒周りのバランスで快適さが決まり、筒はふくらはぎ実寸に1.5〜2cmの余裕があると冬素材のボトムも収まりやすくなります。インソールや靴下で微調整する余地を残す発想は、アウターのレイヤードと同じです。

オンラインで失敗しないための読み方と試し方

画面越しの買い物では、情報の取り方が結果を大きく左右します。まずは商品ページの「モデル身長と着用サイズ」を、自分の実寸と見比べながら写真全体のバランスで解釈します。身長が近いのに裾が短く見えるなら股上が浅い、逆に裾が長いなら股上が深いか着丈が長い可能性がある、といった推理ができます。次に、サイズ表が仕上がり寸なのかヌード寸なのかを必ず確認し、生地の混率と厚みの説明を照らし合わせます。レビュー欄の言葉は主観的ですが、複数人が同じ指摘をしている点は信号として受け取る価値があります。届いたら、タグは外さずに日常の動作をいくつか行い、鏡の前だけでなく座ったとき、腕を前に伸ばしたとき、階段を上がったときの感触を確かめます。室内の自然光で横からのシルエットも見て、前後に引っ張られていないか、意図しない皺が溜まっていないかを観察します。迷ったら時間をおいて再度着てみると、初見の印象に引っ張られすぎず冷静に判断できます。返品ポリシーの期限と条件は購入前に把握しておくと、サイズ違いに気づいたときの行動がスムーズです。

「似合う」を更新し続ける、サイズの考え方

サイズ選びは、一度答えを出して終わりの科目ではありません。体も服のトレンドも、生活のリズムも変わり続けます。だからこそ、数字と感覚の両輪でアップデートを重ねる姿勢が、最終的にワードローブの満足度を上げます。たとえば今季、同じジャケットでも通勤日は肩でジャスト、休日は身幅に余裕を持たせたモデル、と使い分けると、手持ちのボトムや靴のバリエーションが生きます。編集部の実感として、フィットの基準を自分の言葉で言い表せる人ほど、買い物の失敗が少ない。バストはプラス8cmの安心感が好き、デニムは太ももにしっかり余裕が欲しい、ニットは肩は合って身幅は遊ばせたい、といった短いフレーズで十分です。言語化できると比較が一気に楽になります。

今日からできるシンプルな習慣

クローゼットの「よく着る服」と「出番が少ない服」を各一枚選び、タグや商品ページに残る寸法と自分の実寸をノートやスマホに並べて書き出してみてください。好きな理由、出番が少ない理由は、ほぼ寸法と素材に還元できます。この小さな見直しが、自分だけのサイズ基準を確かなものにします。

まとめ:サイズは“縛り”ではなく、自由になるための言語

数字に向き合うと窮屈に感じることがあります。でも、サイズの基本を押さえることは、むしろ自由度を高める行為です。実寸を知り、表記を翻訳し、アイテムごとの狙いを決める。たったこれだけで、鏡の前の迷いは減り、オンラインのリスクも小さくなります。今の自分に合う一枚が見つかると、朝の数分が軽やかになります。あなたが最近「なんとなく避けていた」アイテムは何でしょう。実寸を更新し、ゆとり量の目安を一つ決め、商品ページを丁寧に読み解くところから、もう一度試してみませんか。サイズはあなたを縛るルールではなく、装いを味方にするための言語です。次の買い物で、その言語を一言、口にしてみてください。選択が少しだけ誇らしく、そして確かになるはずです。

参考文献

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。