昨年、子宮筋腫の摘出手術(子宮筋腫核出術)を受けました。
子宮は温存中。元々、直径3cmの筋腫が3つあることは知っていましたが、仕事・育児・介護に奮闘していたところ1つが直径6cmを超えてしまい手術に至りました。今回はライター瀬木けいなが、実体験をもとに婦人科受診の大切さについて語ります。
※本記事は私の受けた健康診断や自治体の検診についてであり、地域によって検査内容等が異なる場合があります。
※子宮筋腫は発症部位によって症状が異なり、経過には個人差があります。気になる場合は必ず医療機関へご相談ください。
子宮筋腫が見つかった日
私は毎年、加入している健保の健康診断で子宮頸がん検査を受けていました。乳がんのマンモグラフィー検査と共にオプションで追加する形です。
健康診断で検査しているなら、自治体から届く子宮がん検診クーポンは不要だろうと考え、無視していました。
「子宮頚がん検査を毎年受けているから、子宮は問題ない。」
そう考えていたのです。
そんなある時、頭痛やイライラなどPMS(月経前症候群)の相談をするため近所の婦人科を受診しました。
念の為、健康診断で受けた子宮頚がん検査の結果も持参。
すると先生が検査結果を確認し、私にこう言いました。
「健康診断ではエコーをやってないのね。子宮の状態も診ておきましょう。」
先生の指摘で、私の受けている健康診断の子宮頚がん検査には経膣エコー(経膣超音波検査)が含まれていないことを初めて知ったのです。
子宮内部の様子がモニターに白黒で映し出される、あの検査です。
先生はエコーの画像を見ながら
「子宮筋腫が3つありますね。直径3cmくらいのが3つ。ご存知でしたか。」と私に尋ねました。
思わず「えっ?」と声が出てしまうほどショックでした。
数年前まで全くなかったはずが、3つもできているなんて。
「今のところは問題ないので、筋腫が大きくならないか経過観察していきましょう。」
こうして年1回の婦人科受診を勧められたのでした。
子宮筋腫とは
ゆらぎ世代の方なら一度は「子宮筋腫」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
私自身、友人達から「子宮筋腫の手術をした」「私も筋腫がある」という話を聞くことが増えました。
そもそも子宮筋腫とは一体どのような疾患なのでしょうか。
子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍です。悪性ではない、つまりがんではありません。また、30歳以上の女性の約3割に子宮筋腫があると言われています。
子宮筋腫は女性ホルモンのエストロゲンの影響で大きくなることが分かっており、閉経すれば自然と小さくなります。
子宮筋腫は大きさや個数、できる場所によって様々な症状を引き起こします。
主な症状は、月経の出血量が異常に多い過多月経と、それに伴う貧血、月経痛です。他にも月経以外の出血や、腰痛、頻尿、不妊症などの症状が出ると言われています。
良性の腫瘍をなぜ手術するの?と思うかもしれません。
それは、子宮筋腫のできた場所によっては不妊の原因となったり、症状が強く出て日常生活に支障をきたすことがあるためです。
治療や手術の必要性は、主治医の判断を仰ぎましょう
体調の異変、手術へ
子宮筋腫の存在を知ってから2年経った春。私は体調の異変によって生活に支障が出始めていました。
以前に比べ疲れやすいこと。
生理の経血量が多過ぎてナプキンでは対処できず、仕事に夜用のショーツタイプナプキンを履いて行かねばならないこと。
頻尿、そして尿が溜まると下腹部に強い痛みが出ること。
打ち合わせ中は経血が漏れるのではないかと不安になり、飲み物を控えてもすぐトイレに行きたくなる。
次第に生理中は仕事を休みたい、外出を避けたいと思うまでになっていきました。
実はこの2年間、仕事と育児、介護に奔走していた私は、婦人科を受診していませんでした。
ふと嫌な予感がしてスマホで子宮筋腫の症状を検索すると、「過多月経」や「頻尿」という文字が目に止まりました。
「どうしよう、当てはまってるかも。」
私は仕事帰りに急いで婦人科へ向かい、様々な症状で困っていることを先生に相談しました。
「うーん、筋腫あるものね。とりあえず診てみましょう。」
穏やかな先生の口調で落着きを取り戻したのも束の間、苦手な内診台に座ると私の不安と緊張はピークに。
先生はエコーで子宮の状態を確認し始めた途端、
「子宮筋腫が直径6cmを超えちゃってる。不妊の原因にもなる位置だし、年内に手術で取り除きましょう。他2つは3cmと4cmくらいかな。」
と、モニターで筋腫の大きさと場所の説明をしてくれました。
説明を聞きながら、どんなに忙しくても婦人科は年に1回受診しておくべきだったと激しく後悔しました。
「手術できる病院のパンフレットをお渡しするから、ご家族と相談してどの病院にするか明日には決めてきてください。決まったら紹介状をお出ししますね。」
受付でパンフレットを受け取った私は、不安な気持ちを堪えながら帰路を急ぎました。
子宮頸がん検査さえ受けていればよいのか
子宮筋腫が見つかるまで、「子宮頸がんの検査さえ受けていれば大丈夫。」と思い込んでいた私。
しかし子宮筋腫の手術を経て、経膣エコーでなければ発見できない疾患があること、健康診断や自治体によって検査内容が異なることを知りました。
具体的に内容を比較してみましょう。
A:私の加入している健康保険組合の健康診断
オプションで子宮頸がん検査あり、子宮頸部の細胞診のみ。内診・経膣エコー検査なし。
B:私の住む自治体の子宮がん検診
問診、視診、内診、子宮頸部の細胞診。希望者は経膣エコー検査も可能。症状がある場合、子宮体がん検診(子宮体部の細胞診)も同日に実施。
C:別の自治体の子宮頸がん検診
子宮頸部の細胞診のみ、子宮体部の検診は実施しない。
これだけでも、かなり内容に差があることがわかります。
経膣エコーの重要性
子宮筋腫の摘出手術を受け、経膣エコーの重要性を痛感しました。
経膣エコーとは、膣内にプロープと呼ばれる超音波を発する器具を挿入することで、子宮や卵巣などの状態を細かく観察することのできる女性にとって非常に重要な婦人科検査です。
小さな病変も鮮明に映し出せるため、自覚症状のない病気の早期発見に役立ちます。
経膣エコーでは、子宮・卵巣の状態チェックはもちろん、あらゆる婦人科疾患を見つけることができます。
例えば子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵巣がん、子宮内膜ポリープ、子宮体がんなど、子宮頚がん検査の細胞診だけでは発見できない病気において欠かせない検査なのです。
残念ながら、経膣エコーは全ての健康診断・自治体検診に含まれている訳ではありません。
婦人科を受診すること自体にハードルを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、「何だか体調がおかしい」という小さな違和感こそ大切にしてほしいと切実に感じています。
まとめ:定期的な婦人科受診で経膣エコーを
子宮筋腫の手術が決定してから、定期的に婦人科を受診していなかったこと、特に経膣エコーをしていなかったことをとても後悔しました。
もっと早く婦人科にかかっていれば、もう少し自分の体を労わる生活を送れたのではないか、そう感じてしまいます。
多忙な30代以上の女性は自覚症状の有無に関わらず、年に一度は婦人科で子宮と卵巣の状態を確認することをおすすめします。
定期的なチェックで安心感が得られれば、それだけで心にゆとりが生まれるはず。
ご自身のために経膣エコー検査、受けてみませんか?
参考文献
※公益社団法人日本産婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/5711/
※みなと横浜ウィメンズクリニック