大人の習い事10選。新しい自分との出会い

「何か新しいことを始めたい」そんな気持ちに応える、カルチャースクール講師の石井純子が、30代後半から始めやすい習い事をご紹介します。

大人の習い事10選。新しい自分との出会い

心と体を癒す大人の習い事10選

【ライター:石井 純子(カルチャースクール講師)】

「何か新しいこと、始めたいな...」

ふとそう思ったのは、45歳の誕生日の朝でした。

子育てが一段落して、時間に少し余裕ができた。でも「私、最近何も成長してない気がする」って、なんだかモヤモヤした気持ちがあったんです。

友達にそんな話をしたら「習い事でも始めてみたら?」って言われて。でも「今さら習い事なんて...」「若い人ばっかりだったらどうしよう」「続けられるかな」って、不安ばかりが先に立って。

でも、思い切って陶芸教室の門を叩いてみたんです。そこで出会ったのは、私と同世代の、同じような気持ちを抱えた女性たち。みんな「新しいことにチャレンジしたい」「自分だけの時間を持ちたい」と思ってやってきていました。

今、カルチャースクールの講師として年間2,400名の大人の生徒さんを見ていますが、40〜50代の女性の参加がここ5年で本当に増えています。そして、皆さん生き生きと学んでいらっしゃる。

「大人になってから始める習い事」って、思っている以上に楽しくて、意味のあることなんです。今日は、実際に多くの大人の生徒さんたちと接してきた経験から、本当におすすめの習い事をご紹介しますね。

体を動かす習い事で、心も軽やか

ヨガ・ピラティス

私も最初にチャレンジしたのがヨガでした。「体がカチカチで恥ずかしい」と思ってたんですが、先生が「最初はみんなそうですよ〜」って優しくて。

3ヶ月続けてみると、肩こりが楽になったし、夜ぐっすり眠れるようになった。何より「自分の体と向き合う時間」が持てるのがいいんです。月8,000円くらいで始められるし、続けてる生徒さんは85%以上が1年以上継続されてます。

フラダンス・社交ダンス

60代の生徒さんが「フラダンスを始めてから、孫に『おばあちゃんキレイになった』って言われるの」って嬉しそうに話してくれました。ダンスって、運動効果はもちろん、音楽に合わせて体を動かす楽しさがある。それに、みんなで一緒に踊るから、自然と仲間ができるんです。

作る楽しさを味わう習い事

フラワーアレンジメント・陶芸

これは私が一番ハマった分野!陶芸教室で初めて湯呑みを作った時の感動は忘れられません。「これ、私が作ったの?」って、自分でも信じられなくて。

作品を作ってる間って、本当に無心になれるんです。仕事のことも家事のことも忘れて、ただ粘土と向き合う時間。「フロー状態」っていうらしいですが、とにかく心が落ち着きます。月1万円〜1万5千円くらいは材料費でかかりますが、家で使える作品ができるから無駄じゃないです。

写真・書道

スマホでパチパチ写真は撮ってたけど、本格的なカメラを習い始めたら世界が変わりました。散歩してても「あ、この光きれい」「この角度からだと面白い」って、今まで見過ごしてた美しさに気づけるように。

書道は「字が下手だから恥ずかしい」と思ってたけど、先生が「上手い下手じゃない、心を込めることが大事」って。筆を持って墨の香りを感じながら文字を書いてると、なんだか心が洗われる感じがします。

実用的なスキルも身につけられる習い事

英会話

「今さら英語なんて...」と思ってたけど、友人に勧められて始めてみました。最初は「This is a pen.」レベルでしたが(笑)、1年続けた今では簡単な日常会話はできるように。

外国人観光客に道を聞かれた時、英語で答えられた時は本当に嬉しかった!月1万円の投資で新しい世界が広がるって思うと、安いものです。

アロマテラピー・ハーブ

これは本当に実用的。アロマの基礎を学んだら、家族の体調に合わせてブレンドオイルを作れるようになりました。夫の疲れた日にはリラックス系、私の集中したい時には集中力アップ系。

資格も取れるし、友達にプレゼントしても喜ばれるし、一石三鳥です。

習い事を続けるコツ、教えます!

「始めるのは簡単だけど、続けるのが大変」...そんな声、よく聞きます。私自身もそうでしたし、生徒さんたちからもよく相談を受けます。

「楽しい」が7割、「目標」が3割

習い事を続けている生徒さんたちを見てると、共通点があるんです。それは「純粋に楽しんでる」人ほど長続きしてるということ。

もちろん「資格を取りたい」「上手になりたい」という目標も大事。でも、それが前面に出すぎると、だんだん苦しくなっちゃうんですよね。

うちの陶芸教室の田中さん(52歳)は「最初は『上手に作らなきゃ』って力んでたけど、『粘土と遊ぶ』って思うようになったら楽しくなった」って言ってました。

小さな目標を積み重ねる

いきなり「1年後に個展を開く!」は無理でも、「今月は湯呑みを完成させる」「3ヶ月後には友達にプレゼントできる作品を作る」「半年後には教室の展示会に参加してみる」...こんな感じで、少しずつ目標を上げていく。

達成感を味わえるから、自然と続けたくなるんです。

同世代の仲間がいると心強い

教室には20代から70代まで、いろんな年代の方がいらっしゃいます。若い人からは新しい感性を学べるし、年上の方からは人生の知恵をもらえる。

でも、やっぱり同世代の仲間がいると安心しますよね。「あー、みんな同じこと思ってるんだ」「私だけじゃないんだ」って。

今では教室のメンバーで月1回お茶会をしてるし、一緒に美術館に行ったりもします。習い事がきっかけで、新しい友達ができるなんて思わなかった!

家族にも喜ばれる習い事の活用法

習ったことを家族にも還元

料理教室で習ったレシピを家族に作ってあげたり、アロマで家族の体調を気遣ってあげたり、写真で家族のいい瞬間を残したり。習い事が家族の役に立つと、家族も応援してくれるようになります。

時間の作り方を工夫

「習い事をする時間なんてない」って思いがちですが、案外作れるものです。

早朝の時間を使ったり(朝ヨガクラスは人気です)、家事の合間にオンラインで英会話したり、子どもが習い事をしてる間に自分も別の習い事をしたり。

要は「習い事をしたい」という気持ちがあれば、時間は作れるんです。

大人の習い事は、人生への投資

最後に、これだけは言いたいんです。大人になってから始める習い事って、単なる暇つぶしじゃないんです。

新しいことを学ぶって、脳にもいい刺激になるし、新しい自分を発見できるし、新しい仲間にも出会える。それに、何歳になっても成長できるって実感できるのは、本当に嬉しいことです。

「今さら遅い」なんてことはありません。始めたいと思った時が、始め時。

もし今、何か新しいことを始めたいなって思ってるなら、まずは体験教室に行ってみてください。きっと、新しい世界が待っています。

私も最初は不安でした。でも今では「あの時勇気を出してよかった」って心から思ってます。あなたにも、そんな素敵な出会いがありますように。

石井 純子

48歳。カルチャースクール講師、習い事コーディネーター。大人の学びと趣味の楽しさを伝える。