女性ホルモンに良いハーブ&アロマ活用術
【ライター:森田 千恵(アロマセラピスト・植物療法士)】
「また生理前のイライラが始まった...」
月に一度、必ずやってくる嵐のような日々。頭痛、むくみ、そして理由のない涙。薬に頼りたくないけど、このままじゃ仕事も家族関係もボロボロになりそう。
そんな時、友人から教えてもらったのがハーブとアロマでした。「植物の力って意外とすごいよ」って。
最初は半信半疑だったけど、今では私の救世主。アロマセラピストとして15年、300人以上の女性の悩みと向き合ってきた経験から、本当に効いたハーブとアロマの使い方をお伝えします。高価なサプリメントに頼らなくても、自然の力で楽になれるんです。
PMSが劇的に楽になったハーブたち
チェストベリーとの出会いが転機だった
生理前になると、夫に八つ当たりしてた私。「なんでそんなにイライラするの?」って言われるたびに、余計に腹が立って。
そんな時、ドイツで「女性のためのハーブ」として有名なチェストベリーを知りました。朝起きたらすぐ、朝食前にサプリを1粒。最初の1ヶ月は何も変わらなくて「やっぱりダメか」って思ったけど、3ヶ月続けたら、あれ?今月、夫とケンカしてない。
チェストベリーは、ホルモンバランスを整えてくれるハーブ。でも速効性はないから、最低3ヶ月は続けてほしい。私のクライアントさんの約7割が「楽になった」って言ってくれます。
憂鬱な気分にはセントジョーンズワート
生理前になると、何もかも悲観的になってた私。セントジョーンズワートのお茶を飲み始めてから、その暗いトンネルから抜け出せるようになりました。
ただし、これ要注意!ピルを飲んでる人は絶対NG。ピルの効果が弱くなっちゃうから。私の友人がこれで避妊に失敗しそうになって、ヒヤッとしたことがあります。薬を飲んでる人は、必ず薬剤師さんに相談してくださいね。
更年期のホットフラッシュが半分に減った!
45歳を過ぎてから、急に顔が熱くなって汗が噴き出す。会議中にそれが起きた時は、本当に恥ずかしかった。
レッドクローバーのお茶を毎日飲み始めて3ヶ月。1日10回以上あったホットフラッシュが、今は4-5回に。完全になくなった訳じゃないけど、生活できるレベルになりました。
ブラックコホシュも試しました。ドイツでは薬として認められてるくらい効果があるハーブ。ただ、私は最初、お腹がゆるくなったので量を減らして調整しました。体質によって合う・合わないがあるから、少量から始めるのがコツです。
たった15分で心が落ち着くアロマの魔法
ラベンダーで救われた不眠の夜
更年期に入ってから、夜中に何度も目が覚めるようになった私。朝起きても疲れが取れない毎日。
ラベンダーの精油を枕元に垂らしてみたら、これがビンゴ!深く眠れるようになったんです。科学的にも証明されてて、ラベンダーの香りを15分嗅ぐだけでストレスホルモンが2割以上減るんですって。
私のやり方は簡単。ティッシュに2滴垂らして枕元に置くだけ。これで朝までぐっすり。睡眠薬に頼る前に、試してみる価値ありです。
生理不順が整ったゼラニウムの奇跡
ストレスで生理周期がバラバラだった30代後半。28日だったり45日だったり、いつ来るか分からなくて困ってました。
ゼラニウムの精油でマッサージを始めて2ヶ月。少しずつ周期が安定してきて、今では30日前後に。おまけに、顔のテカリも減って化粧崩れしにくくなったんです。一石二鳥でした。
「あれ、何しに来たんだっけ?」が減った秘密
ローズマリーを朝のルーティンに取り入れてから、頭がスッキリ!物忘れが減りました。
朝、洗面所でローズマリーの精油を1滴手に取って、深呼吸。これだけで午前中の仕事効率が全然違う。記憶力が15%アップするって研究結果もあるそうです。
クラリセージは生理痛の救世主。お腹が痛い時、ホホバオイルに混ぜてマッサージすると、鎮痛剤を飲む回数が減りました。ただし、妊娠中は絶対ダメ!子宮が収縮しちゃうから要注意です。
失敗から学んだ、絶対守るべき使い方
原液で使って大失敗した話
「精油は天然だから安全」って思ってた私。ラベンダーの原液を直接肌に塗って、真っ赤に腫れ上がった経験があります。
精油は必ず薄めて使うこと!
顔には10mlのオイルに1-2滴まで。
体には10mlに2-6滴まで。
部屋で香らせる時は、8畳なら3-6滴が限度。
これ以上使うと、頭痛や吐き気の原因になります。実際、私のサロンに「アロマで気分が悪くなった」って来る人の9割は、使いすぎが原因でした。
妊娠中の友人が使って後悔した精油
妊娠初期の友人が、つわりにペパーミントがいいって聞いて使ったら、お腹が張って大変だったそう。
妊娠中は本当に気をつけて!
妊娠初期は特に、クラリセージ、ローズマリー、ペパーミントは避けて。
臨月近くなったらジャスミンやローズも危険(陣痛を誘発する可能性が)。
授乳中のママは、ペパーミント使うと母乳が出にくくなるから注意。
「天然だから大丈夫」は大間違い。むしろ天然だからこそ、体への作用が強いんです。
薬との飲み合わせで危なかった体験
血圧の薬を飲んでるクライアントさんが、イランイランでリラックスしようとして、めまいを起こしたことがあります。血圧が下がりすぎちゃったんです。
薬を飲んでる人は、必ず確認を!
血液サラサラの薬×セントジョーンズワート=効果が弱まる
てんかんの薬×ローズマリー=発作のリスク
血圧の薬×イランイラン=血圧下がりすぎ
お医者さんや薬剤師さんに「ハーブ使ってます」って必ず伝えてください。
100均の精油で失敗した理由
「安いから」って100均のラベンダー買ったら、全然効果なし。よく見たら「アロマオイル」って書いてあって、精油じゃなかった!合成香料だったんです。
本物の精油の見分け方:
- 「精油」「エッセンシャルオイル」と明記されてる
- 学名(ラテン語)が書いてある
- 遮光瓶に入ってる(透明ボトルはNG)
- 10mlで2,000-3,000円が相場(安すぎるのは怪しい)
高く感じるけど、1回2滴使うとして約100回分。1回30円以下って考えたら、薬より安いですよね。
まとめ:植物の力を味方につけて
ハーブとアロマを使い始めて10年。
PMSのイライラも、更年期のホットフラッシュも、完全になくなった訳じゃない。
でも、薬に頼らず自分でコントロールできるようになった。それが一番の収穫です。
植物療法は魔法じゃない。でも、正しく使えば確実に味方になってくれる。
今日から、小さな一歩を踏み出してみませんか?
まずはラベンダーの精油1本から。きっとあなたの毎日が、少し楽になるはずです。