食事で整える自律神経:疲れやすさに効く簡単レシピ
【ライター:渡辺真理子(料理研究家・管理栄養士)】
午後3時。会議中に襲ってくる強烈な眠気。
朝起きても取れない体の重さ。
夜中に何度も目が覚める浅い眠り。
「また始まった...」そう思いながら、デスクの引き出しからエナジードリンクに手を伸ばす。でも心のどこかで分かっているんです。これって根本的な解決になってない、って。
実は私自身、料理研究家になる前の会社員時代は、まさにこの状態でした。毎日3時過ぎには集中力が切れて、コーヒーとお菓子で無理やり乗り切る日々。でもある時、管理栄養士の先生に言われたんです。「真理子さん、それ全部、自律神経の乱れが原因よ」って。
自律神経って、交感神経と副交感神経のバランスで私たちの体を調整してくれている、いわば「体内の司令塔」。これが崩れると、疲労感、不眠、イライラ...まさに私が抱えていた症状すべてが現れてしまうんです。厚生労働省の調査でも、30〜40代女性の約7割が慢性的な疲労を感じているそうで、多くの方が同じ悩みを抱えているんですね。
それから15年、管理栄養士として延べ3,000人以上のクライアントさんと向き合ってきて確信していること。自律神経を整えるのに、食事ほど効果的で身近な方法はないということです。
今日は、私自身が実践し、多くのクライアントさんたちと一緒に結果を出してきた「自律神経を整える食事のコツ」を、具体的なレシピと一緒にお話ししますね。
朝ごはん、本当に大事だった!
恥ずかしい話、私も会社員時代は朝ごはん抜きが当たり前でした。時間ないし、お腹も空いてないし...でもこれが大間違いだったんです。
朝ごはんを食べると、体が「よし、活動開始!」って目覚めてくれるんですね。体温も上がるし、脳にもちゃんと栄養が届く。おかげで午後の「うとうと」がなくなりました。
私のクライアントさんのAさんも、「朝にバナナとヨーグルト食べ始めただけで、会議中の眠気がなくなった!」って喜んでました。3週間続けただけで、こんなに変わるなんてビックリ。
完璧なメニューじゃなくていいんです。卵かけご飯でも、納豆パンでも、ヨーグルトでも。何か口に入れるだけで全然違う。5分でできるものから始めましょう。
ゆっくり食べるって、こんなに大事だった
私、昔は5分で食事終了タイプでした。でもこれが疲れやすさの原因だったんです。
早食いすると、胃がびっくりしちゃって、消化に手間取る。そうすると体はそっちにエネルギーを取られて、午後にグッタリ...という悪循環。
管理栄養士になってから実践してるのが「箸置きテクニック」。3口食べたら、ちょっと箸を置く。これだけで食事時間が15分くらいになるんです。
最初は「面倒くさい」って思ったけど、慣れるとお料理の味もちゃんと分かるようになって。家族との会話も増えました。
クライアントのBさんは「箸を置くようになってから、会議中に眠くならなくなった!」って教えてくれました。2週間で効果を感じる方が多いですね。
腸が元気だと、心も元気になる
「腸は第二の脳」って聞いたことありませんか?実は腸と脳って、すごく密接につながってるんです。
私も納豆や味噌汁、ヨーグルトを意識的に食べるようになってから、イライラすることが減ったし、夜もぐっすり眠れるようになりました。
発酵食品って、腸の中の良い菌を増やしてくれるんです。良い菌が増えると、脳に「リラックスして〜」って信号を送ってくれる。だから心も穏やかになるんですね。
私がおすすめしてるのは「1日1発酵」。今日は納豆、明日はヨーグルト、明後日は味噌汁...って感じで。難しく考えなくて大丈夫。
クライアントさんたちも、3週間くらいで「なんか調子いい」って言ってくれる方が多いです。
疲れにくい体を作る、私の必須食材
豚肉でスタミナアップ
豚肉に含まれるビタミンB1が、疲労回復に本当に効くんです。私も疲れた時は豚の生姜焼きを作ります。玉ねぎと一緒に炒めると、吸収率もアップ。
鶏肉で心を安定
鶏胸肉には心を落ち着かせるビタミンB6がたっぷり。茹でてサラダチキンにするも良し、照り焼きにするも良し。コスパも最高です。
納豆は万能選手
納豆1パックで、体に必要な栄養素がバランスよく摂れるんです。私は毎朝1パック食べてます。卵と混ぜても美味しいし、キムチと一緒でもOK。
夜のホットミルク習慣
寝る1時間半前にホットミルクを飲むと、よく眠れるようになりました。牛乳に含まれる成分が、夜の眠りを助けてくれるんです。ハチミツを少し入れると、さらに美味しい。
私の疲れ知らずレシピ
朝の元気チャージトースト
【材料】1人分
・食パン 1枚
・バナナ 1/2本(スライス)
・きな粉 大さじ1
・ピーナッツバター 小さじ1
・ハチミツ 少々
食パンにピーナッツバターを塗って、バナナを並べて、きな粉とハチミツをかけるだけ。朝から幸せな気分になりますよ。バナナの甘みできな粉も美味しく食べられます。
夜のほっこり蒸し料理
【材料】2人分
・鮭 2切れ(サバでもOK)
・キャベツ 4分の1個(ざく切り)
・しめじ 1パック
・味噌 大さじ1
・バター 小さじ1
・酒 大さじ2
フライパンにキャベツとしめじを敷いて、その上に鮭をのせる。酒をかけて蓋をして8分蒸すだけ。味噌とバターを混ぜたタレで食べると、心も体もほっこりします。
3時のおやつ:腸活ヨーグルト
【材料】1人分
・プレーンヨーグルト 1個
・アーモンド(砕いたもの) 10粒くらい
・くるみ 2〜3個
・プルーン 1個(刻む)
・ハチミツ 小さじ1
ヨーグルトにナッツとプルーンを混ぜて、ハチミツで甘みをプラス。ナッツの食感とプルーンの甘みで、満足感もたっぷり。腸にも優しいおやつです。
みんなの変化を見てて嬉しくなる
クライアントさんたちの変化を見てると、本当に嬉しくなります。
2週間目くらいから
「朝、起きるのが楽になった」
「午後の眠気が減った」
1ヶ月経つと
「夜、ぐっすり眠れるように」
「疲れにくくなった気がする」
「お腹の調子もいい感じ」
3ヶ月続けた方は
「毎日が元気!」
「食事って本当に大事なんですね」
個人差はありますが、3週間くらいで何かしら変化を感じる方が多いですね。
無理しない、私の3週間プラン
まずは1週間
・朝ごはんを何か食べる(バナナ1本でもOK)
・食事時間を少しだけ長めに
・寝る前にホットミルク
2〜3週間目
・納豆やヨーグルトを1日に1つ追加
・3口食べたら箸置きを試してみる
・魚料理を週2回くらい
1ヶ月経ったら
・自分のペースを見つける
・体の変化をチェック
・分からないことは遠慮なく相談
食事は薬じゃないから、すぐには効きません。でも副作用もないし、続けやすい。毎日の積み重ねが、きっと体を変えてくれますよ。
大切なのは、できる範囲で続けること。朝ごはんを食べる、ゆっくり噛む、発酵食品を摂る。このうち1つでもできたら、自分を褒めてあげてください。
食事は薬じゃないから、即効性はありません。でも、続けていれば必ず体が応えてくれます。
今日の夕飯、何にしようかな〜って悩んでるあなた。まずは、温かい味噌汁から始めてみませんか?具は何でもOK。冷蔵庫の残り野菜で十分。
きっと、体も心も喜んでくれるはずです。
一緒に、美味しく食べて元気になりましょう!