40代が「韓国メイク」を大人っぽく仕上げる3つのコツ

韓国メイクの魅力を活かしつつ、35〜45歳の肌・骨格に似合う大人仕様に。ツヤの設計、眉・目元・リップの調整、オフィスでも浮かない色選びまで、写真で分かる具体テクをステップ付きでまとめました。今日から使える簡単テクをチェック!

40代が「韓国メイク」を大人っぽく仕上げる3つのコツ

「いま」の韓国メイクを大人顔に翻訳する視点

Googleトレンドの相対指数を見ると、日本での「韓国メイク」検索人気は2019年の平均20台から、2024年には60台前後まで上昇。[1] 短期の流行を超え、もはや日常語になったといえるでしょう。SNSでも質感や色設計の情報が溢れていますが、編集部がデータと現場感を読み解くと、トレンドの“そのまま”は35〜45歳の顔立ちや生活シーンに必ずしも最適ではありません。重要なのは、骨格・質感・時間帯の三要素を、大人の顔に合わせて翻訳すること。ツヤはどこに置くか、平行眉はどこまで残すか、にじみリップは輪郭をどう扱うか。同じ要素でも配分を変えるだけで、幼さを避けて今っぽさだけを残すことができます。

いわゆる韓国メイクの核は、光のコントロール、面で見せる眉と目元、そして温度感のある血色の三つに集約できます。若い肌ではツヤを全面にのせても凹凸が目立ちにくい一方、ゆらぎ世代は乾燥や毛穴の開き、たるみなどで光が散りやすく、同じツヤでもテカリや影として映りやすいのが現実です[2,3]。編集部では、ツヤの総量は保ちつつ、置き場所を変えるアプローチを推奨します。頬の高い位置と鼻根のわずかな面、まぶたの中央に限定し、Tゾーンや小鼻はセミマットで整える。これだけで子どもっぽさが抜け、清潔感が前面に出ます。

眉はフラットな平行から、目尻側にごく緩い上昇をつけると顔の余白が整います。角度は上げるというより、眉山の位置を黒目外側の延長上に“におわせる”イメージ。毛流れは上向きに立て切らず、前半はふわり、後半は斜めに寝かせると、意志と優しさのバランスが取れます。目元は粘膜ライナーの使い方が要。全周で囲むと強く見え過ぎるので、上まぶたの目頭から黒目の終わりまでを細く埋め、目尻は1〜2ミリだけ水平に逃がす。まつげは根元の立ち上げを主役にし、毛先は放射状よりもやや内側へ寄せると、いまっぽい“整った抜け感”になります。

色は黄みにも青みにも寄り過ぎない中間域が鍵です。モーヴベージュ、ローズブラウン、トーストピーチのような“温度のある中間色”は、オフィスにも夜にも場面を選びません。くすみが気になる日は、血色を上げる赤みではなく、コントラストを下げる“柔らかい影色”で隣り合う色同士の差を埋めると、肌のトーンが一段と均一に見えます[4]。

ベースメイクの設計図:薄膜ツヤとセミマットの分業

韓国メイクの生命線であるグロウ肌は、大人仕様では“面で光らせない”のがコツです。保湿はしっかり[5]、ファンデーションは薄膜で均一に。下地段階でくすみを補正し、ファンデーションで色をのせてカバーまで背負わせないと、厚みが出てツヤが鈍ります。肌に触れるテクスチャは、コクのあるクリームよりも水分系またはジェル系で、のせた瞬間はみずみずしく、時間とともに肌になじむタイプがちょうどいい[2]。光を足すハイライトは粒子選びが重要で、ラメの主張よりも偏光の“面ツヤ”に近いものを選ぶと、毛穴や小ジワを拾いにくくなります。

配置はCゾーンと頬の一段高いところ、鼻根の幅に絞ります。額の中心や鼻先は写真では映えても、日常光では皮脂のテカリと混ざって見えやすいゾーンです。小鼻横と口角は、透明感の出るプレストパウダーで軽く面を整えるだけで十分。パウダーを全顔に広げるのではなく、“触れる場所を限定する”ことが、大人のグロウ肌を成立させます。編集部スタッフの一人は、オンライン会議の直前に鼻根と頬の高い位置だけにリキッドハイライトを米粒ほど重ね、フェイスラインはブラシで空気を払うようにパウダーを置きます。それだけで画面越しでも疲れが抜け、印象が数パーセント上がる体感がありました。

色ムラやシミはコンシーラーで点的に。広く塗ってからぼかすのではなく、必要な箇所に置いて周りのファンデーションと橋渡しをする意識だと、厚みが出ません。目の下は明るさで飛ばし過ぎず、グレーやブラウンのくまにはオレンジ寄りの薄い色を薄く重ねる程度にとどめると、光の“跳ね返り”が自然に整います。

時間帯と環境で変えるツヤの総量

朝の自然光はツヤを強く拾い、オフィスの蛍光灯は均一に拡散します。朝の通勤〜日中はハイライトを控え、内側からの水分感を優先。夕方以降の人工光では、頬の高い位置と目頭近くの上まぶた中央にツヤを増やすと、表情が立体的に見えます。外気の湿度やマスクの有無でも見え方は変化するため、ポーチには色付きのフィックスミストか、粒子の細かいルースパウダーを入れて“戻せる余白”を用意しておくと安心です。

眉と目元:平行のニュアンスを残し、角度と余白で大人に

眉は顔の設計図。平行眉の長所は穏やかなムードですが、印象が平板になりやすいのも事実です。大人の骨格では、眉頭の角を立てずに縦のラインをふわりと残し、眉山はなだらかな丘のように。眉尻は目尻より3〜5ミリ外に“伸ばす”のではなく、“空気でつなぐ”感覚で描写を止めると、抜けが生まれます。パウダーで面を整え、足りないところだけ細いペンシルで一本一本足す。仕上げに透明またはトーンアップしないクリアマスカラで毛流れを留めると、光が均一に乗り、肌とのコントラストが大人っぽく整います。

アイシャドウは三色を使っても“二色に見える”くらいの近いトーンで構成すると、にごりが出ません。ベースは肌より半トーン暗い影色、メインはニュートラルなニュアンスカラー、きらめきは極小の真珠光沢にとどめると、まぶたの厚みやくすみがむしろ味方になります。下まぶたは全部に色を入れず、黒目の真下だけ血色を薄く差す。これがいわゆる涙袋メイクの“大人アレンジ”で、可愛さではなく“柔らかさ”を残せます。

アイラインはまつげの隙間を埋めるのが主役で、跳ね上げはせず、目尻で止める。どうしても上向きの推進力が欲しい日は、角度を付けるよりもラインの“太さを引き算する”のが安全です。まつげは根元だけ立ち上げ、中間と毛先は軽くスルー。マスカラは繊維リッチではなく薄膜タイプを選ぶと、束感を控えつつもフレームが際立ちます。編集部の実験では、根元の影を足して毛先のボリュームを引くと、会議室の照明下でも清潔感が上がって見える人が多く、写真に撮られる場面でも白目が澄んで見える傾向がありました。

メガネ・マスクの日は“線ではなく面”で調整

メガネをかける日は、眉のエッジを立て過ぎないほうが抜けます。フレームと眉の線が二重に主張すると堅く見えるため、眉の前半はパウダーで淡く、後半を少しだけ締めるとちょうどいい。マスクをする日は、アイライナーを足すよりも上まぶたの中央にだけツヤを置くほうが、視線が自然に上がります。線で強調しない分、にじみや崩れも最小限に抑えられます。

口元と色設計:にじみの輪郭、セミマットの温度

韓国メイクの象徴的なグラデーションリップは、大人顔では“輪郭のコントラストを和らげる”ことが鍵です。直塗りで中央だけ濃くして外へぼかすよりも、まずリップバームで縦ジワをならし、唇の内側にソフトマットの色を薄く敷き、その上から境目だけを綿棒で“ブレンドする”。外周は肌の色に近いコンシーラーで消すのではなく、色味の薄いリップで輪郭を曖昧にしておくほうが、マスクを外す瞬間も自然です。質感はツヤではなく、セミマット〜ソフトマットが日常には万能。粉を吹くのが心配なら、グロスを全体に重ねるのではなく、下唇の中央だけに極薄で光を置き、反射点をピンポイントで作ると、若々しさと上品さのちょうど中間が叶います。

色は肌のアンダートーンだけで決めないのがコツ。黄み肌でもモーヴやローズブラウンは似合いますし、青み肌でもブリックやテラコッタが馴染むことは珍しくありません。重要なのは、チークとリップの“温度”を合わせること。たとえばリップをモーヴにしたら、チークはローズベージュに寄せ、アイは冷たくし過ぎないくすみピンクやトープで橋渡しをします。反対に、ブリックやトーストピーチを選んだ日には、チークは杏色で、アイは赤みをほんの少しだけ共有するブラウンに。色同士が対立しないだけで、顔全体の完成度がぐっと上がります。

オフィスとオフ:同じ色で光を変える

忙しい平日は、同じ色を使いながら光だけを変えると時短になります。オフィスではリップをソフトマットで、頬はクリームチークをスポンジで叩き込み、まぶたのきらめきは抜く。オフの日は同じ色のリップにうっすらグロスを重ね、頬はパウダーチークでふんわり。まぶたは中央だけに極小パールをのせて、表情の可動域を広げる。色を買い足さなくても、質感のスイッチだけで雰囲気は十分に変えられます。

崩れにくさとリアルな時短:朝7分の“流れる手順”

忙しい朝に必要なのは、順序を迷わないこと。肌はスキンケアで水分を入れたら、日焼け止めとトーン補正下地を薄く一体化させ、スポンジで面をならします。次にコンシーラーで必要箇所だけ点で補い、セミマットパウダーを小鼻と口角に触れる程度に。眉はパウダーで面を作ってから足す、目元はまつげの根元だけ上げ、粘膜の隙間を埋めて、上まぶた中央にツヤを置く。頬は内側高めに薄く、最後にリップで温度を決める。この順に手を動かすと、引き算が前提になるため、塗り重ねの無駄が出ません。仕上げに微細ミストをふわっと一回。粉と水分がほどよく結び付き、マスクの擦れにも強くなります。

持ち歩きの直しは、崩れを“戻す”発想に切り替えるとスマートです。テカリを取り切ってから重ね塗りすると肌が曇るので、小鼻と口角はティッシュでやさしく面を押さえ、目元は綿棒で余分な影を一度オフ。そこに色が残る薄膜のクッションファンデか、透明感の出るルースパウダーを極薄で。リップは保湿を挟まず、色付きバームで輪郭をぼかしながら足すと、一体感が崩れません。編集部のテストでは、直しの前に鏡から30センチ離れて顔全体の“光の置き場”だけを見直すと、必要な手数が自然と減り、3分以内で清潔感が戻る人がほとんどでした。

アイテム選びの目安は“粒子・薄膜・中間色”

アイテムに迷ったら、粉は粒子が細かく色が濁らないもの、ベースは薄膜で伸びがよく重ねても厚みが出ないもの、色は黄みと青みの間にある中間色を選ぶのが近道です[4]。トレンドの正解を探すよりも、自分の生活と光環境で“見える正解”を作ること。**要素はそのままに、配分を変える。**それが、韓国メイクを大人っぽくアレンジするいちばん現実的な方法です。

まとめ:配分を変えれば、無理なく今の顔になる

韓国メイクの魅力は、丁寧に整えた肌と余白のある目元、そして温度のある色設計にあります。ゆらぎ世代に必要なのは、要素の取捨選択ではなく、置き場所と量の調整でした。ツヤは点ではなく限られた面に、眉は平行の穏やかさを残しつつ緩い上昇で余白を整え、アイラインは根元の影に徹して、リップはソフトマットで輪郭のコントラストを下げる。これらを日常の光に合わせて配分するだけで、無理なく今の空気をまとえます。

“若作り”ではなく、“いまの自分に光を合わせる”だけで十分に素敵になれる。 明日の朝、鏡の前でツヤを置く場所を一つ減らし、眉尻の角度を一度だけ見直してみませんか。きっと、あなたの生活に馴染む韓国メイクの最適解が、静かに見えてくるはずです。

参考文献

  1. Google Trends: 日本における「韓国メイク」の検索関心(2019–2024) https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=2019-01-01%202024-12-31&geo=JP&q=%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF
  2. Farage MA, Miller KW, Elsner P, et al. Age-related changes in the stratum corneum and skin barrier lipids; reductions in ceramides and total lipids. PMC7138575. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7138575/#:~:text=ceramides%20,reduction%20in%20total%20lipid%20content
  3. 日本化粧品技術者会誌 35巻2号:年齢と毛穴形状・面積に関する解析(頬下部・オトガイでの加齢に伴う増加の報告) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sccj/35/2/_contents/-char/ja#:~:text=%E9%A0%AC%E4%B8%8B%E9%83%A8%E3%81%A8%E3%82%AA%E3%83%88%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A6%E5%8A%A0%E9%BD%A2%E3%81%AB%E4%BC%B4%E3%81%84%E5%A2%97%E5%8A%A0
  4. Journal of the Society of Cosmetic Chemists of Japan 21巻:加齢に伴う皮膚色の変化(黄み・低明度・低彩度化の傾向) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sccj/21/0/_contents/-char/en#:~:text=We%20measured%20the%20skin%20color,become%20yellowish%2C%20low%20value%2C%20and
  5. 日本化粧品技術者会誌 30巻4号 総説:加齢に伴う皮膚表面ならびに角質層バリア機能の変化と乾燥傾向 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj1979/30/4/30_4_377/_article/-char/ja/

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。