年齢による不調を感じ始めたら、アロマの力を借りてみよう
30代後半〜40代は、女性ホルモンの「エストロゲン」が減少していく年齢です。PMS(月経前症候群)、生理痛、更年期障害……。
波のような体調の変化に加え、この年代の女性は仕事での責任やプレッシャー、妊娠・出産・育児でのストレスや不安を感じやすいライフステージにいます。
特に子宮にまつわる不調は周りに伝えにくいこともあり、一人で辛さを抱えている女性も多いのではないでしょうか。
自宅に居ながら香りでセルフケアして、その辛さをやわらげることができたら嬉しいですよね。今回はアロマテラピーインストラクターの資格を持つ筆者が、女性ホルモンからくる不調におすすめのアロマとセルフケア法をお伝えします。
気になるそのゆらぎ、女性ホルモンの影響かも?
月経前のイライラや不安感、頭痛、過食、眠気、便秘、胸の張り、むくみ……。これらは「PMS」と呼ばれるもので、月経の約1週間前から現れる症状です。
実に「女性の6割以上がPMSを経験したことがある」というデータもあるほど、自身の月経周期で気づきやすい不調です。
これらの不調の背景にあるのが「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンです。
エストロゲンは、初経を迎える頃から分泌が始まり、20代でピークに達します。その後は年齢とともに徐々に減少し、30代後半からは本格的に変化が現れ始めます。40代後半になるとさらに減少し、更年期へと移行していきます。
このようなホルモンバランスの変化によって「肌荒れが治りにくくなった」、「眠りが浅くなった」、「疲れやすくなった」といった心身の変化を感じる女性は少なくありません。
症状に個人差はありますが、月経自体に変化が現れることもあります。月経周期の乱れ、経血量の増減などがそのサインです。
またエストロゲンの変動は、睡眠の質の低下にもつながります。その結果として、不安感や憂うつ感が現れるケースも。同様に、産後うつも出産後の急激なエストロゲンの低下が一因とされています。
その他にもエストロゲンが引き起こすものとして、肩こり、腰痛、のぼせ、めまいといった症状も挙げられます。
植物の香りで女性ホルモンにアプローチ
植物の中には、女性ホルモンのような成分を持つものがあることをご存知でしょうか。「植物性エストロゲン」というエストロゲンに似た成分を持つ植物です。植物性エストロゲンは、私たち人間の体のホルモンバランスをやさしくサポートしてくれます。
またホルモンの司令塔と言われる脳の視床下部は、自律神経の中枢でもあります。そのためストレス、無理なダイエット、過労などが原因で自律神経が乱れた状態が続くと心身に不調が現れることも。
そこで女性ホルモンや自律神経のバランスを整えるのに有効的なのが「アロマテラピー」です。
アロマテラピーとは?
アロマテラピーとは、「芳香(aroma)」+「療法(therapy)」を意味する造語です。植物から抽出された精油を用いて、心身のバランスを整えたり、症状をやわらげたりする療法です。精油は「エッセンシャルオイル」とも呼ばれてます。
アロマテラピーの始まりは、紀元前まで遡ります。遥か昔から伝わる療法で、その有効性から現代は医療や介護の現場でも活用されています。
エッセンシャルオイルの選び方のポイントは?
アロマ専門店で天然精油を
エッセンシャルオイルはアロマ専門店で購入しましょう。日本においてエッセンシャルオイルは雑貨扱いのため、様々なショップで購入が可能です。
雑貨店では、エッセンシャルオイルによく似た合成香料が「アロマオイル」という商品名で販売されていることもあるので注意が必要です。「精油」、「エッセンシャルオイル」などと明記されているものを選びましょう。
どんなことに注意が必要?
肌へ直接の塗布、飲用、点眼はできません。また妊娠中は控えた方が良いエッセンシャルオイルもあるため、医師やアロマ専門店に確認の上、使用しましょう。
効能よりも「好き」と感じる香りを
「安眠に良いから」、「美肌のために良いから」など効能だけで選ぶのではなく、実際に香りを試してみて「自分が“好き”と感じる香り」を選びましょう。
香りは脳へダイレクトに届いて心理的に作用するため、求めている効能だからと言って無理に苦手な香りを選ぶ必要はないのです。
女性の不調におすすめアロマ5選
最初は好きな香りを1本を見つけてみて。慣れてきたら複数の種類をブレンドすれば相乗効果も期待できます。
⚫︎ゼラニウム
ローズに似たフローラルな香り。女性ホルモンの乱れによる気分のムラを調整し、心を穏やかにさせてくれると言われています。月経不順、PMS、更年期障害といった女性特有の症状の味方です。
⚫︎イランイラン
エキゾチックな南国を思わせるような香り。女性ホルモンの影響によるイライラや不安感で気持ちのコントロールができない時に。気持ちを落ち着かせてやさしく寄り添ってくれるような存在です。
⚫︎ジャスミン
濃厚な甘い花の香り。月経痛を緩和する働きがあるとされています。また出産時には分娩を促したり、沈んだ心に自身を取り戻してくれるような役割を持ち、産後うつの改善に用いられることも。
⚫︎クリセージ
ナッツを思わせるような温かみのあるハーブの香り。落ち込んでいる精神に多幸感をもたらすと言われています。ストレスや緊張、不安からくる不眠や頭痛の症状をやわらげる手助けにも。
⚫︎ローズ
一般的に「ローズ・アブソリュート」と「ローズ・オットー」があり、どちらもやさしく包み込んで安らぎを与えてくれるような香り。貴重で採取に手間が掛かるため、高価ですが価値ある精油です。女性特有の心身の不調全般に働きかけてくれます。
自宅でできる簡単アロマテラピー活用法
お気に入りの香りのエッセンシャルオイルを見つけたら、セルフケアを楽しみましょう。
⚫︎いちばん手軽な芳香浴
ティッシュペーパー、石膏でできたアロマストーンなどにエッセンシャルオイルを数滴垂らして香りを楽しみましょう。アロマディフューザーがあれば、お部屋の空気中にアロマの香りを拡散させて、より効果を高めることができます。3歳未満の幼児も芳香浴であればママと一緒に楽しむこともできます。
⚫︎洗面器でできるスチームバス
お湯を張った洗面器にエッセンシャルオイルを数滴垂らして、立ち上る蒸気を感じながらゆっくりと深呼吸してみましょう。冷えが気になる時に、足湯で香りを楽しむのもおすすめです。
⚫︎お風呂でアロマを楽しむ
エッセンシャルオイルは天然塩や植物油に混ぜることでお湯に溶けやすくなり、発汗や保湿作用が高まります。
お湯を張った浴槽に、天然塩の場合は大さじ2、植物油の場合は大さじ2分の1に対して、エッセンシャルオイルは1〜5滴が目安となります。
刺激の強いエッセンシャルオイルもあるため、確認の上、ご自身の肌の状態を観察しながら調整していきましょう。
⚫︎初心者でもできるマッサージ
ホホバオイルやオリーブオイルなどの植物油20mlに対して、エッセンシャルオイルを1〜4滴混ぜてマッサージオイルを作ります。
お腹と腰回りをくるくるとマッサージしてみましょう。血流が良くなり、筋肉の緊張がほぐれて、香りによるリラックス効果も期待できます。
マッサージの際は、手のひらを温めてからオイルを塗り、肌に密着させながら動かすことがポイントです。
※初めて使用するエッセンシャルオイルの場合は、マッサージ前にパッチテストを行うと安心です。作ったマッサージオイルを二の腕の内側に適量塗り、約24〜48時間放置して肌に問題がないかどうかを確認します。
ゆらいでいて当然。それを知っておけば少しラクになれる。
エストロゲンは月経痛、PMS、更年期障害などに関係するので、一見ネガティブなものと捉えがち。でも一方で、実は肌を綺麗にしたり、骨や血管を強くしたり、女性の体をサポートしてくれる働きもあります。
女性が生涯をかけて長い間お付き合いしていく存在だからこそ、女性ホルモンとの上手な付き合い方、自分に合ったセルフケアを知っておくことが大切です。
忙しいライフステージで今日も頑張る女性へ。アロマを使ったセルフケアで、健やかな日々を送れますように。
※参考文献
わたしのカラダは、私が守る 女性ホルモンの教科書 黒住紗織・佐田節子:著/日経ヘルス:編
香りの力でセルフケア すべてがわかるアロマテラピー 精油をはじめて学ぶ人からプロ・資格取得まで/塩屋紹子