40代のファンデが格段に美しくなる「スポンジ&パフ」正しい使い分け術

意外かもしれませんが、スポンジとパフは同じ“塗る道具”ではありません。素材や動かし方で仕上がりが変わります。40代が求める「薄づきで均一」「毛穴を目立たせにくい」「崩れにくく見せる」を目指すために、どちらをいつ選ぶか、どんな順番で使うかを編集部がわかりやすく解説します。

40代のファンデが格段に美しくなる「スポンジ&パフ」正しい使い分け術

スポンジとパフの基本と、仕上がりのちがい

意外かもしれませんが、スポンジとパフは同じ“塗る道具”ではありません。用途の設計思想がそもそも違い、結果として仕上がりもメイクの持ちも変わります。スポンジは“なじませて密着させる”、パフは“薄く広げて面を整える”。この基本を押さえるだけで、厚塗り感のない均一肌に近づけます。[1]

ベースメイクは、色やカバー力だけでなく“どう塗ったか”が印象を大きく左右します。とくにゆらぎやすい35〜45歳の肌は、季節や年齢に伴う皮脂・水分バランスの変化が起きやすいからこそ、ツールの選択と使い分けが仕上がりの鍵。編集部では主要ブランドの使い方ガイドやプロの現場の手順を横断的に比較し、日常で再現しやすいルールに落とし込みました。[2]

スポンジは、主にポリウレタンなどの多孔質素材でできています。小さな穴に余分な液を抱え込みながら、肌表面の凹凸にベースを押し込むようにフィットさせるのが得意。液体やクリームタイプのファンデーション、BB、コンシーラーのなじませ役として力を発揮します。水を含ませて軽くしぼると吸い込みが穏やかになり、薄く均一に広がってツヤ感が残りやすくなります。反対に乾いたまま使うとピタッと密着してカバー力が上がり、マスク移りやヨレが気になる日に向きます。[3,4]

パフは、起毛やベルベット生地、スポンジ芯を包んだ構造などが中心で、粉を拾い取り薄く均一に“面”でつけるのが得意です。プレストパウダーやルースパウダー、パウダーファンデーションの仕上げ・お直しの要。皮脂でテカつきやすい小鼻まわりや頬の毛穴ゾーンに、パフで軽く押さえると凹凸の影が和らぎ、化粧持ちが安定します。大切なのはこするのではなく、のせて、置いて、軽くプレスする動き。摩擦をかけないことでキメを乱さず、粉っぽさも出にくくなります。[1,5]

結論として、ツヤ重視で素肌感を残したい日は水ありスポンジ、毛穴や色ムラをしっかり整えたい日は乾いたスポンジ、仕上げの透明感と持ちを底上げしたい日はパフ。この三つの軸を覚えると、手持ちのベースが見違えます。

どのファンデーションに、どちらが合う?

リキッドやクッションはスポンジと相性がよい道具。リキッドは手の甲で温めてから点置きし、スポンジの広い面で頬→額→鼻→口周りの順に軽いタップでなじませます。クッションはコンパクト付属のパフでも塗れますが、仕上げに別のスポンジで輪郭をぼかすと境い目が消えて、自然な艶が残ります。クリームタイプはカバー力が高いぶん、スポンジで余分を取り去る“磨き仕上げ”が有効。パウダーファンデーションはパフの出番で、面でサッと広げてから、必要なところだけ二度づけすると厚塗り感を回避できます。どのタイプでも、最終的に**パフで軽く押さえる“定着の一手”**を添えると崩れにくさが一段上がります。[1]

目的別・季節別の使い分けルール

求める仕上がりから逆算すると、選択はシンプルです。ツヤが欲しいときは、水を含ませたスポンジで薄膜を均一に広げます。頬の高い位置はスポンジの角を使ってトントンと置き、鼻筋や目周りは側面で滑らせずにスタンプのように密着。最後にパフで顔の外側だけ薄くパウダーを置けば、中心は艶、輪郭はキリッとした立体感にまとまります。マットで毛穴レスな印象を狙う日は、乾いたスポンジでしっかり密着させてから、パフで微量のパウダーを押し込みます。とくに小鼻横はパフを二つ折りにして細い角を作り、押さえて離す短い動作を繰り返すと、粉っぽさを出さずに凹凸だけが消えます。[4,5]

季節で言えば、湿気と汗が増える梅雨〜夏は、皮脂と水分でベースが緩みがち。リキッドを乾いたスポンジでカチッと密着させ、Tゾーンだけパフでパウダーを重ねる組み合わせが機能します。乾燥しやすい秋冬は、下地で保湿を整えたうえで水ありスポンジに切り替えると、粉浮きしにくい薄膜が作れます。夕方のくすみ対策には、パフにごく少量のパウダーをとり、目の下から頬の三角ゾーンに“置く→払う”の順で補整すると、光の反射が戻って疲れ顔が和らぎます。[2,4]

また、時短を求める朝にはミニマムな二刀流が効率的です。スポンジで土台を一気になじませたら、パフで小鼻と頬だけ定着。これだけでもマスク移りが減り、リモート会議の画面越しでも均一に見える仕上がりへ。忙しい日こそ道具の役割分担が結果を左右します。

肌状態に合わせた微調整

乾燥している日は、スポンジに化粧水ミストを軽く吹きかけてから使うと、ファンデーションの伸びが良くなり、粉っぽさを抑えられます。皮脂が気になる日は、ファンデ後にすぐパウダーをのせるのではなく、ティッシュで全顔をそっと押さえて余分を取ってから、パフで定着させるのが上手な“間”。赤みやシミが気になる部分は、コンシーラーを点で置き、スポンジの先端で境い目だけをぼかすと、面ではなくエッジだけを動かすことになり、カバー力を保ったまま馴染みます。[4]

テクニックと“ありがちトラブル”の直し方

ムラになる原因の多くは、動かしすぎか、そもそもの量の取りすぎです。スポンジは“置く→なじませる→足す”の順番を守ると、必要なところにだけ薄く重ねられます。広い面は面で、細部は角で、という道具の形状を活かすとコントロールしやすくなります。パフは、粉をとった直後に甲やティッシュで余分を落とし、パフ全体に行き渡らせる“ならし”を入れると、一点に粉が集中せず均一。目尻やほうれい線のシワに粉が溜まると老け見えしやすいので、表情を動かして線が出たタイミングで、パフのきれいな面を軽く沿わせると溝だけが整います。[1]

厚塗り感が出たときは、すべてを落とす必要はありません。水を含ませた清潔なスポンジを絞り、何もつけずに気になるゾーンを軽くタッピングすると、余分だけがスポンジに移って薄膜に戻ります。ツヤが足りないと感じる日は、仕上げにスポンジへごく微量のフェイスオイルや保湿ミストを移し、頬骨の上だけをトントンと置くと、**“ツヤは点で置く”**の原則で上品に光ります。逆にテカりが気になる日は、持ち歩き用の薄いパフで小鼻だけリセット。ティッシュオフ→パフでパウダーの順に、短い二手で整えば、化粧直しも数分で完了します。[3,5]

組み合わせると、もっと整う

道具は対立構造ではなく、組み合わせるほど効果的です。スポンジでファンデーションの境い目を消しながら均一に仕上げ、最後にパフでパウダーを面置きして定着。この二段構えに変えるだけで、毛穴の影が薄くなり、持ちが安定します。イベントや写真を撮る日は、スポンジで少量ずつ重ねてから、パフでTゾーンと顎のみをマットに。面のコントロールによって、顔全体をマットにしなくても清潔感のある印象に寄せられます。[3]

清潔さとコスパ:洗い方・保管・買い替え時期

肌あれを防ぐという意味でも、ツールの衛生管理は見逃せません。スポンジは週に一度を目安に、中性の石けんや専用クリーナーで優しく押し洗いし、ぬるま湯で十分にすすいだら、清潔なタオルで水気を取り、風通しのよい日陰で完全に乾かします。濡れたままケースに戻すと臭いや雑菌の温床になりやすいので注意を。パフは使うたびに表と裏のきれいな面をローテーションし、粉含みが悪くなってきたら洗いどきのサイン。洗い方はスポンジと同じで問題ありませんが、起毛タイプは擦らず押し洗いに徹すると長持ちします。

買い替えは、形が戻らない、弾力がなくなった、異臭がする、ファンデが落ち切らない――いずれかを感じたら合図です。スポンジは使用頻度にもよりますが、清潔に保っても数カ月単位での更新が快適。パフも同様に、肌あたりが変わったら交換を検討しましょう。素材選びの観点では、ラテックスに敏感な人は“ノンラテックス”表示のスポンジが安心。持ち運びには、通気穴のあるケースやメッシュポーチを使うと、乾燥状態を保ちながら衛生的に管理できます。

日々の手入れのついでに、ツールの“定位置”を決めておくのも時短に効きます。朝のトレーには水あり用スポンジ、フィニッシュ用のパフ、直し用の薄パフの順で置く。使う順番に並んでいるだけで、迷いが減ってメイクのブレがなくなります。

よくある質問に、先回りで答える

濡らしたスポンジと乾いたスポンジ、どちらが正解かという問いには、仕上がりで選ぶという答えがしっくりきます。艶と薄さを優先する日は水あり、密着とカバーを優先する日は水なし。[4] パフは粉だけに使うものかと聞かれることもありますが、リキッドの後に薄くティッシュオフしてからパフで“何もついていない面”を使って押さえると、表面のベタつきが引いて持ちが伸びます。[1] スポンジとブラシはどう使い分けるのかという点では、広く速く塗りたい日はブラシ→スポンジで境い目を消す、という二段構えが合理的。均一性はスポンジ、面の整えはパフ、スピードはブラシと覚えておくと、朝の選択が簡単になります。

参考文献

  1. 日本官能評価学会誌「感触よくきれいに仕上げるファンデーション用パフの開発」J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsse/13/2-2/13_96/_html/-char/ja
  2. 美肌スキンケアナビ「皮脂の分泌量の推移(年齢・季節など)」https://www.bihakuskincarenavi.com/article/hishi_graph.html
  3. JP2019209039A 美粧用スポンジ(Google Patents)https://patents.google.com/patent/JP2019209039A/ja
  4. 資生堂 Beauty Chronicle「ファンデーションを塗ると乾燥・カサつきが目立つ!? 冬でもうるツヤ肌に見えるベースメイクテク」https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB009068/
  5. JP2002020218A 皮脂吸着性粉体及びその使用(Google Patents)https://patents.google.com/patent/JP2002020218A/ja

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。