35〜45歳向け|フレッシュタイプを40代仕様にする3つの着こなし

フレッシュタイプの軽やかさを保ちながら、35〜45歳の節目に似合う装いへ。配色・素材・シルエットの3点で職場・通勤・週末・オケージョン別の実例とNGを分かりやすく紹介。簡単に真似できる着こなし術で毎日のワードローブを更新しよう。

35〜45歳向け|フレッシュタイプを40代仕様にする3つの着こなし

編集部がGoogle Trendsを確認したところ、「顔タイプ診断 フレッシュ」の検索関心は2019年比で約2倍に増加[1]。カジュアルが似合うはずのフレッシュタイプでも、35〜45歳の節目では“いつもの服が落ち着かない”“職場で浮く気がする”という声が増えています。年齢を重ねると、肌・髪の質感や生活シーンの比重が変わり、似合う基準も静かにシフトします。安易に“若作り”に寄せるのでも、“無難”に引きこもるのでもない道を見つけるために、配色・素材・シルエットの3点を軸に整えることが、フレッシュの強みを損なわず今の自分に合うコーディネートへ更新する近道です。

フレッシュタイプの「似合う軸」を40代仕様にアップデート

フレッシュタイプは、顔立ちの印象が直線と曲線の中間にあり、子ども顔グループに分類されることが多いタイプです。キーワードは軽やか、クリーン、親しみやすさ。服の特徴に落とし込むと、シンプルなデザイン、小さめ柄、澄んだ色、マット寄りのさらりとした素材がしっくりきます[2]。ところが40代に入ると、同じ“軽やか”でも、情報量と質感のバランスを少しだけ大人に寄せる必要が出てきます。編集部の結論は明快で、軽さは残しつつ、どこか一か所に「直線」と「質」を足す。この足し算が印象の幼さを回避し、きちんと感を自然に生みます[3].

配色の更新:明度は保ち、コントラストを半歩上げる

フレッシュタイプの強みである明るい配色はそのままに[2]、白やライトグレー、アイシーなベージュをベースにして、ネイビーやチャコールを細く効かせると全体が引き締まります。印象評価の研究でも、寒色系は好意や安心といった評価に結びつきやすい一方、黒や無彩色を広く使うと硬く厳しい方向に作用しやすいことが示されています[4]。たとえば白Tとライトブルーデニムに、ネイビーのノーカラージャケットを重ねるだけで、親しみやすさを保ちながら大人の輪郭が出ます。色の比率は70:25:5が扱いやすく、70を明るいベース、25を中明度の調整色、5を締め色の小物に配する感覚で整えると失敗が減ります(編集部ガイドライン)。クリアな差し色を使うなら、ミントやコーラルを小面積で。面積が大きすぎるとカジュアルに流れやすいので、スカーフやフラットシューズなどポイント使いが賢明です。

素材の更新:さらりに「質感の深み」を一匙

フレッシュの相棒であるコットン、リネン、ライトオンスのデニムは引き続き有効です[2]。ただし大人に寄せるなら、微光沢のあるツイルやハイゲージのニット、織りの表情がきれいなキャンバスなど、手に取ったときに“繊細さ”を感じる素材をどこかに入れます。衣服のデザインや表面性状は対人印象の形成に強く影響することが報告されており[3]、軽さを損なわず「整った質感」を加えるのが効果的。たとえばTシャツをハイゲージのクルーニットに置き換える、カーディガンを天竺から天鵞絨のような起毛ではなく度詰めのきれいめコットンに変える、シャツはオックスよりポプリンにする。軽さはそのまま、表面の整い方だけを大人に、が合言葉です。

シルエットの更新:情報は少なく、線はまっすぐ

シルエットはIラインやコンパクト×ワイドの対比が得意です。ボトムはワイドでも生地がばさつかないものを選び、トップスはジャスト〜ややコンパクトに。首元は詰まり過ぎず、クルー〜ボートネックで顔周りに素直な曲線を残すと調和します。ジャケットやジレの直線を一枚足すと、柔らかさと凛々しさのバランスが整い、“カジュアル=幼く見える”の誤解がほどけます[3].

シーン別:無理しないのに洗練見えするコーディネート

コーディネートが難しく感じるのは、シーンごとの“求められる温度”が違うから。フレッシュタイプが心地よく過ごせる温度を守りながら、必要なきちんと感を加えていきます。

平日(通勤)—信頼感は直線で作る

白〜ライトグレーのクルーネックニットに、センタープレスのネイビーテーパード。足元はホワイト寄りのローファー、またはつやを抑えたレザーのフラット。ここにノーカラーのネイビージャケットか、長すぎないジレを重ねると、直線が効いて信頼感が生まれます[3]。バッグは中型のトートで、キャンバス×レザーのコンビなら親しみもきちんとも両立。アクセサリーは小ぶりでマットな質感が好相性で、イヤーカフや細いチェーンだけで十分。会議がある日はボトムをチャコールのスラックスに替え、ベルトで細い黒を足すと全体が締まります。

週末—軽やかさは面積で、辛さは線で

ライトブルーのデニムに白シャツワンピースを羽織り、インはミントのタンクで色の遊び心を少しだけ。足元は白スニーカーで軽くし、腕時計やメタルブレスレットの直線で“辛さ”をひとつ足します。アウトドアや公園ならストライプのカットソーを合わせ、ピッチは細めに。ボーダーの幅が広いとカジュアルが強くなって子どもっぽい方向に寄るため、細ピッチ+明るい地色がフレッシュのバランスです[4].

オケージョン—華やぎは光で足す

入学式や食事会などのセミフォーマルは、ソフトベージュのワンピースにアイボリーのツイード風ジャケット、もしくはミディ丈スカートにハイゲージのニットとショートジャケット。ツイードは重厚に見えやすい素材ですが、糸の表面がなめらかなタイプと淡い色を選べば軽さを保てます。パールは小粒を重ねて光を散らし、靴はつやを抑えたポインテッドのフラットや低めヒールで今らしく。大ぶり一発の華やぎではなく、“小さな光を重ねる”のがフレッシュの礼装のコツです。

体型・骨格とのすり合わせと、やりがちなNG回避

同じフレッシュでも骨格や体型で似合い方は微調整が必要です。骨格ストレートで上半身に厚みがあるなら、クルーネックは詰めすぎず、ややU寄りのカーブを選ぶと首元がすっきり見えます。ボトムはハリのあるテーパードやセミワイドで、落ち感がありすぎると上半身のボリュームと差がつきやすくバランスが不安定に。骨格ウェーブで下重心なら、トップスは短め丈や前だけタックインで腰の位置を上げ、ボトムはソフトなフレアや落ち感のあるセミワイドに。骨格ナチュラルでフレームがしっかりしている場合は、ラフに見えやすい大きめシルエットを避け、直線的なジャケットで輪郭を整えると都会的に仕上がります。

年齢とともに“甘さ”の扱いも変わります。ギンガムやドットは小さめ、襟のフリルは控えめ、リボンは結ばず垂らすなど、甘さの情報を減らすと一気に大人顔。逆に避けたいのは、濃色ワントーンで重くまとめることと、大柄でコントラストが強すぎる柄。前者は軽さが消えて疲れて見えやすく、後者は顔の印象とのギャップが出て服だけが主張します。もし“今日の自分、子どもっぽい?”と感じたら、鏡の前で直線の要素を足してみてください。ベルトをキュッと細く締める、メタルのアクセサリーを一本加える、ジャケットを羽織る。直線が一本入るだけで、印象は驚くほど変わります[3,4].

メイクやヘアの更新もコーディネートの一部です。肌はツヤを出しすぎず、うるおい感のあるセミマットが今っぽく、チークは高すぎない位置に薄く広げて親しみをキープ。リップはくすみすぎないコーラルやピンクベージュを中心に、濃色は透け質感で軽さを残します。ヘアは重いワンレンより、表面にレイヤーで空気を含ませると服の軽やかさと響き合います。髪の見えは毛束の配向や光沢・表面粗さといった要因に左右されることが報告されており[5]、トップ表面に軽い動きをつけると清潔感が伝わりやすくなります。時短で整えるコツは、ベースメイクと眉だけを丁寧にし、その日の差し色に合わせてリップを選ぶ順番にすること。朝の数分で“清潔と今っぽさ”が手に入ります。より詳しい色選びの考え方は、パーソナルカラーの基本解説も参考にしてください(春夏秋冬の色選びガイド)。

今日から使える「3つの順番」で迷わない

忙しい朝にコーディネートを迷わず決めるには、順番を決めておくのがいちばんです。まずベース色を決めます。白、ライトグレー、アイボリー、ライトベージュのような“明るいニュートラル”のどれかを70の面積で置くと、フレッシュの清潔感が土台として機能します。次に締め色と中間色を決めます。ネイビー、チャコール、カーキの中からどれか一つを5の面積で、残りの25にミントやラベンダーなどの澄んだ色、もしくは同系の淡色を。最後に“直線の要素”をどこに入れるかを決めます。ジャケット、ジレ、ベルト、メタルのアクセサリー、スクエア気味のバッグ。この三段階で組むと、手持ち服でも新鮮に見える上、買い足すべきものが自然に見えてきます。

もし手持ちにデニムが多いなら、インディゴ一辺倒ではなくライトブルーやグレイッシュブルーで春夏の軽さを作り、秋冬はネイビーのウールパンツに置き換えて質で格上げを。センタープレス入りのパンツに慣れておくと、スニーカーの日でも通勤に馴染みます。デニムの更新については、合わせ方のコツを深掘りした記事も参考にどうぞ(40代のデニム、きれいめに見せる方法)。体型バランスが気になる日は、骨格別の微調整で解決するのが近道です(骨格タイプ別・大人の正解シルエット)。朝の支度を短く、でも印象よく整えたいなら、時短メイクの基礎を一度アップデートすると服との連動がスムーズになります(3分で整う時短メイクの新定番)。

まとめ:軽やかさは残したまま、線と質で“今”へ

フレッシュタイプの魅力は、清潔感と親しみやすさ。その核は変えずに、配色のコントラストを半歩上げ、素材の表面を整え、直線の要素を一本足すだけで、40代の毎日にしっくりくるコーディネートに更新できます。クローゼットの前で迷ったら、ベース色を決め、差し色と締め色の面積を整え、最後に直線を加えるという順番を思い出してください。“軽さはそのまま、質だけ大人に”。この合言葉があるだけで、買い足すべきもの、手放してもよいもの、そして今日選ぶべき一着が見えてきます。次の休みには、よく着る三着を並べて比率を見直してみませんか。ほんの数分の見直しが、一週間の支度をぐっと楽にしてくれます。心地よさと信頼感、その両方を叶えるフレッシュの着こなしで、明日の自分を少し好きになれますように。

参考文献

  1. Google Trends. 「顔タイプ診断 フレッシュ」 日本における検索関心(2019年〜現在). https://trends.google.com/trends/explore?geo=JP&q=%E9%A1%94%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97%E8%A8%BA%E6%96%AD%20%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5
  2. 顔タイプ診断協会. 顔タイプ「フレッシュ」の特徴と似合う要素. https://kaotype.jp/useful/kaotype-fresh/
  3. 永野光朗, 小嶋外弘 (1990). 服装特徴と印象形成―手がかりの優位性の検討―. 繊維製品消費科学, 31(6), 288–293. https://www.jstage.jst.go.jp/browse/senshoshi/31/6/_contents/-char/ja/
  4. 色香生研究所 (irokosei.com). 被服の色・柄と対人印象に関する研究レビュー(上衣色の影響、寒色・無彩色の効果、柄の有無などの示唆を含む). https://irokosei.com/about/research-paper.html
  5. Journal of the Society of Cosmetic Chemists of Japan. Hair appearance is affected by fiber alignment, gloss and surface properties(総説/研究報告). https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sccj/43/3/_contents/-char/en

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。