最近ことさら感じることの多くなった身体の些細な変化たち。その要因や対処法を調べてみると「加齢」や「更年期」の言葉が目につき、心穏やかでいられない30代〜40代の女性は私だけではないはず。
しかし、生きるということは変わるということ。だから、嘆くよりも上手く乗りこなす方がきっと楽しい。
40代突入。これがプレ更年期?!
40歳の誕生日を迎えてしばらく経った頃、ふと鏡を見たときに数本の白髪を発見。女友達との誕生日パーティーでは、「年齢はただの背番号」などと嘯いていたくせに、あっという間に意気消沈してしまった。
そして、この白髪の誕生はほんの始まりにすぎなかったようで、年齢ならではの不調はその後も出てくる出てくる……。
やたらと目立つアホ毛、力を込めると感じる指の痛み、ドライアイ、慢性的な首肩こり…など、挙げればキリがないのだが、違和感がある度にスマホで調べてみると、様々な原因の中に必ず見つけるようになったのが「加齢」と「更年期」という言葉。
「これがプレ更年期ってやつか……。」と、一度は落胆したものの、ここまで症状が出揃うともはや落ち込んでもいられなくなる。成長も老化も、生きるうえで必ず訪れる変化。
これらの症状をバグと捉え、元通りに戻すことに躍起になるか、それとも、仕様変更と捉えて新しい付き合い方を模索できるか。
約10年と消して短くはない更年期ライフ。後者の考え方で、気負わず軽やかに乗りこなしたい。
足りない分はサプリに全ベット
更年期に限らず、健康な身体を作るためには「栄養バランスの取れた食事」が不可欠である。
そんなことは百も承知だが、仕事や家事に忙しい毎日には、手抜きも息抜きも必要で、栄養のことなんて考えていられないこともしばしば。
プレ更年期を意識した当初は、食事から必要な栄養素を摂取しようと頑張ってみたものの、それ自体がストレスになると分かってから、あっさり諦めた。
身体が変わったいま、ナチュラルに摂取できない栄養素があって当たり前。足りない分は、サプリで積極的に補ったほうが賢い。朝のルーティンの動線上にサプリのボトルを置いておけば、毎日続けるのもそんなに難しくない。
私は現在、「マルチビタミン」「エクオール」「オメガ3」「ウーマンズ・プロバイオティクス(※)」を飲んでいるが、どれも効果を実感している。特に「エクオール」は、飲み始めてから数ヶ月すると指関節の痛みが消えた。
また、更年期対策で飲み始めたわけではないが、「オメガ3」はコレステロール数値を大幅に改善できたうえ、ホルモンバランスを整える効果もあると聞いて、今後も継続するつもりだ。
サプリを取り入れる時のポイントは、ひとつずつ始めること。一度に色々初めてしまうと、たとえ効果を実感できても、どのサプリが自分に合っているのか分からなくなってしまうので、ゆっくり進めるのがおすすめ。
(※)膣内環境を整えるサプリ
運動を継続するための1分でもOKルール
栄養バランスに加えて、適度な有酸素運動も、更年期対策に効果的とされている。そこで、私もウォーキングとランニングを始めてみることにしたのだが、これが全く続かない……。
スポーツウェアに着替えたり、日焼け止めを塗ったり、帰宅してからのシャワーまで考えると、軽い運動のつもりでも1時間以上。
仕事で疲れているとなかなかできない。ならばと、朝のルーティンにしてみようと思っても、家族の支度を考えるとこれも難しい。
ただ、プレ更年期の症状とともに背中や腰回りの肉が気になりはじめ、なんとか習慣化しなければと感じていた私は、運動のハードルを思いっきり下げることにした。
屋外運動は準備も大変なので、「家の中でしか運動しない」ことに。そのうえ「運動時間はミニマム1分でもOK」とし、その代わり「毎日行う」というルールにした。
YoutubeやInstagramを探せば1〜5分程度の短いものから、60分近いものまでいくらでもエクササイズ動画を見つけられる。忙しい時は短尺の筋トレ動画でパッと済ませ、「今日は長くやれるぞ」という日だけ有酸素運動を頑張るようにしている。
「毎日」は一見ハードルが高そうだが、「1分でもOK」なのでいくらでも帳尻が合わせられるし、「今日やるか?やらないか?」を判断するストレスから解放される。
たとえ別の日にたくさん運動するとしても、「今日やらなかったな…」と思ってしまう日を作るのは、精神衛生上あまり良くない。だから、「1分でもOKルール」で毎日続ける。
「自分の機嫌は自分でとる」という考えを最近よく耳にするが、プレ更年期を迎えた私には「自分の機嫌を損ねる因子は最初から排除しておく」のが一番のようだ。
家族には早めにシェアして、さらばモヤモヤ
栄養素や運動などで対策していても、本格的な更年期に突入した時に、どこまで症状をコントロールできるかは未知数だ。
特に、気分の落ち込みや倦怠感などのメンタル系の症状は、人間関係を悪くしてしまう可能性もあり、なんとか対策しておきたいもの。
そこで私は、まずは生活を共にする夫に理解しておいてもらうため、生理周期とそれにまつわる体調変化を逐一シェアするようにしている。
私のPMS症状は、生理2週間前あたりからイライラと気分の落ち込みを繰り返すようになり、1週間前になると強烈な眠気で生産性がガタ落ちになるのだが、これを夫が理解してくれている。
そのため、大事な話は後回しにしてくれたり、家事の役割分担を変えてくれたりと程よく支えてくれている。
ただ、ここで大事なのは、決してPMSを免罪符にしないこと。お金に困っても泥棒してはいけないように、生理前だからといって何でも許されるわけではない。
もしイライラ期の不用意な言葉で相手を傷つけてしまったら、あとで素直に謝る。怠くて動けない時に何かしてもらったら、ありがとうの言葉はもちろん、夫が大変な時には私にできることをする。
日本の女性は真面目で大人しいので、どんなにツラくても完璧にやろうとしたり、口に出さずに心の中で助けを求め、ひとりでモヤモヤしてしまいがち。
でも、いつだって頑張りすぎる必要はないし、また、自己開示なくしての相互扶助もない。
本格的な更年期障害と直面する前に、ホルモンバランスによる自分の症状について、早めに家族にシェアしておくといいだろう。
職場の更年期伝道師となる
最後に出来ればやっておきたいのは、職場の同僚への啓蒙活動。
まだ20代だった頃、今思えば更年期障害と闘っていた40〜50代の女性先輩社員のことを、嘲笑するような眼差しで見ていたことがある。ぐったりと疲れた表情だったり、明らかにイライラしている様を見て、「おばさんって嫌だなぁ。」と思っていた。
自分自身がプレ更年期を迎えてみて、なんと無知で配慮と尊敬に欠けた眼差しだったのかと、とても反省している。
「子供しかるな 来た道だもの 年寄り笑うな ゆく道だもの」という言葉があるが、自分がこれから通る道を笑うことほど愚かなことはない。
これからは、更年期を迎えた女性の体と心にどんな変化が起きているのか、後輩女性や男性社員へさりげなく伝えていきたい。また、更年期世代の同僚とは、ならではの悩みや対策・治療法などの良い話し相手となれるのが理想。
ただし、いかなる時も自虐はNG。自虐してしまっては、過去に先輩たちを嘲笑したのと同じことだ。
家族との付き合い方と同様、同僚が理解してくれていると分かれば、当人も安心できるようになり、これまでと同じモチベーションで仕事と向き合えるかもしれない。
おわりに
症状の有無や、重さの程度は人それぞれでも、更年期は女性なら誰にでも訪れる「ゆらぎの季節」。必ず来る季節なのであれば、バグなどでは決してないはず。
頼れるものには頼り、抜ける手は抜く。これまで頑張ってきた分、几帳面さを手放して、人生一度のこの季節を軽やかに乗りこなしたい。