副業・フリーランスという選択肢。始め方ガイド

会社員をしながら副業を始めたい、フリーランスに興味がある。フリーランスライターの佐藤麻衣が、リスクを抑えながら始める方法をご紹介します。

副業・フリーランスという選択肢。始め方ガイド

副業・フリーランスという働き方のリアル

【ライター:佐藤 麻衣(元会社員・フリーランスライター)】

「会社辞めてフリーランスになりたい」

そう思いながら、もう5年も同じデスクに座っていた私。

朝の満員電車、終わらない会議、理不尽な上司の指示。もう限界だと思いながらも、安定した給料を手放す勇気が出なかった。でも38歳の時、ついに一歩を踏み出しました。

最初は副業から。そして今、フリーランスライター3年目。収入は会社員時代とほぼ同じ、でも自由度は100倍です。

出版社で編集者として15年働いて、フリーランスになって分かったこと。それは「副業→フリーランス」って、思ってたより現実的な選択肢だってこと。今日は、そのリアルをお話しします。

最初の半年は、正直地獄でした

文字単価0.3円の現実

最初の仕事、3,000文字書いて900円。時給にしたら100円以下。

「バイトした方がマシじゃん」って何度も思いました。でも、これが現実。みんな最初はここから始まるんです。

3ヶ月後、やっと文字単価1円に。半年後には3円まで上がりました。今思えば、この「修行期間」があったから今があるんですが、当時は本当に辛かった。

深夜2時まで書いて、朝6時に起きて本業へ。土日は丸一日パソコンと向き合って。180時間くらい「ほぼタダ働き」しましたが、その分スキルは確実に上がりました。書くスピードは3倍に、クライアントからの評価も平均4.8/5.0まで上がって。

半年後から2年目:両立の試行錯誤

平日は夜9時から12時まで執筆。土日は朝から4時間ずつ。月に60-80時間は副業してました。

本業の給料が手取り25万だったので、副業で5-8万円稼ぐのが目標。これが意外と大変で。

会社にバレないように気を使いました。就業規則で副業OKか確認して、競業避止義務にも注意して。確定申告も初めてで、「20万円超えたらやらなきゃ」って焦りました。

一番大変だったのは本業のパフォーマンスを落とさないこと。人事評価に響いたら本末転倒ですから。でも正直、月曜の朝は死んでました(笑)。

独立してからの収入、ぶっちゃけます

月収8万円の月もありました

最低月収8万円、最高45万円。こんなにブレます、マジで。

平均すると月26万円くらい。会社員時代とほぼ同じですが、安定感ゼロ。最初の年は胃が痛くて眠れない夜も多かった。

でも、コツを掴みました。固定の仕事を4割、単発を6割。この比率が私のベスト。固定があると精神的に安定するし、単発で稼ぎ時に稼げる。

貯金は最低3ヶ月分。これないと死にます(本当に)。クライアントも5社以上に分散。1社に頼ると、切られた時に終わるから。

2月と8月は仕事が少ないって分かったので、その前に営業かけまくります。

一人は、想像以上に辛い

家で一人、パソコンと向き合う毎日。3日誰とも話さないとか普通です。

「このままでおかしくなる」と思って、週1でコワーキングスペース行くことにしました。月8,000円は痛いけど、精神安定剤だと思えば安い。

月2回は同業者の飲み会にも参加。「今月きつくて...」「わかる〜!」って言い合えるだけで救われる。

Slackのグループも3つ入ってます。「今日も頑張ろう」「お疲れ様〜」って軽い挨拶だけでも、孤独感が和らぐんです。

人と会うと集中力も上がるし、アイデアも出やすくなる。数字にすると20%くらい生産性上がってる気がします。

私の収入源、全部見せます

メインはやっぱりライティング(65%)

文字単価3-5円で、1記事1.5-5万円。月に15-20本書いてます。

得意分野は「女性のキャリア」と「子育て」。出版社で女性誌担当だった経験が活きてます。これで年間300万円くらい。

SNS運用代行が意外と稼げる(25%)

3社から月額固定でもらってて、合計13万円。美容系と個人事業主さんが多いです。

エンゲージメント率3.2%キープしてますって言うと、「すごい!」って言われます。でも実は、投稿時間とハッシュタグ研究しただけ(笑)。年間156万円の安定収入。

電子書籍とコンサルでお小遣い(10%)

Kindleで「40歳からの副業入門」出したら、月1-2万円入ってくるように。あと、たまにコンサルもやってます。時給5,000円で月8時間くらい。合わせて年間36万円。

「著者」の肩書きは最強だった

Kindle本出したら、世界が変わりました。

「著者の佐藤です」って言えるようになったら、単価が1.8倍に。案件の採用率も35%から68%に跳ね上がりました。

年間で120万円くらい収入増えたから、本の印税なんておまけみたいなもの。肩書きって本当に大事。

クライアントの見つけ方、変わりました

クラウドソーシングは卒業しました

最初はランサーズとクラウドワークスで必死に応募。でも手数料20%は痛い。年間24万円も取られてました。

今は全体の15%以下。実績作りには最高だけど、ずっとやってたら儲からない。

低単価競争から抜け出したら、利益率が35%も上がりました。

SNSが今は主戦場

最初は「フリーランスなのにSNSなんて...」って思ってたんですが、これが大正解でした。

毎朝30分だけ、コーヒー飲みながら投稿。フォロワーは3,200人とそんなに多くないけど、みんな同じ分野の人たちだから質が高い。今では仕事の7割がSNS経由で来るようになりました。

単価も上がったんです。クラウドソーシングの頃の2倍は普通にもらえてる。「○○さんの投稿いつも参考にしてます」って言ってもらえると、もう最初から信頼関係があるから話が早い。

ダイレクト営業も意外と効果あり

勇気を出して企業に直接メールを送ったら、10社に1社くらいは返事をくれます。そのうち半分は実際に契約になって、単価もクラウドソーシングの3倍!「すみません、営業苦手で...」って正直に言ったら、「誠実そうだから」って理由で選んでくれた会社もありました(笑)。

フリーランス3年目、振り返ってみると

最初の年は本当にきつかった。でも今思うと、あの苦労があったから今があるんです。

年収は492万円になりました。会社員時代より100万円アップ。でもそれより大きいのは、自分の時間を自分でコントロールできること。

朝はゆっくりコーヒー飲んで、好きな時間に働いて、疲れたら昼寝もできる。子どもが熱出した時も、誰に謝る必要もない。これが一番の収穫かもしれません。

「フリーランスになりたいけど不安」って方、最初は副業から始めてみてください。いきなり飛び込まなくても大丈夫。私も5年かかったんですから。

あなたのペースで、一歩ずつ。きっと新しい世界が待ってますよ。

佐藤 麻衣

39歳。フリーランスライター、元出版社勤務。副業からフリーランスへの転身経験を活かした実践的なアドバイス。