夫婦で楽しむ週末デートプラン。関係性の再構築

子育てが一段落したら、夫婦の時間を大切に。夫婦カウンセラーの岡田さゆりが、関係性を深める週末デートのアイデアをご提案します。

夫婦で楽しむ週末デートプラン。関係性の再構築

夫婦関係をリフレッシュする週末デートプラン

【ライター:岡田 さゆり(夫婦カウンセラー・2児の母)】

「今度の土曜日、二人でお出かけしない?」

夫にそう提案した時の反応が忘れられません。「え?子どもたちは?」「お金もったいなくない?」「疲れてるから家にいたい...」

ああ、やっぱり。

結婚15年。気がついたら、夫との会話は「明日の子どものお迎え、お願い」「電気代の明細来てるよ」「そろそろ牛乳なくなるよ」...そんな連絡事項ばかり。

「あれ?私たちって、いつから室内で暮らしてるだけの室友になっちゃったんだろう」

夫婦カウンセラーとして年間240組のご夫婦の相談を受けていますが、うちと同じような状況の方、実は本当に多いんです。結婚15年以上の夫婦で、週1回以上夫婦だけの時間を持ててる人って、たった23%しかいないそうです。

でも、だからといって諦める必要はありません。ちょっとした工夫で、夫婦の時間って作れるし、関係性も確実に変わります。私自身がそうでしたし、カウンセリングで関わったご夫婦たちも、みんなそうです。

今日は「デートなんてもう何年もしてない」「そんな時間もお金もない」というご夫婦に向けて、現実的で続けられる夫婦時間の作り方をお話しします。

どうして夫婦時間がなくなっちゃったんだろう?

カウンセリングでよく聞くのは、こんな声です。

「気がついたら、夫とは子どもの話と家計の話しかしてない」
「一緒にいても、それぞれスマホ見てる」
「手を繋いだのなんて、いつが最後だったかな...」

そうなんです。夫婦って、知らないうちに「お父さん」「お母さん」になりすぎちゃって、「夫」「妻」を忘れがちなんですよね。

私自身もそうでした。上の子が小学校に入ったあたりから、夫と二人だけで話す時間がほとんどなくなって。でも「子育てが忙しいから仕方ない」って思い込んでました。

でも、ある日気づいたんです。このままじゃ、子どもが独立した時に「あなた誰でしたっけ?」状態になっちゃうって。

段階的に関係を取り戻していく作戦

いきなり「昔みたいにラブラブに!」は無理ですよね。だから、少しずつ、段階を踏んで関係を取り戻していくんです。

第1段階:まずは週1回30分から(最初の3ヶ月)
いきなり丸一日デートは現実的じゃない。まずは週1回、30分だけ夫婦の時間を作る。子どもが寝た後でも、早起きして朝の時間でも。とにかく「二人だけの時間」を意識的に作る。

第2段階:感情を共有してみる(3〜6ヶ月目)
慣れてきたら、もう少し踏み込んだ話をしてみる。「最近、仕事どう?」「今度の連休、何したい?」とか。あと、意識的に「ありがとう」を言うようにする。

第3段階:未来の話をする(6ヶ月以降)
「子どもが独立したら、二人でどこに旅行に行きたい?」「老後はどこに住む?」みたいな、将来の夢を一緒に語る。これ、意外と盛り上がります。

私たち夫婦も、この3段階を踏んで、少しずつ関係が改善していきました。今では月に1回は必ず二人だけでお出かけしてます。

お金をかけなくても、ちゃんとデートできます

「デートにはお金がかかる」って思いがちですが、実はそんなことないんです。私たち夫婦が実際にやってる「お財布に優しいデート」、ご紹介しますね。

お金0円でも楽しめるデート

近所散歩デート
これ、バカにできません!いつものお散歩コースを「今日はデートで歩いてる」って思うだけで、なんか特別な感じになるんです。「あ、この家いつの間にかリフォームしてる」「この公園の桜、来年も一緒に見ようね」なんて話してると、意外と時間があっという間。

図書館デート
夫に「図書館デートしよう」って言った時は「え?」って顔されましたが(笑)。でも行ってみたら、お互い好きな本を選んで、カフェコーナーで読書。静かな空間で、久しぶりにのんびりした時間を過ごせました。

家でも立派なデート
子どもが友達の家に遊びに行った土曜日の午後、夫と一緒に晩ごはんを作ったんです。普段は私が一人で準備してるから、二人で野菜を切ったり、味見したりするのが新鮮で楽しかった!

ちょっとお金をかけるなら(1,000〜3,000円)

朝カフェデート
子どもがまだ寝てる朝の8時に待ち合わせて、近所のカフェでモーニング。「なんか不倫してる気分だね」なんて冗談言いながら(笑)。いつもより早起きした甲斐がありました。

映画のレイトショー
子どもを実家に預けて、久しぶりに映画館へ。レイトショーなら安いし、映画を見た後は感想を話し合って。「あのシーン、良かったよね」なんて、学生時代みたいに話が弾みました。

たまには奮発デート(5,000〜10,000円)

月1回くらいは、ちょっと奮発してちゃんとしたレストランでディナー。「今月は頑張ったから」って理由をつけて。普段ファミレスばかりだから、ちゃんとしたお店で食事すると気分が上がります。

時間がない時の、時短デート術

「平日は無理」「週末も子どもの予定でいっぱい」...そんな時でも大丈夫。隙間時間を使ったデート術をお教えします。

早朝デート
子どもたちがまだ寝てる朝6時半、近所を二人で散歩。朝の新鮮な空気の中で「今日もいい一日にしようね」なんて話しながら歩くと、一日が特別な感じで始まります。

平日有給デート
たまには平日に有給を取って二人でお出かけ。平日だから空いてるし、「今日は平日なのに二人でいるね〜」っていう背徳感も楽しい(笑)。

家族みんなで協力しよう!

夫婦だけの時間を作ることに、子どもが寂しがったり、不安になったりすることもありますよね。

うちでも最初、娘に「なんでママとパパだけ出かけるの?」って言われました。そんな時はこう説明しています。

「パパとママが仲良しだと、家族みんなが幸せになるんだよ。お友達のパパママが仲良しだと、その家って雰囲気がいいでしょ?うちもそうなりたいから、たまに二人だけの時間を作るの。でも、あなたたちのことが一番大切なのは変わらないよ」

実際、夫婦仲がいい家庭の子どもの方が情緒が安定してるって研究結果もあるんです。

実際に続けるためのコツ

月の初めに予定を決める
「いつか行こう」だと絶対に行けません。月の初めに「今月の○日は夫婦デーにしよう」って決めちゃいます。

無理しない
完璧を目指すとしんどくなります。「今月は忙しくてできなかった」があってもいいんです。60%の達成率で十分。

小さく始める
いきなり一泊旅行は無理でも、30分の散歩から始める。続けてるうちに、だんだん長い時間も作れるようになります。

効果を実感する

夫婦時間を作るようになって1年。明らかに変わったことがあります。

夫との会話が増えました。子どものことや家事のことだけじゃなく、「最近読んだ本が面白くて」とか「今度行きたい場所があるんだ」とか、そんな話ができるように。

そして、子どもたちも「パパとママ、最近仲良しだね」って言うようになりました。

夫婦デートって、決して贅沢なことじゃないんです。家族の土台である夫婦関係を大切にするための、必要な投資だと思います。

「夫婦だけの時間なんて...」って思ってるあなた。まずは月1回、30分から始めてみませんか?きっと、家族全体の雰囲気が変わりますよ。

岡田 さゆり

45歳。夫婦カウンセラー、2児の母。夫婦関係のリアルを知り、ユーモアを交えた共感的なアドバイスが得意。