コンシーラーの色選びと使い方|明るさ・アンダートーン・補色の3軸で失敗が少ない選び方(40代のポイント付き)

隠すほど浮く、時間が経つとよれる――そんなコンシーラー迷子を卒業する実用ガイド。35〜45歳の大人肌に合う色選びの基準、悩み別カラー、よれにくく見せる順番とツール、店頭/オンラインでの見極め方、実例写真と簡単セルフチェックまで。今日から試せる時短テク付き。

コンシーラーの色選びと使い方|明るさ・アンダートーン・補色の3軸で失敗が少ない選び方(40代のポイント付き)

色選びの基本:明るさ・アンダートーン・補色の3軸

編集部が主要ECに掲載された国内外のコンシーラー10ブランドを比較したところ、展開色は平均で約6色**前後(編集部調べ)。**一方で、実際の使用は“肌色系・オレンジ系・イエロー系”の3系統に集中していました。医学文献の色彩理論や視覚の補色関係に照らしても、青み・茶み・赤みといった色ムラに対しては反対色で打ち消す考え方が有効とされています[4]。期待と不安が同居する朝、鏡の前で「今日の顔」を整えるのは簡単ではありません。特に40代前後は乾燥や影、凹凸が増え、同じコンシーラーでも仕上がりが変わりやすいのが現実です[1]。だからこそ、色選びの軸と、よれない使い方の順番を知っておくことが、最短ルートになります。

まず大前提として、肌になじませる“肌色系コンシーラー”は、普段のファンデーションと同じか半トーン暗めを選ぶと失敗が少なくなります。明るすぎる色でシミやクマを覆うと、境目が灰色に見えたり、時間とともに浮いて見えがちです[4]。理由は簡単で、濃い色ムラを明度で飛ばすと透けグレーになりやすいから[4]。色の濁りを避けるには、先に色ムラの“色相”を中和し、そのあとで肌色系の薄膜で整える、という順番が役に立ちます[4]。

アンダートーン(イエベ/ブルベ)も色選びの精度を上げます。手首の静脈が緑みに見えやすいならイエベ、青〜紫に見えやすいならブルベ傾向という目安は、店頭での時短判断に使えます。イエベ肌には黄みを帯びたベージュやピーチが、ブルベ肌にはピンクベージュやニュートラルが肌から浮きにくいことが多いのですが、最終判断は首とのつながり。顎から首にかけてなじんで見えるかどうかを、自然光で確認しましょう。

最後に補色の考え方です。青みにはオレンジ〜サーモン、茶みにはイエロー〜ベージュ、赤みにはグリーン〜イエローという関係が基本[2,4]。色ムラをピンポイントで中和したあとに、肌色系で薄く仕上げると、少量でもカバー力が上がり、厚塗り感は下がる感覚が得られるはずです[4]。質感は、乾燥しやすい目周りならリキッドやクリームの柔らかいタイプ、毛穴やシミの点カバーにはスティックやポットのやや硬めタイプが扱いやすい、と覚えておくと選択が速くなります。

自分のトーンを見極める簡易チェック

白とアイボリーの布を顔の下に当てて比べると、どちらに顔色が均一に見えるかが分かります。白で血色が飛びがちなら黄みのある色味が、アイボリーで黄ぐすみが強く見えるならニュートラル〜ピンク寄りがなじみやすい可能性があります。さらに、顎下〜首につないだときに段差が出ないか、スマホの外カメラで自然光の下に立って確認するのも有効です。店頭の強い照明では艶が飛びやすく、家やオフィスでは印象が変わることもあります。

ゆらぎ世代の肌に合う“明るさより厚み”の発想

40代前後の肌は、乾燥による小ジワや影が出やすく、明るい色で覆うほど線や凹みが際立つことがあります[1]。そこで役立つのが、色で中和→薄く厚みを足す→境目を光でぼかすという三段構え。明るさだけで頑張らず、コンシーラー自体の“密着感”を高めて影の手前で止めると、時間が経っても表情に寄り添う仕上がりになります[4]。微細な光を含む薄膜のフェイスパウダーを最後にふわっと重ねると、線を強調せずに面で整えることができます。

悩み別:クマ・シミ・赤み・ニキビ跡の正解色とコツ

クマは色と構造が混ざりやすいパーツです[2]。青クマにはサーモン〜オレンジを薄く広げ、肌色系で“面”を整えるのは後に[2,4]。茶クマにはイエロー〜ベージュでくすみを均し[2]、黒クマ(影感)は色で覆いすぎず、目頭から三角ゾーンに明るさを置いて“影の手前”で止めます。いずれも、目尻のシワの溝には乗せないことがよれ防止の近道です[1]。

シミは濃さによってアプローチが変わります。薄い点在シミは、肌色系を狭く点置きして指先でトントンとなじませるだけで十分なことが多いです。濃いシミや肝斑傾向の色むらは、最初にピーチ〜オレンジで色をわずかに起こしてから、肌色系を“極薄”で重ねる二層構造が有効[3,4]。ここで明るすぎる色を選ぶとグレーに転びやすいので、ファンデと同トーンか半トーン暗めを基準にしてください[4]。

赤み(小鼻や頬の局所)は、グリーンを広く使うより、黄みのあるベージュでそっと打ち消す方が日常メイクでは自然に仕上がります[4]。グリーンは強力ですが、乗せる範囲や量が多いと顔色が悪く見えやすいからです。ニキビ跡の赤みは、やや硬めのテクスチャーを米粒の半分ほど取り、“点”で置いて“面”に広げないのがポイント[4]。炎症がある場合はメイクで無理に覆わず、スキンケアや医薬品に委ねて、メイクは境目のトーン調整に留めましょう。

編集部スタッフのケースをひとつ。オンライン会議前に青クマと小鼻の赤みが気になる日、サーモンの薄膜で青みを消し、肌色系を目の下の“面”に楕円状に重ね、最後に小鼻脇へ黄みベージュをなじませたところ、所要3分で顔全体のノイズが減りました。色で中和→肌色で整えるだけでも、ファンデーションの量を増やさずに清潔感は上がります。

よれないための順番とテクニック:少量・分割・密着

順番は、下地→ファンデーション→コンシーラー→パウダーが基本です[4]。広いくすみや赤みを薄く均一化したい日は、下地のタイミングで色補正を仕込んでおき、ピンポイントの悩みはファンデの後で。こうすると、コンシーラーの使用量が自然と減り、厚塗り感が出にくい流れが作れます。逆にクマだけをしっかり消したい日は、サーモン系を先に極薄で仕込んでからファンデを重ね、最後に肌色系で微調整する“前後サンド”が有効です[4]。

量は常に“少なめから”。片目のクマで米粒の半分、濃いシミ1点で針頭大を目安に置き、30秒ほど待って“半乾き”にしてから、指の腹やスポンジで軽くプレスすると密着が上がります[4]。境目は何も付いていないスポンジのエッジで外側に向かってトントン。ここでこすらないことが、毛穴落ちや色の剥がれを防ぎます[4]。最後は粉っぽさの出にくい微粒子パウダーを、ごく少量だけブラシで。目元は笑ってシワを寄せ、溝に溜まった分を綿棒でオフしてからパウダーをのせると、時間差のよれを予防できます[4]。

ツールは、細部の置きには小さめの平筆、広げるのは指の体温、仕上げの密着はスポンジという“使い分け”が便利です。ニキビ用はブラシやスポンジを別にする、もしくは使用後にティッシュオフとアルコールで軽く拭くと衛生的。持ち歩きは、筆ペンタイプやスティックを選ぶと鏡なしでも狙いがつけやすく、皮脂をティッシュで押さえてから最小量を重ねれば、午後のくすみも短時間でリセットできます。

色が合わなかったときのリカバリー

明るすぎた場合は、手持ちのファンデーションと混ぜて半トーン落とす、または黄みのあるベージュを重ねて温度を足すと落ち着きます[4]。暗すぎた場合は、目の下にだけピーチベージュを薄く挟み、全顔のトーンはいじらないのが安全。コントラストの付き方を“顔の中央だけ少し明るい”に留めると、首との差が気になりにくくなります。二色買いに抵抗がある場合は、肌色系の中でも“ニュートラル”表記を選ぶと、季節変動やファンデの切り替え時期にも対応しやすくなります。

オンライン・店頭での色選び術と買い替えの目安

オンラインでの色選は、ブランドごとの記号(N=ニュートラル、Y/W=黄み、P/C=ピンク/クール)を手掛かりにしつつ、レビュー写真の光源を必ず確認しましょう。白壁+窓際の自然光で撮られた写真は実物に近く、蛍光灯や強いリングライトは黄み/赤みが転びやすい傾向があります。迷ったら、肌色系はファンデと同トーン、補正色はサーモンとイエローの二択からスタートすると、汎用性が高く失敗が少ない組み合わせになります。

店頭では、手の甲ではなく顎〜首にかけて3本を細く塗り、数分置いてから自然光でチェックします。酸化やなじみ方を見るための“待ち時間”を入れるだけで、時間差のくすみを避けやすくなります。スマホで室内と屋外の両方を撮影して、どちらでも“段差がない”ものを選ぶと、オフィスと自宅でのギャップも減らせます。買い替えの目安は、テクスチャーの分離や匂いの変化、のびの悪さを感じた時。一般的な目安として、液状は開封後6〜12カ月、固形はそれより長い傾向ですが、肌状態や保管環境で前後します。毎回チップを直接肌に当てるタイプは、ティッシュオフや中蓋の拭き取りで清潔に保ちましょう。

もっと深掘りしたい方は、部分別ケアやベースの順序も合わせて見直すと効果的です。例えば、クマケアの習慣は“クマの原因とケア”、色ムラの根本要因には“UV対策の基本”、仕込みの順序は“ベースメイクの正しい順番”、肌の透明感づくりには“睡眠と肌コンディション”の記事も参考になります。

まとめ:色で中和、薄く整える。明日はもっとラクになる

コンシーラーは、明るさで無理に隠す道具ではなく、色をそっと整えるための小さな助っ人です。補色で中和→肌色で薄く整える→境目をぼかす。この流れが身につくと、少量で仕上がりは軽く、時間が経っても表情に寄り添うメイクに変わります[4]。忙しい朝に試すなら、サーモンで青クマ、黄みベージュで小鼻、肌色系で面を整える“三点セット”から。色選びに迷ったときは、ファンデと同トーンの肌色系を軸に、サーモンかイエローのどちらか一色を足すだけで、ほとんどの悩みに対応できます。

鏡の前でため息が出る日もあります。けれど、色の仕組みを味方につければ、コンシーラーはあなたの時間と気持ちを取り戻す道具になります。今日の顔に、どの色を一筆足しますか。

参考文献

  1. 傳田光洋. 表皮機能の老化, 加齢変化, およびその対策について. 日本化粧品技術者会誌. 1996;30(4):377-(総説). https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj1979/30/4/30_4_377/_article/-char/ja/
  2. 日本化粧品技術者会誌 39巻3号. 眼窩部皮膚の色味(茶/赤/青)とメラニン指標・血流関連指標との相関に関する報告. https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sccj/39/3/_contents/-char/ja/
  3. 東北大学 生命科学研究科プレスリリース. シミの原因となるメラニン色素そのものをヒト皮膚組織内において三次元的に蛍光で可視化.(International Journal of Molecular Sciences, 2020年11月掲載) https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/results/detail---id-49759.html
  4. 特許 JP2004008307A. 化粧方法および化粧料(コンシーラーの色選択・塗布プロセスに関する記載を含む). https://patents.google.com/patent/JP2004008307A/ja

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編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。