40代向けリップ色の選び方:光環境と明度・彩度で失敗を減らす実用ガイド

35〜45歳女性向け。買ったのに使わない色を減らすため、年齢で変わる唇の血色と光の影響を踏まえて似合う色・質感の見つけ方を解説。通勤・デート別のおすすめ、購入前に試す5分テク、実際の写真例までわかりやすく網羅。まずは記事をチェック!

40代向けリップ色の選び方:光環境と明度・彩度で失敗を減らす実用ガイド

リップの色選びで失敗が起きる理由を、データから見直す

カラーコスメの購買後不満の上位に「色が想像と違う」が挙がり、化粧品購入では6割以上が「失敗経験がある」と回答した調査が報告されています[1]。口紅の色選びに限っても、7割超が「失敗したことがある」と回答した国内調査があります[2]。医学文献・企業研究では、40代以降は唇の水分保持機能が低下しやすく、縦ジワや荒れが目立ちやすいことが示されています[3,4]。輪郭のハリも相対的に弱まり、見た目の血色感も低下しやすくなります[3,4]。編集部が各種データを横断して確認したところ、年齢変化に加えて、店内照明と自然光、そしてスマホやPC画面の色再現の差といった光環境による色の見え方のズレが失敗の主要因でした[5,6,7]。つまり「似合わない色を買った」のではなく、「似合う条件で見ていない」「本来の唇の色と重なった時の変化を想定していない」ことが多いのです。

ここからは、パーソナルカラーの枠に頼りすぎず、明度・彩度・色相と質感というシンプルな軸で、40代の顔立ちと日常の光環境にフィットする選び方を、実用目線で解きほぐします。重要なのは、色そのものより“どう見えるか”を設計する視点です。

まず整える「似合わせの設計図」:明度・彩度・色相・質感

リップの見え方は、色の三属性(明度=明るさ、彩度=鮮やかさ、色相=赤みや黄み、青みの方向)と質感(ツヤ・セミマット・マット)のかけ算で決まります。年齢とともに肌と唇のコントラストが弱まると、高すぎる彩度や低すぎる明度が浮きやすく、逆にぼやけた色は顔色を沈ませます[3]。ここで役立つのが「基準点」を持つことです。素肌に無色リップバームだけを塗った状態で鏡を自然光に向け、唇の赤みがどの程度残っているか、フェイスラインとのコントラストがどれくらいかを観察します。もし素の唇で少し青みが強く見えるなら、黄み寄りのニュートラル(ピンクベージュやコーラル)が血色を補いやすく、逆に黄ぐすみが気になる肌には、ローズやベリーのようなわずかに青みを含む色が澄んで見えます。

明度は「歯と肌の明るさ」が目安になります。歯の黄みが気になる場合、過度な黄みベージュはくすみの原因になりやすいため、同じ系統でも半トーン明るい色か、透明感のあるツヤで光を拾う設計に寄せるとバランスが取りやすくなります。彩度は「普段のチークとトップスの色」がヒントです。くすみカラーの服が多い人は、リップの彩度を一段上げると顔が負けにくく、ビビッドな服が多い人は、リップは中彩度で余白を残したほうが洗練されます。質感は縦ジワと相性が密接です。水分量が落ちる年代では、完全マットは輪郭が曖昧に見えやすい一方、セミマットやシアーは縦ジワを映しにくく、光で明度も補えるため、色の冒険がしやすくなります[3,4]。

編集部スタッフの体験でも、同じローズ系でもマットは強く、シアーは自然に発色し、写真映えが異なる結果に。つまり、色名よりも仕上がり設計を優先することで「思っていた顔と違う」ミスマッチを避けられるのです。

肌トーンに縛られすぎない「温・冷ニュアンス」の捉え方

イエベ・ブルベといった分類は指標として便利ですが、季節やコンディションでゆらぐのが現実です。重要なのは、今日の肌が「黄みに寄っているのか、赤みが抜けて冷たく見えるのか」を鏡で確かめること。その日のニュアンスに対して、色相を半歩だけ逆方向に動かすと顔の中心が生き返ります。黄みが強い日は、ローズにコーラルが一滴混ざったような色で中庸へ。青白く見える日は、アプリコットやピンクベージュで体温を足す。“半歩だけ逆方向”が、違和感を出さずに血色を取り戻すコツです。

「似合う」を決めるのは輪郭とコントラスト

唇の輪郭が薄くなると、濃色は締まりを生みつつもハードに見えやすくなります。そんなときは、唇の外側を無色のバームで整え、中央に色を集めて外側を薄くぼかすと、色の主張は保ちながら柔らかさが出ます。逆に顔立ちがはっきりしている人は、色の面積を均一に塗ったほうが洗練されます。同じ色でも“塗り方”が似合う・似合わないを左右することを覚えておくと選択肢が増えます。

シーンと光で選ぶ:オフィス、週末、フォーマル、オンライン

オフィスでは、会議室の蛍光灯や昼白色で顔色が寒色寄りに転びがちです。ここでは中明度・中彩度のニュートラルピンクやコーラルが実力を発揮します。質感はセミマットかシアーを選ぶと、マスクの着脱でも荒れが目立ちにくく、会話の多い日でも乾燥の影響を受けにくくなります。チークはリップと同系色で薄くつなげると、顔全体が「自然に整っている」印象に落ち着きます。こうした照明環境による色の転びは、光源のスペクトル分布と視覚の色順応により説明され、肌色や赤系の見えは蛍光灯・白色LED・昼光で変化します[5]。

週末の屋外では、直射日光や反射光で彩度が高く見えます[5]。普段より半トーン落とした彩度か、透明感のあるツヤを選ぶと、抜けのある発色に。デニムやスウェットなどカジュアルな素材の日は、あえて青みローズやベリーを唇の中央だけに重ね、周囲をぼかすと、こなれた今っぽさが生まれます。反対に、くすみベージュは顔色をフラットにしやすいので、必ずチークやハイライトで血色と光を連動させてください。

フォーマルや夜の席は、暖色照明で明度が落ちて見えます[5]。写真映えを狙うなら、普段より半トーン明るい赤系か、透ける深色が安心です。輪郭はブラシで内側から描き、ティッシュオフして薄く重ねる二度塗りにすると、色持ちと品の良さが両立します。歯の色が気になる場合は、わずかに青みを含む赤が白く見えやすい視覚効果を持ちますが、青みが強すぎると肌が冷たく見えることも。赤は“明度を上げる”か“透明度を足す”と、40代以降の肌になじみやすくなります。

オンライン会議はカメラや配信の画像処理の影響で赤成分が抑えめに再現され、実物より血色が落ちて見えることがあります[6,7]。編集部の検証でも、画面上では実物より控えめな発色に見えるケースが目立ちました。この場合、コーラルやピンクベージュに一滴の赤を足すイメージで、実物よりやや血色感のある色を選ぶと画面映えします。光は顔の正面から、背景は中明度で整えると、リップの色が正しく伝わります。

買う前・買った後で失敗を減らす、実践テク

まず、店頭では手の甲ではなく指の腹と唇に近い色の肌(顎下や頬の下)で色の相性を確かめ、できれば店外の自然光でもう一度鏡を見る時間を確保します。数分置いてからの色の変化をチェックすると、体温や水分でのトーン変化が見えてきます。香りやテクスチャーが日常でストレスにならないかも重要です。オンライン購入では、公式画像だけでなく複数の光源条件で撮られた実ユーザーの写真を見比べるのが安全。スマホの画面設定(原色強調やナイトモード)も色の見え方に影響するため、標準設定に戻してから比較すると誤差が減ります[6,7]。迷ったときはミニサイズや限定セットで“試せる量”から始めると、使い切れない在庫を作りません。照明条件を変えて確認するという小さな工夫だけでも、色の見えのズレを大幅に減らせます[5].

買った後に「少し違った」と感じたときは、微調整で活かす発想に切り替えます。黄みが強く顔がくすむなら、青みローズを中央に薄く重ねると中和が進み、青みが強く顔が冷たく見えるなら、アプリコットやピーチを重ねて体温を足します。顔全体がぼやけるときは、リップの周囲をコンシーラーで薄く整えてコントラストを作ると、同じ色でも“似合い度”が上がります。ティッシュオフ→薄く重ねる二度塗りは、彩度を自分で調整できる万能テク。グロスを一滴だけ中央に置くと、明度が一段上がって見え、縦ジワも目立ちにくくなります。

40代の唇ケアが「色の見え方」を左右する

色選びの話に聞こえるかもしれませんが、実はコンディションが発色を大きく変えます。加齢に伴い唇の水分保持機能が低下しやすく、角質の薄い唇はバリア機能も弱いためダメージの影響を受けやすいことが示されています[3,4]。荒れや皮むけがあると、色がまだらに沈み、どんな名色も本来の実力を発揮できません。就寝前に無香料の高保湿バームで包み、朝は余分な角質を優しく拭き取ってから塗るだけで、発色の「解像度」が上がります。さらに、日中のUV対策(SPF入りリップや日陰・帽子の併用)を怠らないことで、唇の色素沈着や光老化を防ぎ、ニュートラルなキャンバスを保てます[8,9]。整った土台は、それだけで一本の色幅を広げる投資です。

まとめ:色は“選ぶ”だけでなく“設計”すると失敗しない

今日の自分の肌と唇、そしてこれから過ごす光の下を観察する。その小さな習慣が、色選びの精度を一気に上げます。明度・彩度・色相・質感を半歩ずつ動かし、必要なら塗り方で微調整する。そうやって“どう見えるか”を設計できれば、これまで避けていた色もあなたの武器になります。失敗をゼロにすることより、活かす技を持つことが大人のメイクの強さ。次にリップを手に取るとき、自然光で素の唇を見てから、いつ・どこで・誰に会うのかを思い浮かべてみてください。選ぶ基準がはっきりしたら、迷いはぐっと減るはず。今のあなたが一番軽やかに見える一本、今日はどの色にしますか?

参考文献

  1. NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社. 化粧品購入に関する調査(2022). https://research.nttcoms.com/database/data/002191/
  2. PRTIMES. 口紅の色選びで、失敗したことがある女性は7割超(プレスリリース). https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000412.000025614.html
  3. ロート製薬 研究トピックス(2020)加齢に伴う唇の変化の男女差に関する観察解析. https://www.rohto.co.jp/research/researchNews/technologyrelease/2020/0707_01
  4. NCBI PMC. Hyaluronic acid and skin water retention(総説). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12308779/
  5. 日本色彩学会誌 特集. 照明のスペクトル分布と色の見え(総説・論文集). https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jcsaj/spenum/41/0/_contents/-char/ja
  6. CiNii Research(NII). ディスプレイ特性と色再現に関する研究(CRID: 1390852252714365696). https://cir.nii.ac.jp/crid/1390852252714365696
  7. NCBI PMC. 観察者の色判断と光源差に関する研究(カメラ/表示に関連). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10184522/
  8. World Health Organization. Ultraviolet radiation and the INTERSUN Programme. https://www.who.int/uv
  9. American Academy of Dermatology Association. Sunscreen: How to protect your lips and skin. https://www.aad.org/public/everyday-care/sun-protection/sunscreen

著者プロフィール

編集部

NOWH編集部。ゆらぎ世代の女性たちに向けて、日々の生活に役立つ情報やトレンドを発信しています。